--- 素朴な疑問集 ---
トップページへ    [素朴な疑問集 TOP]


疑問No.112 (2001.06.05)

Q. よぴさんからの疑問

 電車で、携帯電話(もちろんマナーモード)の電源を切らないでいると、本当に医療機器に影響を及ぼすのでしょうか?
 というのは、電車自体やラジオやちいさなパソコンなどでも、同じ程度の影響があると思うのです。
 教えてください、よろしくお願いします!!

そうですよね。「切れ」というアナウンスはよく聞きますが、携帯電話の影響がどれほどのものなのかについては、あまり知られていませんね。(星田)


A. 一知半解さんから  http://homepage1.nifty.com/hankai/

 電磁波による精密機械への影響は、いろいろな番組でも取り上げられており、飛行機に乗っても携帯電話やパソコンのスイッチを切るようアナウンスが流れると思います。
 同じように、病院などの医療機関においても流れるわけですが、確か精密機器から30cm離せば大丈夫という話を聞いたことがあります。ですから、それ以内では誤作動する可能性があるってことです。
 ちなみに、心臓のペースメーカーもその対象で、ペースメーカーを入れている人は埋め込まれているのと反対側(通常は右)で携帯電話を使うようにいわれている――という話も聞いたことがあります。

A. macotoさんから

 以前、他の方のHP(「科学と技術の諸相」)で質問したところ、的確な答えが示されました。下記を御参照ください。
 
http://www3.justnet.ne.jp/~yoshida-phil-sci/qa_a32.htm#q135

A. Qちゃんさんから

 影響はあると思います。
 昔、まだうちのボロ自動車にCDのオートチェンジャーがなかったころ(今もないのですが)、ポータブルのCDプレイヤーをゲゲゲの鬼太郎の妖怪ポストのように、弾力性のある棒の先端につけて走っていました。このCDプレーヤー、携帯電話がかかってくるたびに、一時停止していました。なので、やはり、心臓のペースメーカーなどの医療用の電子機器には、影響があると思います。
 多くの方が経験があると思いますが、パソコン用の小さなスピーカーの横に携帯電話を置いていると、電話がかかってくる直前に、スピーカーから「ボボボボ」という音が聞こえてきます。
 これは、携帯電話が、受信する時に「ちゃんと電波を受けましたよ」ということを、基地局に知らせる電波を出しているからです。AさんからBさんの携帯電話に電話をした時、Aさんに呼び出し中の音(プルルルル)を流すか、「この電話は現在圏外に……」を流すかを決めるためには、Bさんが電波を受けたかどうかを電話局に知らせる必要があるからです。
 この「ちゃんと電波を受けましたよ」の電波を電線(スピーカーケーブルやCDプレイヤー、ペースメーカーの配線など)が受けると、そこに微弱な電流が流れます。でも、精密機器にとっては微弱な電流も命取り。そこで、CDプレーヤーがとまったり、微弱電流がアンプで増幅されてスピーカーから聞こえたりします。音楽が止まるだけならいいのですが、ペースメーカーなどが止まると大変です。
 マナーモードもダメなのは、もう1つ携帯電話が電波を出すときがあるからです。それは、エリアの移動です。
 携帯電話の基地では、呼び出す電話がだいたいどのエリア(携帯電話の基地局のアンテナから電波の届く範囲)にいるかを把握しています。なぜかというと、もしもどこにいるかわからなかったら、1つの携帯電話を呼び出すために、全国の通話可能エリアにその電話の呼び出し電波をながさなけれえばならなくなるからです。
 仮に各県ごとに電波のアンテナが設置されていて、県境がエリアの範囲だとします。(実際にはエリアももっと小さい)。Bさんが東京都にいるとすると、東京都のアンテナは「ここは東京だよ」という電波をいつも出して、Bさんの携帯電話が今どこにいるかわかるようにしています。そして、Bさんの携帯電話もこの電波を受けて「今は東京にいる」ということをおぼえています。そこで、Bさんが千葉県に移動すると、千葉県のアンテナから「ここは千葉だよ」
という電波を受けて、携帯電話が「東京から千葉に移動した」と気付きます。そこで、基地局に「ボクは千葉にきたよ」と知らせるために、通話はしなくても、電波を出します。これで東京にいるAさんがBさんの携帯電話に電話をしても、携帯電話の会社は、東京にも千葉にも電波を出すのではなく、千葉のアンテナからだけ呼び出し電波をだせばいいことになります。
 このしくみが、マナーモード(音がでないだけのモード)にしているだけでは電波が出てしまうのを防げない理由です。これは飛行機の中など、携帯電話をもって移動するときにはかならず起こることです。
 PHSで行われている「今、どこにいる」というサービスは、電波エリアが小さい(数〜数十m)のPHSの特性を生かしたサービスです。
 ではなぜ携帯電話がだめで、他の電車自体や他のものは許されているかについては、確証がないのでなんともいえないのですが、発生させる電波の大きさと、出す物体からの距離も関係しているのではと思います。携帯電話は特に出す電波も大きく体の近くで利用するからよくないのではと思います。
 もっとも、電車の中で禁止しているのは、医療器具への心配よりも、お互いのマナーからだとは思います。

