--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1214 (2016.12.23)

Q. サクさんからの疑問

 旅番組が好きでよく見ているのですが、番組の中でお寺が紹介されることがよくあります。そこで感じた疑問です。
「このお寺は空海が創建したお寺です……」というのをよく聞くのです。一度や二度ではありません。何度も聞いたことがあります。
 一人のお坊さんが、そんなにたくさんのお寺を建てることが可能なのでしょうか? 
一体、日本には「空海が創建したお寺」っていくつあるのでしょうか?
 よくよく考えたら、空海が一人で建築費用を全額出したとは考えにくいので、もしかしたら「創建」の意味から教えてもらわないとだめかもしれません。
 よろしくおねがいします。

確かに! 空海はどれだけスーパーなんだと突っ込みたくなりますね!


A. Hoshiyanさんから

 難しい問題なので、私が思っていることを述べます。
 空海は最澄と並んで、日本人に人気のある僧だと思う。したがって、空海と縁を求める寺側や信者の心理が存在すると思われる。
 空海は宝亀5年(774)に讃岐国多度郡屏風浦(現:香川県善通寺市)で生まれたとされる。しかし、正確な誕生日は不明であるうえ、出生地に異説もあるなど、入唐までの空海の足取り不明な点が多い。
 この間にも、780年(宝亀11年)、空海7歳のとき、「出釈迦寺」を建立したとされる。
 さて、空海が創建や建立した寺には、高野山の寺々や灌頂道場真言院のように確かな記録の残っているものや、その創建、建立が伝承、口伝とされる寺もある。
 特に弘仁5年(814年)〜弘仁6年(815年)頃に空海が開いたと伝承されている寺が多数あり、正直「いくら空海でも……」とも思わなくもないが、どの寺も人々の信仰の対象であり、学術的に「空海が開祖か否か」の研究を加えることが適当ではないと思われる。
 また、空海創建と空海ゆかりの意味も混沌しているのではなだろうか?
 そうした理由から「空海が創建した寺」の実数を特定することは難しいと思う。
 それでも「だいたい幾つくらいか?」と敢えて問われれば、高野山の約120院を含め、200寺以上だと私は思う。
 参考までに、大塚唯士氏が『大野寺ゆかりの空海建立十四か寺』という著書を著わしている。