Q. ハルさんからの疑問
鳥は、夜、目が見えにくいと言われていますが、本当ですか? また、見えにくいとしたらなぜですか?
子どもに問われて答えに窮しています、教えてください。
A. ルネぞうさんから
まずは、目の仕組みについて、簡単に。
目の中の水晶体(レンズ)によって網膜(フィルム)に像を結び、網膜に映った情報を脳に送ることによって視覚が働きます。
このフイルムにあたる網膜には色を感じるが明るくないと働かない部分(錐状細胞)と、暗くてもよく働くが色は感じない部分(杆状細胞)の二種類あります。この二種類の細胞のバランスによって、夜よく目が見えたり見えなかったりします。
鳥の場合、空高くから餌を見つけたり遠くにいる敵を察知しなければならないためとてもいい目が必要です。そのため、錐状細胞の割合がとても大きく、結果として夜暗いところで働く杆状細胞の数がすくなくなっています。したがって、鳥は夜、見えにくくなります。
一方、ふくろうやミミズクなどの夜飛ぶ鳥は、杆状細胞の数が多いため、夜でも目が見えます。
ちなみに、「人間はビタミンAが不足すると、なぜ『鳥目』になるのか」ですが、暗いところで働く杆状細胞はビタミンAからちょっとだけ形が変わったレチナールという物質が無いとうまく動かなくなるのです。レチナールが不足すると、杆状細胞がうまく働かなくなり、暗いところで目が見えなくなってしまいます。
A. でしさんから
網膜に映った像を処理するのに、rod(杆状細胞)とcone(錐状細胞)という細胞があります。rod
は「明暗」、cone
は「色彩」について処理するわけです。
私たちが「見えている」と感じているのは、物に光が当ってそれを感じているわけです。cone
は光の量が充分なときに活動します。昼間や電気がともった部屋では、たとえば赤いりんごは「赤」と認識できるでしょう。これは、光の量が豊富なので、coneが活動していて、「赤」と認識できるわけです。
これが暗闇(というより、光源が低い場合)だとどうですか?
りんごの形は見えるものの、それが何色であるかわからないのではないですか? もしかしたら、それは緑色のりんごかもしれません。
というように、暗い中ではrod
しか活動できず、rod
では色の区別はつかないわけです。
実は、昼間活動する鳥には、このrod
がすくないのです。
rod
については、たとえば電気がついている部屋にいて、いきなり消えたら、しばらく何も見えませんが、そのうち見えてきますよね。これは、rod
が活動するのに時間がかかるという性質を持っているためです。
車を運転する人ならわかると思うのですが、一番運転しにくい(見えにくい)のは真っ暗な夜よりも、日が暮れかけているときだと思います。これはcone
が(光源が段々と無くなっていき)活動を停止すると同時に、暗いところで活動するrod
もまだ完全に活動しきれていないからです。
長くなりましたが、解っていただけたでしょうか?
とりあえず子どもに説明するときは
「明るいところと暗いところを区別する細胞があって、鳥にはそれがすくないからだよ」
と言えばいいんでないでしょうか。
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