Q. やまおさんからの疑問
花は自分自身の美しさを感じ取る目を持ちません。よい香りを嗅ぐための鼻もありません。花自身で見たり嗅いだりして調整できませんし、確認もできません。
それなのに、どうして花は美しいのでしょうか? また、よい香りがするのでしょうか。
★逆の戦略をしている花もあるのかな? わざと汚く、悪い臭いの花は?
A. こてつさんから
生物は、生き残れるものが増えていきます。
したがって、最初は匂いがなかったり臭かったりしても、突然変異でいい匂いの植物が育ったら、蜂とか鳥などがいい匂いに誘われて蜜や実を求めてやってきます。そして口に付いた花粉や食べた実の種を他のとこに落としてくれたり、花粉を付けてくれるので、いい匂いの植物が多く育つのです。
A. 宇美浜りんさんから
美しい姿とよい香りなのは、虫に選ばれたからです。
花自身は自分の姿や匂いを確認できないでしょう。しかし虫は美しい色やよい香りがする花に寄っていきます。そして花粉を運んでくれます。
自前の花粉よりも他の花の花粉のほうがよい子孫を残せるので、虫に選ばれた美しい姿とよい香りの花が繁栄していき、そうでない花は衰退し、やがて美しい姿とよい香りの花ばかりになったのです。
わざと汚く悪臭の花ですが、ラフレシアという花はハエに花粉をはこんでもらうため、悪臭を発します。
動物は自分で動いて美しい相手を探せるため、同じ動物同士で美しいと思う姿のものが選ばれますが、植物は自分では移動できないので、虫の判断基準を元に、虫が美しいと思う姿と香りになりました。
人間で言うなら、若者同士で異性との交流ができない規則の村で、若者の基準ではなくお見合いを仕切るおばちゃん達に気に入られる容姿や性格になるために努力するようなものです。ラフレシアは他とは判断基準の違うおばちゃんに特化して能力を磨いたのです。
A. ごんたさんから
植物の歴史は動物の歴史よりずっと古いはずですから、「花がどうして美しく、良い香りなのか?」ではなく、「なぜ、我々は花を美しく、良い香りと認識するか?」と考えた方が答えが出やすいのではないか?と思います。
おそらくは動物にとって有益となるもの(蜜や果実)をもたらす植物の花の色や形、香りを「良い」と認識するようになったのではないでしょうか?
花の色や形、香りは受粉を助けたり種子をまき散らすために必要な生き物を引き寄せるよう様々な形態をとっています。熱帯に咲くラフレシアなど、人間の感覚なら気持ち悪いと感じる色や臭いでハエを引き寄せ、受粉を助けてもらうようなものもあります。
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