A. だいさんから

 最近知り合いがペースメーカーを埋める手術を受けました。私も心配になり
「携帯電話はどうなの?」
という質問をしたところ、携帯電話の説明書にあるように20cm以内でなければ大丈夫のようです(実際どんな事が起こるかはわかりません、悪しからず……)。
 医者には、胸のポケットには入れないようにということと、右の耳でかけるように言われたそうです。ペースメーカーに関して言えば、電磁波よりも磁石のほうが深刻らしいです(磁石を胸の上に置くとじっとしてても心臓がバクバクするそうです)。
 ただ気をつけるもののリストには(電車やパソコンはわかりませんが)TV、電子レンジや電気こたつなども入っているそうです。

A. としさんから

 医療機器というより電子部品への影響があります。
 携帯電話から発信されている電波(数〜数十ワット)は微弱なモノですが、電子部品に使用されている電気はもっと微弱(数ミリワット)です。
 仮に、携帯電話の電波の1割が電子部品に流れ込むと誤動作が発生します。特に医療用の装置は生死に繋がります。通常の電子部品には電波保護(ノイズ対策)されており、大概大丈夫です。
 しかし、医療用はそうはいきません。体の微弱な電波を検知する為に、検知用の端子が向き出しなっています。携帯電話の電波が流れ込んでしまうと、誤動作を引き起こす原因になります。たとえ、待ち受け時でも、携帯電話からは電波を発信していますので注意が必要です(待ち受け時は、通常よりも発信電波はすくないですが……)。
 また、最近聞いた携帯電話による影響による誤動作では、着陸寸前の飛行機で、制御不能になったそうです(機体が傾いたのか、車輪が出なかったのか忘れました。)。
 そのとき、スチュワーデスが携帯電話で話をしている人を見つけて、電源を切ってもらったら、正常に戻ったそうです。
 電波による電気部品の誤動作を確認するには、たとえば、強力な電波(無線)のアンテナの近くに蛍光灯を近づけると、蛍光灯に灯りがつく――なんて方法があります。
 身近なところでは、TV、パソコン等のブラウン管のすぐそばで、着信、発信をすると画面が揺れで確認できます。

A. shimomoさんから

 純粋な解答というわけではありませんが、私の聞いた話をお話します。
 実は私の妻は総合病院にかつて勤務しておりまして、以下そこの心臓外科医から聞いた話です。
 心臓外科医の某団体から各交通機関に対して
「心臓ペースメーカーに悪影響を及ぼす危険があるので携帯電話は電源をお切りください」
といったアナウンスをやめるようにと申し入れしているというのです。
 その理由ですが、最近のペースメーカーは携帯電話の影響をほとんど受けないということで、それよりも例のようなアナウンスを頻繁に流されることにより心臓ペースメーカーを埋め込んだ方々が不安になり、それでなくても心臓ペースメーカーを使っているというだけで外出が億劫になってしまっている方々が多いのに、さらに家から出なくなる原因となってしまう危険があると心配されております。
 交通機関としては「マナー」だけではみんな言うことを聞かないので「心臓ペースメーカー」というある種切り札というべき人の命を前面に出してきたのでしょうが、むずかしい問題だと思いましたね。
 もちろん医療機器に全く影響がないとは言い切れないそうですので、混雑したところや病院内ではマナーとして電源を切る習慣を身に付けたいものです。

