Q. 美音さんからの疑問
かの、ガウディの傑作、サグラダ・ファミリア教会ですが、製作開始から400年ぐらいたっているといいます。
ずっと疑問なんですが、一体、建設工事費や人件費は誰が払っているのでしょうか?
★星田より……
■ サグラダ・ファミリア教会 ■
ガウディ(1852〜1926)は、スペインの建築家。彼が、バルセロナに残した未完の大作が、「サグラダ・ファミリア教会」。
1882年ネオ・ゴシック様式で着工。自らが工事監督者となり、死去するまでの設計施工にあたった。生前に完成したのは地下祭室と東側の「キリスト降誕のファサード」のみ。
建設工事は続行中。完成すれば、95m×45mの5廊式ラテン十字プランの上に、170mの塔を中心に18本の塔が林立する。
私が生きているうちに、完成してくれ!
A. Draganさんから
自分も学生時代に大変興味を持ち、卒業旅行で塔の上まで登ってきたことがありますので、大変懐かしく思いました。
ここの建設費は、聖家族教会(キリスト教の宗派の一つ)の信者による献金と、観光収入(入場料及び物品販売費)で賄われています。
本来であれば国家的な事業ですから、公共事業としてやりゃあいいものを、この単一宗派の教会であるということがネックで、国等の援助は一切受けられないそうです。
蛇足ですが建設から400年ではなく、完成まで「あと」400年とのことでした。完成した姿を見たかったという気持ちは、直接訪れた全員が心に持っているでしょうね……。
A. みやこさんから
これは、実際に現地で日本人ガイドをしていた友人の話です。一応、嘘はないと思います。同じような話を、ガウディの伝記(?)の中でも読んだことがあります。
サグラダ・ファミリアの建築費は、信徒からの布施・寄付金・見学者から支払われる入場料などで全てまかなわれています。
ちなみにスペインの国教はキリスト教ですが、この建物の建設にあたり、これまで国などの公共の助成金などは一切使われていないのだといいます(辞退し続けているのだそう)。もともとこの教会が「贖罪」ということを教義とする宗派の教会であり、最初から上記の人々からの資金のみで建設されることを前提としていたから、なのだといいます。
同じ理由で、日本企業が昔、資金の援助を申し出たといいますが断られたのだそう。
ガウディの生前は、自ら資金難になるとバルセロナの街をあるいて寄付金を集めるなどしていたそうですが、亡くなった後、資金難や戦争があって50年以上の間、工事が中断したこともあったといいます。
結局、何年後に完成するかがわからないのは、資金難になればすぐ工事が中断(縮小)されることと、昔工事した箇所がすこしずつ崩れており、この補修にも時間をとられることが理由なのだそうです。
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