Q. だいじろうさんからの疑問
「魚介類」の「介」ってなんですか? 漢字変換では「魚貝類」とも出て、こちらならわかるのですが……。
魚介類大好きなので、是非教えていただきたいです。
A. TANUさんから
「魚介」=「魚貝」
どちらも意味は同じです。「介」=「貝」です。
ちなみに,「介殻(かいかく)」という言葉もありますが、これも貝殻(かいがら)という意味です.
A. うにうにさんから
「介」の字にはいろいろな意味がありますが、手元の漢和辞典によると、もともとは「よろい」や「よろいに入った人」の意味だそうです。そこから意味が広がって、「殻(から)」→「貝殻」を指す字としても使われるようになったようです。
また別の漢和辞典では、「両側からはさむ」が元の意味としています。そこから、はさんで「中身を守るもの=よろい」という意味が派生し、さらに「よろいのように中身を守るもの=貝殻」となったようです(「介助」「介護」などの「介」は「守る」の意味ですね)。
いずれにせよ、この場合は結果的に「貝」と同じ意味で使われています。
この質問のように漢字の意味が分からない時は、まず漢和辞典を引いてみると、いろいろな発見があって面白いですよ。
A. アグリオさんから
「介」という字を調べてみると、
「硬い外被のある動物。エビ、カニ、カイの類。また、その外被」
と書いてありました。「介」は「貝」みたいですね。
A. うめねずさんから
そもそも「介」という字は、人とその身体を守る鎧(よろい)の形を表した字なのです。ここから容易に想像が付くのは、「介」は甲殻類や貝類といった殻を持った生物を指す字であるという事です。ですから「魚介類」なんですね。
この「よろい」の意味より、ものとものとの間に入って仲立ちをする意味にも派生しています(介助、介入、紹介など)。
ちょっと脱線しますが、「一介の男」などの「介」は「箇」の竹冠の片一方の字形の間違いですので、全く意味は違います。
大体ですね、「ぎょかいるい」に「魚貝類」と宛てるのは間違っており、その字を宛ててしまうと読みは「ぎょばいるい」となっちゃいます(全ての字を音読するべきなので)。
また、「魚介類」には「魚と貝」の意味だけではなく、先にも述べたように、甲殻類、即ちエビやカニなども含んでおりますので、いわゆる海の幸を指す場合にはこちらの方が適切かとは思います。
★調べて驚きました。「貝」を「かい」と読むのは、訓読みだったのですね!(星田)
A. 星田直彦から
私も調べてみました。
うにうにさんがおっしゃるように、「介」という漢字の発生から調べますと「貝」の意味はなかったみたいです。
では、「貝」はといいますと、こちらが、あの海にあって食べる「かい」を表しているようです。ただし、こちらは、二枚貝の形からできた象形文字だそうです(私は疑っていますが……)。
ところで、購、財、資……などお金に関する漢字には「貝」が使われていますよね。これは、「タカラガイ」という巻貝の一種を、古代中国で貨幣として使っていたからだそうです。すなわち、「貝」と書けば、「タカラガイ」の一種を表すことがあるのだそうです。かなり限定された意味で使われていたわけですね。
さて、そこで私の考えです。
私たちが食する二枚貝は「貝」という漢字で表されていた。しかし、この漢字に巻貝の一種である「タカラガイ」の意味を特別に与えたために、「貝」の漢字は、「巻き貝」の意味で限定されて使われるようになってきた。
では、二枚貝はどうやって示すのか?
そうです。同じ発音で、「介」という漢字があります。しかも、見るからに二枚貝の形と一致しているではありませんか? そういえば、「貝」の形は巻き貝に似ています。
結論、「貝」……巻き貝、「介」……二枚貝 を表す。
で、巻き貝、二枚貝を合わせて表す(総称する)漢字がないために、「魚貝類」「魚介類」、両方の書き方があるわけですね。
一般的には、「魚介類」みたいですけど……。
Thanks だいじろうさんから
魚介類のこと、皆さんに回答をよせていただいて、本当にありがたく思っております。
とても勉強になりました。いろいろな説があって面白いですね。
また、「介」の字の他の意味などもわかって面白かったです。これからは漢字辞典を読むのが楽しくなりそうです。ありがとうございました。
A. ぶつさん(神戸市)から
「魚貝」は魚類と貝類を指します。
一方、「魚介」は魚類・甲殻類・貝類の総称となります。
この違いは「貝」と「介」の違いに他ならず、「貝」がアサリやホタテなどの貝を表すのに対し、「介」は鎧など堅い覆いを表す原義から甲羅や殻を持つ動物を指します。
よって、「介」には貝はもちろん、エビやカニも含まれます。更に「魚介類」と言った場合には更に範囲が広がり、通常はイカやタコといった軟体動物も含みます。つまりは、水産動物と同義になるわけです。
水産動物のうち特に魚類と貝類に限定したい場合、すなわち
エビ、カニ、イカ、タコ等を除きたい場合は「魚貝」、そうでない場合は「魚介」を使うことになるので、後者の方が使用頻度が高くなるようです。
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