--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.140 (2001.10.04)

Q. CYさんからの疑問

 結婚式でのケーキの入刀についてです。
 そもそも、どうして、このようなケーキを切る習慣ができたのでしょう?

ナイフで2つに切るなんてことは、結婚式ではタブーのはずです。だから最近、離婚が増えているのでしょうか? 景気も良くならないし……。
 2つのケーキをくっつけて1つにする、「ケーキのごくっつけ」に変更すべきです。


A. ジャンさんから

  ホ−ムペ−ジで調べたのですが、その昔、ヨーロッパの結婚式では、前日に新婦がお客様を招き、ケ−キをふるまったそうです。ケ−キも作れますよ、ということを披露して安泰であることを示し、お客様を安心させていたそうです。 今では夫婦初めての共同作業だとか、ショー的な意味にとられがちですが、本当は違うんですね。
 私もとても気になったので調べてしまいました。また、きまーす!

A. TOBYさんから

 歴史を振り返って結婚式でケーキカットが行なわれるようになった理由には、いくつか説があります。まずひとつは、結婚を控えた娘が、村の人々を招待してお手製のクッキーをふるまい、
「こんなおいしいものが作れるようになったんですよ。もうお嫁に行っても大丈夫でしょう?」
とアピールした、というものです。
 この説から、ケーキカットの後、新郎新婦が互いにケーキを食べさせあう、という風習が登場した、とか。ですから、食べさせあうときには、先に新郎が食べます。新婦のお手製のものを食べさせる、という意味からですね(実際にはお手製でないにしても)。
 また、別の説では、昔甘いものがあまりなかった時代に、二人の結婚を祝うために、甘いパンを近所の人が持ち寄ってお祝いした、ということになっています。このときに、パンが沢山集まってうず高くなればなるほど、二人は幸せになれる、とされていたそうです。
 御質問での御指摘の通り、確かに結婚式で「切る」というのはタブーとされていますが、ケーキの場合は、「ひとつのものを分け合って生きてゆくのが夫婦」という点を大切に考えてのセレモニーなのではないでしょうか。
 夫婦って、ただくっつけばいい、だけではなく、幸せも苦労も、分かち合って生きていくものですから。その「分かち合う」気持ちを大事にすることを忘れてしまうから、離婚してしまうのかな、等と個人的には思っています。
 もっとも、日本独特と言われる「見た目は大きくて派手だけれど食べられないケーキ」を使って行なわれるケーキカットセレモニーからは、伝わりにくいことかと思われますが……(最近は実際にデザートで食べられるケーキをカットされるカップルが増えていますが、ね)。
 よろしければ、以下のサイトもご覧ください。結婚に関する知識等をたくさんまとめてあります。
http://member.nifty.ne.jp/TOBY1/index.html

A. TOBYさんから

 そもそも、タブーや習慣というものは,時とともに変化しうるものです。
 何事も物は考えようでして、たとえば(ある投書欄で読んだのですが)生命保険か何かの番号が「4219」で終わっていて、「死に行く」で縁起が悪い,と家人に愚痴をこぼしたら、
「42.195kmといえばマラソン、長い長い人生をマラソンに例えたと思えばいいじゃないか」
と言われたという話がありました。
 今や結婚式の引き出物にはさみが使われるような時代です。「人生を切り開く決意」という意味合いだそうです。実際にもらったことがあります。
 まして、ケーキの入刀をするのは客ではありません。新郎・新婦を前にして来賓がスピーチをする時に「切る」という語を避けるのならまだ分かりますが,切るのは本人たちです。新郎・新婦が手を取り合って1本のナイフを持つものです。いつも二人で一緒になって困難を切り開いていくことを象徴する儀式,と解釈してはいかがでしょうか。