A. 田口 剛さんから

 ホームページを拝見しますと、ほぼ回答が終わっているように思いますが、遅ればせながら電波法関係では下記のような規則があるのが判りましたので、蛇足とは思いますが、お知らせします。
 携帯電話からの電磁波による心臓ペースメーカーへの影響については
http://www.jarl.or.jp/Japanese/2_Joho/2-2_Regulation/kankyo/UR001b.htm
に詳しく書かれています。
 電波法では電波法施行規則 「第2章 無線局 第3節 安全施設」が1999年10月1日に改正施行され、
「無線局から発射される電波の強度が、一般の人が容易に立ち入ることができる場所において基準値を越えるかどうかを確認し、基準値を超えている場合は、一般の人が立ち入ることができないように施設をする」
のが趣旨です。
 これは携帯電話のような移動する物には適用されませんが、携帯電話の周波数1500〜900MHz、800mWで試算して見ましたら、基準値の1/2以下になるようです。
 計算方法などは、「電波防護指針」(JARL技術委員会電磁波環境分科会)をご覧下さい。URLは
http://www.jarl.or.jp/Japanese/2_Joho/2-2_Reguration/kankyou/UR001b.htm
 1週間ほど前に見たTV番組では、携帯電話の使用を禁止している病院で、スタッフが連絡用に使用しているのはすべてPHSとのこと。PHSは携帯電話の数分の一の出力なので、医療機器に影響が無いことが確認され、スタッフ間の呼び出しや連絡がスムースに行われ、緊急時には便利だそうです。

A. あめさんから

 医療機器ではありませんが、電動車いすが携帯電話が原因で誤作動を起こす事故が実際に起きています。死亡例もあります。
 自分の携帯で人が不安になったり、実際に亡くなってしまったりするのはあまり気分のいいものではないので、気をつけられる範囲で気をつけようと思います。

A. Cyamuさんから

 ペースメーカー(以下PM)で磁石が危険というのは、おそらくお医者さんがごくごく簡単にやってはならないことを説明してしまったための勘違いです。
詳しくは以下の通りです。
 磁石を近づけると、設定された刺激頻度がマグネットレート(心臓を刺激する頻度)と呼ばれる固定の刺激頻度を持ったペーシングモードに変化します。このときのマグネットレートは決まっていて、電池が無くなってくると、この刺激頻度を減らして電池が寿命に近づいたことを知らせます。
 しかし、この動作モードはちょっぴり危険なため(本来の生体由来の刺激と競合して良くないことが起こる場合があります)お医者さん立ち会いの元で点検を受けます。こうして電池の減り具合を調べるための機能なのですが、病院以外では危険な可能性があるため磁石はPMに近づけないようにとの指導を行います。
 あと、細かいことを書くとPMが電磁干渉を受ける最遠の距離は15cm(全メーカーの物を試したそうです)で、それに安全係数の1.41421356をかけ算して22cm以内に携帯電話を近づけないようにと業界(ペースメーカー協議会)から勧告されています。
 最後に、なんとPMはそんなに電磁干渉に弱くないです。
 今時のPMは全て電磁干渉を受けるとEMIモードと呼ばれる電磁干渉モードで動作を行うように設計されています。電磁干渉を感知すると固定の刺激頻度で刺激を行うように設計されているので刺激が止まってしまって心臓が止まるということはまずありません(最近そのような事故報告は出ていないと思います)。
 ただし、先ほどのマグネットレートと同じで生体由来の刺激と競合した場合には危険なこともあるので100%安全とは言えないのですけどね。
 最近のPMは高機能でビックリしたり怒られたりしたときに刺激頻度が自動的に上昇したり、リラックスすると低下したりする物まで出てきています。
 これからも良い物が開発されていくと思いますのでPM患者の方はびくびくしなくても平気ですよ (*^-^*)