Q. く〜さんからの疑問
テレビのドラマを見ていますと、若い社員に向かって上司、あるいは先輩が次のように言う場面がよくあります。
「よし、わかった。じゃあ、やってみろ! 責任は俺が取る」
深く考えてはいけないのかもしれないのですが、この場合の「責任」って具体的にどういうことですか?
ドラマではなく、現実でも、何か新規のことをやってみてうまくいかないことは多くあると思うのです。そのときの「失敗の責任」って何なのですか?
もし、失敗の結果、先輩が誰かに叱責されたとしても、また、他の部署に移されるということがあっても、それは「責任を取る」こととは違う気がしてなりません。
私は一般企業に勤めたことがないので、よくわからないのです。ぜひ、教えてください。
★あ〜、その場面、「責任」って言葉はちょっと違うのでは?――と感じることはよくあります。
ちょっと重たい疑問ですが、よろしくおねがいします。
A. おせっかいさんから
一般的に、会社で責任を取るとは、辞職や減給や移動が主旨と思われます。
本人は当然ですが、上司や周りの人も、失敗の原因を検討しながら、再度同じミスを起こさない様に対策をすることではないでしょうか。
★「責任を取る」って、大変なことなのですね。
A. 冬眠さんから
今までたくさんの上司に仕えて来ましたが、結局のところ……、
・さらに上の上司に叱責される
・他の部署に移される
程度であることがほとんどでした。もちろん見事に退職を決行された方もいないでもなかったですが……。これは間違いないと思います。私もダテに20年も平社員をやっていませんよ!(笑)
ちなみに平社員を長く続ける方が、こういったあいまいなもの言いでごまかすことができない分、早くに昇格してしまうより論理的思考能力や表現力が磨かれるのではないかと思っています(決して負け惜しみではありません)。
A. ごんたさんから
上司が取る「責任」とは、失敗した場合に取る責任にかぎります。
若い社員が実行しようとしていること(例:新規プロジェクト、画期的だが失敗した場合の損失が大きく、かつ実現性が低いなど、マイナス面が目立つもの)が失敗した場合に発案・実行者が受けるであろう懲罰で、それを上司が「命令したのは私=責任者」との理由で受けることを指します。
懲罰は様々で、単にお叱りを受ける(厳重注意)軽いものから、減給や降格(あるいは勤務評定のマイナスにより昇格が遅れる)、果ては左遷や解雇などの罰が会社に与えた損害に応じて与えられるはずです。
若い社員などが失敗した場合の損失を恐れ新規プロジェクトの発案・実行をためらわないよう、上司が「責任は〜」の言葉で後押しをしてあげる、といった状況なのでしょうね。
また、この言葉にはこういったフレーズを続けることで更に後押しをするはずです。「成功したら、君らの手柄だ」と。
★「失敗したら君が責任を取れ、成功したら俺の手柄だ」ってこともあるのかな?
A. far_West13さんから
現代で「法と秩序」の制度が敷かれて、その成果として治安と経済がある程度安定している国と地域において、「責任を取る」という意味は実質的に一つです。それは、「謝罪」ではありません。「カネで解決する」ということです。
企業体、組織体にあって、解雇、辞職、辞任、降格、左遷というのは、その職に就いて仕事をすることを根拠に、月々とか日々とか成果単位とかで報酬を得ていたのを、以後はその報酬を受け取らないということです。計算式にすると、現在から任期満了までの未来の期間に於いての
(その報酬を受け取った場合の収入)
−(その報酬を辞退した場合の収入)
という差額分のペナルティを喰らう――という形でその組織でのカネの面から、収支の埋め合わせ、帳尻合わせに努めることです。
民間の場合、会社経営者や従業員、株式会社の株主まで同じです。
株主の場合の計算式は
(当初にカネで買った株券の金額)−(ほとんど紙切れ状態の株券価格)
という差額分のペナルティを喰らうわけですが、それ以上の支出はありません(有限責任)。やっぱり、自分の投資ミスの責任を「カネで解決する」ということです。
なお「カネで責任を取る」を真面目に書くと、「基本的人権に含まれる財産権だけで解決する(暴力の抑制、平和主義)」です。
A. しげ3さんから
私も会社員です。私の会社で考えてみました。
「注意」や「叱責」など怒られる程度がいちばん軽く、この場合はそれほど大したことではありません。
責任を取って他部署へ「異動」になると、今までやってきた仕事と係われなくなります。人脈や担当していたお客さん仕事内容などすべて一からやり直す必要が出ます。状況により「降格」などになると給料に跳ね返ってきます。またその後の出世にも影響が出ます。
さらに重くなると、「解雇」なども含め会社にいられなくなります。解雇になったりすると「自主退社」より次の就職を探すのも大変になります。
ですので、「責任は俺が取る!」なんて一言で、今後一生冷や飯を食うことになりかねません。
ただし、会社には役職とそれに伴う責任区分があります。
たとえば、係長は30万円分、課長は50万円分、部長は100万円分、それ以上は社長が……。など役職によりこの金額以内の決裁権しか認められていない場合が多いです。平社員の先輩、後輩が「責任は……」などと言っても、新規取引やプロジェクトなどスタートすることすらできません。これを無視したりした時点で、出世は見込めなくなります。解雇になる可能性まで出てきます。
この決裁可能な金額を守ってやる場合は、上司の了解(捺印)が必要になります。会社では上司が了解すれば、責任のほとんどは上司に行きます。企業が謝罪などする場合は会社のトップや担当役員が出てくるのはこういった理由です。
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