Q. まりさんからの疑問
田んぼについての疑問です。
田植えの前の田んぼには、プールのように水が貯められています。でも、あのプールは、「土」でできています。どうして、水を貯められるのでしょうか?
もし、水を蓄えられる「特殊な土」だとすれば、どうして水がたまっていない時期があるのでしょうか?
水を貯めたり貯めていなかったり、そのようなコントロールを農家の方はどのように行っているのですか? わからないことだらけです。どなたかお教えください。
★土がカチンカチンになることはありますが、それなら年中水が貯まっていないとおかしいですよね。
A. しげ3さんから
私は、こんなふうに想像しています。
田んぼは、粘土質の土を使用して水が外に流れ出すのを防いでいます。
田んぼをよく見るとどこかに用水(川等)から水を引き込む入口と、水を出す出口があります。水が必要な時期にはこの入口側を開け、水を引き込みます。
粘土質の土でも多少は地下に流れたり蒸発したりもしますので、水を張ってある時期はこの入口側で水量などの調節を行います。反対に水がいらない時期は、入口側を閉め出口側を開けます。実際には、入口出口を細かく調整して、水の量の調整を行っています。
A. ごんたさんから
私の家は、数年前まで水田で稲作をしておりました。
田んぼの土は粘土質の土でできております。だから、沈殿すると底から水が漏れなくなります。田植えの時期には土手の部分もこの土の泥を塗って固め、水を抜けにくくして用水路より水を入れます。
水は最初に一度だけ入れるのではなく、水の溜まり具合、抜け具合を見て出し入れをします。稲の生育状態も見ながら水の張り加減の調整も行います。
稲作が終われば水を入れる必要もありませんから、土は乾いてカチンカチンになります。
A. 少伯さんから
田んぼの土はいわゆる「粘土」という土で、非常に細かい粒子でできているので水は通りません。地下水も水を通さない岩盤や粘土の層があるため、そこより下に浸透できないため溜まっています。
一口に土といってもその化学的組成はもちろん様々な違いがありますが、主にその粒子の粒の大きさによる構成により性質が異なるため、礫とか砂とかシルトあるいは粘土というように名前がつけられています。詳しくは土質工学などの書籍で簡単に調べられます。
そして、田んぼの水についてですが、農業用水から取り入れる取水口がある一方で、水がいらないときのために排出する排水口があり、稲の生育過程に合わせて水を張ったり、排出したりして調整しています。
水の収支についてはその他降雨による流入がある一方で、蒸発散による流出もあり細かく見ていくとキリありません。
蛇足になりますが、戦後の食糧難の対策の一つとして合衆国から導入された食用蛙(ウシガエル)の餌として一緒に導入されたアメリカザリガニにより、畦に穴が開けられ必要な水位まで水が貯められないという問題もありました。
というわけで田んぼの土は基本、水を通さない粘土でできています。
|