--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.125 (2001.07.25)

Q. ばつまるさんからの疑問

「了解!」の意味で最近「ラジャー」というのをよく聞きます。しかし、この言葉の発祥はどこなのでしょうか?
 もともとは、軍隊の用語ではないか、というのを聞いたこともあるのですが、
どうなんでしょうか? みなさん、教えてください。


A. ぴんさんから

「ラジャー」というのは、男の名前であるRoger(ロジャー)と同じです。
 もともと、「了解」「引き受けた」という意味のreceivedという単語を、通信符帳では「R」としていました。日本でも、あさひの「あ」、いろはの「い」というふうに言うことがありますが、むこうでは同様にロジャーのR(R for Roger)と言ったようです。そこから、received=Rogerとなったようです。

A. うにうにさんから

 言われてみると、Rogerというのはもともと男性の名前ですが、それがなぜ「了解」なのか、確かに不思議ですね。
 そこで、手元にあった辞典をいくつかひいてみました。意味の説明は省き、語源の解説だけを日本語訳してあります。

“Merriam Webster's Collegiate Dictionary”(第10版)
1941年ごろ〜、文字Rを表すかつての通信コードRogerから。

“American Slang” (by Robert L. Chapman)
第2次大戦以降、米軍で、received(了解)のRを示すフォネティック・アルファベット(注)のRogerから。1930年代に英国空軍で使われだしたのが最初らしい。Roge, Rodger-Dodgerともいう。
(注)フォネティック・アルファベット:(1)発音記号。(2)通信で文字を正確に伝えるためのコード。「朝日のア」「イロハのイ」のたぐい。フォネティックコードともいう。

“A Dictionary of Catch Phrases”
もともとは1937年ごろに英国空軍で使われはじめ、その後米軍でも「了解」を示す符号として一般的に使われる。第2次大戦後は民間人の間にも広まる。

というわけで、おっしゃる通り軍隊用語が発祥のようです。
http://www.aerofiles.com/wwwboard/messages/426.htm
によると、当時の米軍フォネティックコードは、
  A for able, B for Baker, C for Charlie
だったようです。
 現在使われている、ITU(国際電気通信連合)が定めた標準フォネティックコードによると、Alpha, Bravo, Charlie……ときて、Rは Romeo です。
 もともと単なるRという文字を表していたはずの Roger に「了解」という意味がついてしまったからでしょうか。
 これを書いていて、高校のときに無線部が「ジュリエット、アルファー、ワン、ヤンキー、アルファー、キロ」(JA1YAK)と名乗っていたのを思い出しました。

A. 館 淳一さんから  http://rimnesia.gaiax.com/home/jun_1

 前に調べていたことなので、回答させていただきます。
 roger は Roger で人の名前です。日本人なら「ロジャー」と言うところですが、「ラジャー」に聞こえるのです。
 Roger は、無線電話の通話で用いられていた、一種のテレフォニック・コードです。テレフォニック・コードとは、A as Alfred(アルフレッドのA)とか、B as Betty (ベティのB)というふうに、正確にアルファベットを伝えるための符号です。日本で言えば「太郎のタ」とか「小林のコ」というふうに使う、あれですね。国際的なとりきめで、ある時期、Rは roger と定められていたようです。
 このRは何かというと、辞書によって分かれていて、
   Reception of a message
または、
   Message Received
とあります。
 いずれにしろ、「メッセージを受け取った」という時の語の頭文字から「R」なのですね。

 

3名の方の回答が一致を見ているのですが、以下のような説も……。(星田)

A. 我歩さんから

 先日読んだ本(吉岡平・著『神牌演義』)に書かれていたところでは、「了解」の中国語読みが、中国で義勇兵をしていた米兵経由で定着したとのことです。

A. 田口 剛さんから

 アマチュア無線でもやはり「了解」の意味で「ラジャー」を使っています。その根拠は、以下にあります。
--------------------
 無線局運用規則 第2章 一般通信方法 第1節 通則
 第十四条 無線電話による通信の業務用語には、別表第四号に定める略語を使用するものとする。

 別表第4号 無線電話通信の略語(抜粋)
  こちらは……DE
  どうぞ……K
  了解 または OK……R または RRR
  本日は晴天成り……VVV
--------------------

 また、別表第5号には、和文では
  「あさひ」の「ア」
  「いろは」の「イ」
      :

 欧文では、
   A ALFA
   B BRAVO
     :
   R ROMEO

ですが、以前は、
   A ABLE
   B BAKER
      :
   R ROGER

でした。
 別表第2号 無線電信通信の略符号では、略符号「R」の意義は「(電文を)受信しました」。
 アマチュア無線では今も電信による通信が盛んに行われており、「了解」の意味で「R」を送信します。
 電話通信でも同様に「了解」の意味で「R」が使われ、戦後しばらく使用されていた米軍のフォネティックコード「R ROGER」から、「了解」の意味で「ROGER」を現在も使用しています。
 ITUで電話の通話表として「R」は「ROMEO」と定めていますが、それ以前から使用されていたフォネティックコード「ROGER」を「了解」の意味で使っていたので、コードが変更されたからといって
「ROMEO ROMEO ROMEO」
と言っても全く相手に通じないでしょう。

A. うにうにさんから

「Roger」が中国語の「了解」に由来するという説には、ちょっと疑問があります。
 中国語(の標準語である「普通話」)では、了解は「liaoqie(リャオチエ)」といいます。中国語の「L」の発音は、英語の「L」とほとんど同じです。米兵が「R」に聞き間違えるとは考えにくいです。
 中国語には多数の方言があり、それによって漢字の発音は大きく変わりますが、それでも一定の限度があり、「L」が「R」になるパターンはちょっと聞いたことがありません。