Q. マダムとらかめさんからの疑問
ときどき、夫と旅行をしています。行く国々で、物価が違うのは理解できるのですが、金や銀は世界共通の値段だと聞いたことがあります。
でも、「金が安かったから」とドバイでチェンネックレスを買ってくれたり、銀の産地であるジョクジャカルタはで重い指輪が日本円で300円余でした。きちんとした貴金属店です。どうして日本とお値段が違うのでしょうか?
お答えをよろしくお願いします。
★さて、「金や銀は世界共通の値段」なのか!
もし、共通でないなら、どこで買うとお得なのか? 情報を!(星田)
A. ルネぞうさんから
金や銀の値段は時差を追って各国の市場(東京市場やロンドン市場、ニューヨーク市場など為替相場を決めるところです)で取り引きされ値段が決まっています。詳しくはここをみてください
http://www.jgma.or.jp/library/l-01-2.html
で、銀の指輪が安かったということですが、元々銀というのはそんなに高い物ではありません(金は1g1200円程度、銀は1g130円程度)。しかも一般的に指輪に使われているStering
Silver(銅との合金、銀含有量92.5%)は小売価格でも1gあたり80円以下で手に入ります。もしかするともっと銀の含量がすくななかったのかもしれません。
一応、擁護しておきますと、銀100%だと柔らかすぎて傷が付きやすく合金にしないとアクセサリーとして扱いにくいということと、合金にすると色味がよくなることから銅との合金が多用されています。金でも24Kよりも18Kの方が一般的ですよね。
指輪とかの用語に関してはこのホームページをみてください
http://isweb9.infoseek.co.jp/shopping/jmsco/index.html
つまるところ指輪やアクセサリーとかの値段っていうのは、デザイン料とブランド料の部分がとてもおっきいということですね。
A. 増井雄二さんから
基本的に金や銀の価格は世界共通です。
日本でも毎日、地金相場が貴金属商から発表されていますが、これは、外国為替相場と1オンスのドル建て価格から1グラムの円価格に換算しているだけです。
しかしながら、この価格は素材としての地金価格です。
マダムとらかめさんが買われたのはジュエリーになっている金製品や銀製品です。金や銀は、金属素材の性質上、純金、純銀では柔らかすぎて、製品にするとすぐにグニャグニャになってしまいますので、金には銀や銅を混ぜ、銀には銅を混ぜて硬くします。
金合金、銀合金の中の純金、純銀の含有率が問題となります。日本の場合、通常の金製品は18金です。純金は24金ですから、18金は18/24、つまり75%だけ純金を含有しています。
外国の場合、18金製品もあれば、14金製品もあります。逆に22金製品(通常、純金製品として売られています)もあります。
銀の場合は、スターリングシルバーと呼ばれているのは925/1000の含有率です。
このように金銀の含有率で価格が変わります。極端に安い場合には、含有率が正しいかどうかを調べることが必要です。
これは既に時効ですが、スハルト政権時代、某大手商社がインドネシア高官への手みやげとして当社から数百グラムもする18金のブレスレットを買っていきました。それだけ日本製品はあちらでも信用されているわけです。
次に、製品の場合は、加工賃がかかります。
加工の良し悪し、職人の工賃の相場、などによって価格が変わります。日本は賃金水準が高いのですから、日本製品は当然高くなります。
同様に、流通業者の利益によっても変わってきます。
日本でもジュエリー問屋が集中している東京・御徒町では非常に安く売られています。逆に、外国でも一流ブランド製品は、日本の一般の小売価格よりも何倍も高く売られています。日本のようにジュエリー店が多くて競争している国は先進国ではありません。
輸入関税のことを心配されるかもしれませんが、日本では地金の輸入関税はゼロです。金製品が5.4%、銀、プラチナ製品が5.2%ですが、特恵関税を利用することによって実質的にゼロになっています。
したがって日本で作られる製品でも、外国製品を日本で買う場合でも、関税分だけ外国より高くなるということはありません。
産地だから安いと錯覚されているようですが、観光みやげの品質をイメージしてみてください。安いからといって買うのではなく、デザイン、仕上げの良し悪し、特に、中に入っている宝石の品質と大きさとを総合判断して買ってください。決して日本のジュエリーは高くはありませんよ。
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