Q. サーラさんからの疑問
チョウについて教えてください。
私の理解が間違っているのかもしれないですが、チョウの食べ物は、花の蜜ですよね? で、花の蜜を、ぜんまいのようにくるくるまとめられている管ですっているのですよね?
でも、私が持っている蜜のイメージは、ドロドロしているのです。粘度が高いのです。そんなものを、チョウのあの細い管で吸えるものなのでしょうか?
また、「吸う」と簡単に言いますが、チョウの体の大きさに対して、あの管の長さは異常に長いと思うのです。吸うのも大変なのではないかと思います。
どなたか、チョウが蜜を吸う仕組みについて、教えていただけないでしょうか? あの「器官」の名前も教えていただけると助かります。よろしくおねがいします!
★確かにむちゃくちゃ長いストローですよね。
A. やまおさんから
毛細管現象によるものです。チョウには、ストローで吸えるほどの肺活量はありません。
毛細管現象とは、細い管状物体の内側の液体が管の中を上昇する現象で、毛管現象とも呼ばれます。
A. けろさんから
蝶のストローは口吻(こうふん)といいます。私もあれは単なるストローなのか疑問に思い、調べたことがあります。
蜜の粘度について粘度については、ハチミツのどろ〜っとしたイメージがそのまま花の蜜のイメージになっているのではないでしょうか?
ハチミツは、ミツバチの唾液に含まれる酵素が花の蜜の主成分であるショ糖をブドウ糖と果糖に分解すると共に、巣の中で濃縮され粘度が上がりどろ〜っとします。したがって、花の蜜自体は粘度が低いためストローで吸うことが可能なのではと思います。
ストローの長さについてはそれぞれの蝶の種類毎にある程度食べる物(花)の種類が決まっているため、それに合わせた長さになるのではと思います。自分の体調より長いストローを持つ蝶もいるようですよ。
A. ごんたさんから
蝶の口の名称ですが、意外にあっさり「吸収管」と呼ばれています。この管状の器官はあごが変形したものらしく、他の昆虫でよくみられる「横向きに開くあご」と同じ物だとは私も知りませんでした。さらに、羽化したばかりだと管になっておらず、徐々に左と右のあごがくっついて一本の管になるらしいです! 驚きですね。
人間がストローで水を吸う場合、肺の吸う力を利用しますが、蝶の場合、頭部にある空洞をポンプのように使い、蜜を吸うようです。ちょうどスポイトで水を吸うのをイメージすれば分かりやすいかと思います。
そして、私が最も言いたかったのは「花の蜜はドロドロじゃないよ」です。
たぶん、サーラさんは蜂蜜をイメージされたからだと思うのですが、蜂蜜は蜂が吸って集めた蜜ですから、唾液などで成分が変化しています、貯蔵中に水分も抜けますからドロドロになるのです。
実際の花の蜜は花にもよりますが、だいたいは砂糖水のようにサラサラしたものが多いと思ってください。
A. hoshiyanさんから
まず、チョウが蜜を吸いあげて体に取り込む仕組みは難しいというか、実はよく分かっていないよう(私の知る限りですが……)。
蚊の場合は前咽頭と咽頭にある吸引ポンプ構造があり口吻(導入管)も短いので蚊の吸入システムを理解することは容易い。しかし、チョウでは吸引ポンプ構造の存在は報告されていない。
現在のところチョウは蜜を毛細管現象で吸い上げるという説が有力。口吻の先の導入穴の大きさが約10μmと極細であることが毛細管現象の説を支持しているように思える。チョウの口吻内面には、ネジのナットの内面のように円周状に細かい溝が確認できる。この構造が毛細管現象を促進すると思われる。
さらに、蜜が通る穴が楕円形になり肉厚の部分が存在する。この部分が筋肉のように伸縮して穴を広げたり萎めたりでき、我々の食道が食物を送る蠕動(ぜんどう)運動のような機能があるのではないかと推測する学者もいる。私もその説を支持したい。そうでもないと、毛細管現象だけでは、あの長い口吻を通して蜜を体内に取り込む事は容易でないと思われる。
最後に質問者の方が持っておられる蜜のイメージは、蜂蜜のものではないでしょうか。蜂蜜の糖度は70〜80%で、飽和状態にかなり近く、言われるようにドロドロ。
一般的な花の蜜は糖度が 5〜15%くらいなので、かなりサラサラしている。ミツバチは集めてきた花の蜜を酵素で熟成させると同時に水分を蒸発させ、糖度をあげています。
★いろんな説ができてましたね!
|