--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.190 (2002.05.28)

Q. きよしパパさんからの疑問

 突然、友人に尋ねられ困っています。
「どうして、つうかあの仲というの?」
「つうかあ」の意味を教えてください。

広辞苑には、
  (「つうと言えばかあ」の約) お互いに気心が知れていて、ちょっと言うだけで、相手にその内容がわかること。気持が通じあって、仲のよいこと。 「―の仲」
――とありますが、では、なぜ、「つうと言えばかあ」なんでしょうね?(星田)


A. 胃弱にはさんから

「つうかあ」の語源は、江戸っ子言葉です。
 江戸っ子同士が会話するときには、
「〜っつうことよ」
「ああ、そうかあ」
という言いまわしがよく使われます。
「つうことよ」の「つう」、「そうかあ」の「かあ」を取って、気心の知れた仲のことを「つうかあ」と言うようになりました。

A. hiroさんから

「……っつう訳だ」
「そうかぁ」
という言葉の「つう」と「かぁ」をとった言葉、つまり、あまり言葉を必要とせずに、「つう」といえば「かぁ」と、すぐに理解できる仲のことを表す言葉です。
 これは、『クイズ日本人の質問』で、携帯メーカーツーカーの広報が答えていました。

A. 麻生有美さんから

 明治末期から大正にかけて、漢語が大流行し、一般の庶民もやたらに漢語を振り回した時期があったそうです。
 そんな時代に誕生したのが「通過の仲」すなわち「ツーカーの仲」。
 物事が通過するように、こちらの意思が相手に伝わるというような意味で使われました――ということです。

kamijyoさんからも、同様のご回答をいただきました。

確かにその時期に、「つうかあ」ということばが発生したのかもしれません。
 もともと「つうといえばかあ」という言葉があって、それが、そのころの漢語大流行の時期に、「通過」をもじって、「つうかあ」として短縮して使われるようになった――ということなのかなぁ。
 それとも「つうといえばかあ」とは無関係なのかな?
 疑問はさらに深まります。(星田)

A. かつみーこさんから

 私の運営するメルマガの読者さんに教えていただいたのですが、『江戸語の辞典』(前田勇、講談社学術文庫)には、こう書いてあるそうです。

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つう-かあ(助)
 共に助詞「つ」(その条参照)と「か」の長呼。「か」は疑問の助詞より転じ、
 鼻唄をうたう時など、詞の末尾に付ける一種の詠嘆助詞。「つ」また同断、
 今は多く「と」を用いる。(例文略)

つ(助)
 (前略)複合助詞「とさ」の訛「つさ」の下略。…ということだ。(例文略)
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 つまり助詞の「つ」「か」が伸びたものということです。
『語源を知れば日本語がわかる』(柚木利博、ふたばらいふ新書)にも、以下のようにあります。

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「ツー」は助詞の「つ」、「カー」は助詞の「か」がそれぞれ伸びたもので、
唄の合いの手などに用いられたらしい……。
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「つうかあ」に関してはこれがいちばん信憑性が高いかな? と思っているのですが、どうでしょう?