--- 素朴な疑問集 ---
トップページへ    [素朴な疑問集 TOP]


疑問No.202 (2002.07.16)

Q. マッハ55号さんからの疑問

 悪いことを始めるときには「手を染める」、悪いことを終えるときには「足を洗う」って言いますよね。
 
どうして、「手を染めた」のに「足を洗う」のでしょう? 手を染めたのなら、手を洗えばよいと思うのですが……。

おお! いい疑問だ!
  まじめな回答はもちろんですが、ウィットやユーモアに富んだ回答もお待ちしております。(星田)


A. りょーま君から

 昔からの染色方法である藍染。これを少しでもすると、手に染料が残って一生消えないそうです。だから、「手を染める」、かな。
 で、「足を洗う」ですが、実家が農家でよく田植えをしていた経験からいくと、田んぼから上がると当然足を洗います。
 普通、「足を洗う」という言葉の場合、「なかなか抜け出せない泥沼のような状況を断ち切る」ような使い方ですよね。田んぼって、どろどろです。なんとなく、農業国日本の経験が生きた言葉なんじゃないでしょうか。

A. どらエモンさんから

 手と足、身体の一部だけにいろいろな慣用句がありますね。悪事と関係あるものだけ拾ってみましょうか。
 物事を始めるときは、「手を出す」「手をつける」など、手からが一般的ですね。取っつきが良いんでしょうかねぇ。「棺桶に片脚」、というのもありますが……。
 本格的になると、「手が早い」「手が長い」「手を上げる」、あるいは「手に掛ける」なんてことになります。
 どじを踏んだり下手をすると足がついて、手が入ったり、手が回って、最後には手をあげたり、手が後ろに回ったり(「手を上げる」には暴力を振るうのと降参するのとあっておもしろい)。
 で、やめるときにも、「手を切る」「手を引く」と手もありますが、手が入れば足も入るで、どっぷり浸かった悪の泥沼から出るときは、足を抜いて、上からどんどん汚れを落としていくと、最後に足が残るので、残った「足を洗う」とおしまい、というわけです。
――と、知ったかぶりで答えておきましょう。

A. invitroさんから

「手を染める」「足を洗う」の間にはまだもう一つ言い回しが! そう、「首までどっぷりつかる」です
 風呂のように首までつかり、あまつさえ「くは〜」なんぞといってしまったら! やはり体についたモノを洗い流すには上から洗うのがいちばんかと。そうすると洗い流し終わるのはやはり「足」ということになるのでしょうね。

A. Eiyuさんから

 この疑問への直接の答えではありませんが、「足を洗う」について。
 中国の詩人、屈原の作品に『魚父』という詩があります。
「滄浪の水 清まば、以って吾が纓(えい)を洗う可し。滄浪の水、濁らば、以って吾が足を洗う可し」
 これが原典だと思うのですが……。

A. ともやさんから

「足を洗う」は、仏教からの言葉です。
 昔のインドでは、僧は、はだしで歩いて修行していました。寺に帰って泥だらけの足を洗い清め、心身共にきれいになることで一日の行を終えたということです。そこから生まれた言葉です。