--- 素朴な疑問集 ---
トップページへ    [素朴な疑問集 TOP]


疑問No.203 (2002.07.23)

Q. がんまにさんからの疑問

 ビルとかの非常階段とか非常出口の付近に、緑色の人が走ってるマークがあ
りますよね?
 
あれって、右手が前で左足が後ろなんですか? それとも、右足が前で左足が後ろなんですか?  どれが右手でどれが左手か、どれが右足でどれが左足か、知りたいのですが……。

非常時にそんなことを悩んでいると危険なので、今のうちに解決を!(星田)


A. zephoo78さんから

 デザインされた御本人でないと真意は無理でしょうが、手足の長さや位置関係から推察する、デッサン的な見方があります。
 一応、左向きにドアに向かっているモノを対象にした答です。
 まず、はっきりしているのが、後ろに跳ね上げた足が扉の手前にあることから、向こうへ出ようとしていると考えられることです。絵心のある方なら、すでにこの時点で左右どちらかがおわかりでしょう。
 人形(ひとがた)に沿って、描いてみるといちばん良く分かるかと思います。とりあえず、見て左側の腕を左と仮定しますと、普通に考えて、当然前に突き出している足は右足になります。そうすると、上半身は外へ出ているのに、下半身は戸口の左縁に向かう格好になるんです。それは股の空き方と、腰のラインで見え方が異なるからです。
 右足は右の脇腹、左足は左の脇腹に沿って付いているので、後ろ向きならば、本来、跳ね上げた足が左足なら左側の体線の延長線の先から延びてなければならないから、お尻が見えてないとおかしい。
 この絵にお尻を描こうとすれば、左(前に出してる方)が左足なら、その右側だから容易に描けるが、それが右足となると、跳ね上げた足が左になるのだから、その右側となると、ほとんど隠れてしまう位置になるので上下ねじれた体勢になってしまいます。
 同じ側の手足が同時に出るといったギャグや慌てた心理描写を抜きにして考えれば、左側の腕と足はそれぞれ、右腕と左足で、右側の腕と足は、左腕と右足と見るのが自然ではないでしょうか。

A. りーさんから

 理論的に考えてみました。三省堂の「記号の事典」という本を参考にしました。向かって左に向かって走っているタイプで話を進めますね。
 絵を見てみると向こう側が外であるようです。そのために逃げてる人は背中を向けていることになります。そして、この場合左手が前で右手が後ろということになります。なぜなら逆向きの場合、左手と右手見えている部分(黒塗りのところ)の比率がどう考えてもおかしくなります。そして、人は手と足を逆に振り出しますから前が右足、後ろが左足になります。
 たぶん作者はそこまで気にかけてないかもしれません。

A. どらエモンさんから

 まず基礎編。「非常口」の人物には、右向きと左向きがあるはずです。非常時に人の向きと矢印の向きが違ったら混乱するからです。非常口が右にあれば右向き、というようになってきているはずです。
 で、本題ですが……、非常口を斜めに出るところを後ろから見ている図ですね。左右に離れている腕の左右がそのままと考えるのが自然なので、付け根が近い足を、それにあわせて解釈するべきでは? つまり、右向きの場合右手が前。従って、足は左が前。
 ところが、つい一昨日、妻とこの話をしたら、妻は私とは逆に考えていました。私としては「そうなのかなぁ?」なんですけど、そういう人もいるということですね。

A. まもるさんから

 そもそもあの絵は、非常口から外へ向かって走り出ていく人の姿をデザインしていると考えられますが、まず後ろに向けて膝を曲げている足に注目しましょう。この足の左側面のラインは、ボディの左側面のラインの延長と完全に離れています。つまり、この足は左足ではなく、右足。
 つづいて、前に振っている腕を見てみましょう。左肩のラインとの位置関係、つながり具合を見ると、この腕は左腕であることに間違いはなさそうです。つまり、左腕を前に、右腕を後ろに振っているわけです。
 ということはこの人、右腕と右足を同時に後ろに振り、左腕と左足を同時に前に振っていることになります。これは非常に走りづらいスタイルではないでしょうか?
 人間が歩いたり走ったりするときに手と足を逆向きに振るのは、足を前後に振るときの反動で上半身が足と逆向きに揺れたり回転したりするのを抑えるため。普段から無意識に行っているポーズにも、姿勢を安定させるための合理的な意味があったのです。これを同じ方向に振ってしまうと、走る際にはとても不安定になるのではないでしょうか?
 1分1秒でも早く脱出できるか否かが生死を分けるという状況のなかで、こんな走り方をしていては、あまりにも危険ではないでしょうか? 早急にデザインの改善が望まれると思います。が、どこの誰に言えばいいのでしょうか?

A. fumuさんから

「避難誘導表示灯」、いわゆる「誘導灯」のことだと思いますが、このピクト(絵文字)についての疑問はたびたび聞かれるものです。なので、「左手と左足が前」という結論は知ってました。
 ちょうど良い説明のつくサイトを見つけたのでご報告します。松下電工さんのサイトです。
 
http://dmedia.mew.co.jp/Ebox/d_shohin/bt/

 このページを開いた時最初に表示される画像がその答えです。
 で、結論。「左手でドアを開けて、左足を一歩踏み出した」ところです。納得いただけましたでしょうか?
 同じく松下電工さんのページの「防災照明Q&A」にも興味深い記事が掲載されています。

Q.誘導灯の表示板が文字から ピクトになったのはいつですか?
Q.片面用の避難口右向きピクトのパネルは何に使うの?

など。
 なお、非常口のピクト(絵文字)デザインは、太田幸夫氏によるもので、ISO規格TC145図記号となっている、国際標準シンボルマークです。

回答中に紹介されているサイトの内容は予告無く変更される可能性があります。急いで見よう! 人物の骨格が透けて見えるので、よく分かりますよ。
 これが「正解」かどうかはさておき、松下電工さんでは、上記のように考えているってことね。(星田)
今回も、あえて、相反する回答を掲載しました。だから、おもしろいんだから、怒らないでくださいね。(星田)