Q. やまおさんからの疑問
死ぬ前のことを「生前」と言いますが、「生前」とは読んで字のごとく「生れる前」のことですよね。
つまり、「生前」「生後」に対して、「死前」「死後」。
だから、「生前」ではなく「死前」と言うべきだと思うのです。そのほうが自然です。
なぜ、死ぬ前のことを「生前」と言うのでしょうか? よろしくお願いします。
A. うにうにさんから
「あの人が生きていた、今より前の時代」
という意味ではないでしょうか。
A. YABOOさんから
先日、小学6年になる子どもか「後生」についての質問を受けました。
辞書を引くと、
「死んで行く世、あの世の事を後世(ごせ)、または後生と言う」
と書いてあります。
正解かどうかは、わかりませんが、「後生大事」などといくときの「後生」に対して、「生前」があるのではないでしょうか。つまり、「生まれる前」ではなく、「前の生」ですね。
A. はんざきさんから
元々、「前」には「過去」、「後」には「将来」という意味があります(漢和辞典に載ってました)。
だから、
「生前」=「生きていた過去」
「生後」=「生まれた後」 または 「生まれてからの将来」
と取ることができるのではないかと思います。
「死後」「来世」という言葉があるように、古代の日本人は「あの世」や「死んだのちの世界」というものを信じていたのではないでしょうか。だから、「死後」は「死んでからの将来」と言う意味だったのではないかな、と思います。
この話に沿って、「死前」という言葉を作ったならば、
「死前」=「死んでいた過去」
という意味になります。あの世にいた経験を覚えている人が、この世に再来して、
「死前は○○だったなぁ〜」
と語るときになら使えるのではないかと思います(私は実際に、そういう話は聞いたことがないですけどね)。
A. 星田直彦さんから
非常に興味ある疑問なので、私も参加させてください。
私なりに納得がいく答えは、「輪廻転生」の考え方があるのではないかということです。人は死ぬとまたすぐに何かに生まれ変わるのです。
「死」の瞬間=「生」の瞬間 「death」の瞬間=「born」の瞬間
ということです。
つまり、「生前」というのは、まさに「生まれる前」でいいのです。これは同時に、「死ぬ前」を表しています。全然、矛盾はありません。
しかも、「死」という言葉を使わなくて済むので、大変重宝な言葉なのだと思います。
|