--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1166 (2015.11.27)

Q. りこママさんからの疑問

 昔から疑問に思っていることがあります。
 テレビの時代劇などを見ていると、農家の夜のシーンで、屋内で数人が何らかの道具で、藁(わら)を叩いてるのを見かけます。
 きっと、あの作業を「藁を打つ」というのだと思いますが、
何のために藁を打つのでしょうか? 藁を打つとどうなるのでしょうか?
 恥ずかしいのですが、聞かぬは一生の恥と言いますので、質問しています。よろしくおねがいします。

回答と合わせて、藁に関する蘊蓄を頂けるとありがたいです!


A. トクさんから

 ちょっとの知識と想像からのお話ですが……、
 昔は藁が生活に密着する日用品や、肥料その他などで売られていたため、かなりの量を消費していました(編笠・蓑(雨具)・草鞋・敷物・しめ縄など)。
特に農家で藁が打たれていたのは、畑に出られない日や夜に内職として藁を打ち、生計を立てていたのだと思います。
 棍棒のようなもので藁を打っていると思いますが、あれは加工しやすくするためになめしている(柔らかくする?)のではないでしょうか。

A. 少伯さんから

 通常、藁うちするのは稲藁と考えてようでしょう。これは荒縄やわらじの材料となりますが、そのままでは硬いし癖があってよろしくありません。そこで
小槌などでたたいて紐状にコシをなくした状態にするのです(このとき外側の葉っぱは邪魔なので取り除いておきます)。
 ホームセンターで少量の稲藁が入手可能ですので、一度ご自分でやってみるとわかりやすいです。
 荒縄を作るのは実際に映像で確認した方が分かると思いますので、YouTube などで「縄をなう」で検索してみてください。

A. はるまさんから

 なぜかと問われるとちょっと困りますが、子どもの頃、藁縄や藁草履を身近に作ったり使ったりした体験だけをいいますと、稲藁はそのままでは硬くて、手作業では縄にも草履にもなりません。
 藁が硬い理由は、稲として育っているとき、しなやかでは自分を起立させることが出来ないので、茎がパイプ構造になっているからです。
 これを木槌などで打つことで、パイプ構造を壊し、さらにそのパイプ壁面を作っている縦方向の繊維をバラバラに解します。
 そのことで、細長い繊維に変わりますから、柔らかに曲がって縄や草履になります。強く打ち過ぎると、その繊維まで切れるので使い物にはなりません。

A. ごんたさんから

 藁縄を作るための準備作業です。
 藁とは、ご存知とは思いますが、稲の茎部分であり、稲穂(米ですね)を収穫した際に残ったいわゆる副産物です。
 昔は刈り取った稲を一度干してから脱穀(穂から穀物部分を分離させること)していました、乾いた稲穂である藁は捨てずに肥料や家畜の飼料にしたり、束ねて結わえることで藁縄やござ(敷物)の材料にと無駄なく使われました。
 藁打ちは藁縄を作成する際に作業しやすいよう、かつ柔らかい縄になるように繊維を砕く作業です。藁縄は2,3本の藁をよじって細い縄を作り、さらに2本をよじり合わせて作ります。
 また、それらの作業は手作業で同時に行っており、昔は近所のおじいさんやおばあさんが庭先で藁縄を作る光景を見掛けました。
 ちょっとしたコツがあるのですぐ誰でも出来るものではありません、原理としては単純なので機械もありました、何と動力は足踏み式の人力です。今でも古い農家なら結構残っているのではないかと思う程ポピュラーな機械です。