髪は毛根で作られている。毛根の中心に「毛乳頭組織」があり、それを包むように髪の素となる「毛母細胞」が取り囲んでいる。毛母細胞は分裂を繰り返し、次第に上へと伸びていく。その髪に色をつけているのは、毛母細胞の間にある「メラノサイト」だ。
メラノサイトはメラニン色素を作って、髪を黒くするのだが、加齢や外部からのストレスで頭皮にダメージが与えられるなどすると、メラノサイトは活動を低下させ黒髪の生成が妨げられる。すると、白髪が生えてくるようになる。
一方、毛根の寿命は、およそ5年もあり成長し続ける。頭髪は引き抜いても、毛根の組織を破壊することがほとんどないため「白髪はいつも同じ場所から生える」ことになる。
毛根が寿命を終えると毛根ごと抜けて、新たな毛母細胞が生成されて、髪の毛を生やすことになるのだが、メラノサイトの活動を低下させている原因が改善されないかぎり、新たな毛母細胞は再び白髪を作ることになる。これも「白髪はいつも同じ場所から生える」というイメージにつながるかもしれない。
そうこうしているうちに、毛母細胞が弱り、毛根が細くなると、髪の毛が成長する途中で抜けてしまい、生えかわりのサイクルが短くなり、やがては髪の毛が生えなくなってしまう。