--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.219 (2002.10.08)

Q. Andiさんからの疑問

 「々」。これは何と読むのでしょう? 何と呼ばれていますか??
「おなじ」と入力すると、ワープロでは出てくるようですが……。辞書でひくときはどうやって捜すのでしょうか? 日本の学校では何年生で習うのでしょうか?

私は「佐々木さん」の真ん中の字と言って、人に伝えています。(星田)


A. 岐泊さんから

 質問に対する直接の答えではありませんが、関連事項として……。
 Macのfep「ことえり」は、「じおくり(字送り)」で変換できます。「文字を送る」というこの呼び方は、活字を組んで印刷していた頃についた呼称でしょう。
 この呼称に加えて印刷業界の俗称に「おどり」もあったように記憶しています。「おどり」という呼称は、活字を拾う(1頁の版を作るために、多種多様な活字が保管されている棚から適切な大きさの正しい文字の活字をピックアップする。この仕事を植字と言い、この仕事の職人を植字工と称した。)ときに、その姿が踊る人のようだという事でついたものと想像します。
 同名で「ヽ」「ゝ」「〃」、上の文字が濁点付きだったときに用いる「ヾ」「ゞ」といった形もあります。
 いずれも直前の字と同じ文字を意味する記号文字で、また、おそらく全て「同」の草書体が形の由来ではないでしょうか。

A. ぼまさんから

 小学校の頃、担任の先生に正式な文字ではないと聞いた覚えがあります。
 本などでも「正々堂々」を「正正堂堂」などどあえて標記しているものを見ますし、公文書ではあまり使わない方がいいみたいですね。
 正式な文字でない以上、正式な読み方も無いのではないかと思います。

A. うめねずさんから

「々」は元々はちゃんとした漢字の崩れたものより派生した漢字です。では、どの文字かと言いますと、その字は「仝」。これを手書きでちゃちゃっと書くと、「々」になりますよね。
 なお、これも「おなじ」や「ドウ」と入力して変換すれば出て来ます。
 この読みで変換出来るのは、「仝」と「同」とは異体字の関係にあり、ちゃんと日本語変換システムで登録されているからです。

【異体字】見た形が違っても、その意味する処が全く同じである字。

 このように、一つ先に出て来た文字を繰り返す文字は「畳字(じょうじ)」と言います。「ゝ」(平仮名一字)「ヽ」(片仮名一字)、縦書き文章で「く」を縦に伸ばしたようなものは、二文字以上の文字列を表す、これらも畳字です。

私のHP「雑学のすゝめ」でも、使ってますね。(星田)

A. Okiさんから

「々」は、「おどりじ」と呼ばれています。漢字では、「踊り字」または「躍り字」と書きます。辞書によると「送り字」とも呼ばれています。
 私は目が見えず、スクリーンリーダーというものをつかって、パソコンの画面を音声で読ませています。
 つまり、疑問No.219の、「々」はなんと読むのですか? という質問は、「おどりじ」は何と読むのでしょう。と私には聞こえていたわけです。
 スクリーンリーダーは、「佐々木」を「ささき」と読みますから、つまり、「々」を単独で読む「読み」は、ないのだろうと思います。

A. Charさんから

「々」は実は漢字ではありません。同じ字を繰り返すときに使う符号の一つに過ぎず、したがって独立した読み方はありません。
 この符号は「踊り字」、「繰り返し符号」、「反復符」などさまざまな呼び名があり、他に「ゝ」「ゞ」などの仲間があります。「々」単独では「同の字点」「ノマ点」などと呼ばれるそうです。
 広辞苑では「踊り字」で解説を見られるようです。僕が持ってるものでは版が古くて載ってませんが…(泣。

A. うにうにさんから

 よくある質問なのですが、いろいろな人がいろいろな答え方をするので、すこし整理しておきたいと思います。
 まず、この文字を漢字と呼べるかという問題があります。
 一般的に、漢字には形・音・義(文字の形、読み、意味)の3要素があるといわれます。ここで「読み」といっているのは、特定の文字(たとえば「山」)が出てきたときは、特定の読み方(日本語ならサン、セン、やま等。中国語の標準語ならシャン)で読むというものですね。 この「特定の読み方」には、中国語の読みがなまった「音読み」と、日本固有の言葉に由来する「訓読み」があるわけですね。
 ところが、「々」という文字には特定の読み方というものがありません。「人々」であれば「びと」、「佐々木」であれば「さ」が、それぞれの場合における「読み」ということになります。従って、この文字には普通の意味での「読み」はありません。これが「何と読むのでしょう?」に対する(とりあえずの)答えです。(同様に出てくる位置によって読み方が変わる、長音を示す記号の「ー」については、「何と読むんですか」という質問はあまり見かけないのに、 「々」についてはしばしば見かけるというのも不思議です。)
 次に、「辞書でひくときはどうやって捜すのでしょうか?」という質問に答えます。
 日本語変換ソフトでは、変換のために記号に対しても便宜的な読みを振ることがあります。この文字に対しては、「どう」「のま」「おなじ」「くりかえし」などが使われており、また一部の漢字字典でもこういった文字から「々」の文字をひけるので、これをこの文字の「読み」であると回答される方が多くいらっしゃいます。
 実は、質問者がききたいのは「どうやったらこの文字をかな漢字変換で出せるのか」ということかもしれないので、その場合はそういった答えでもよいと思いますが、「読み」ということでいえば、これらはあくまでも「読みを割り当てないと変換できないので、日本語変換ソフトの開発者が便宜上つけた読み」というべきでしょう。
 文字の名称としては、「同の字点」(どうのじてん)がよく使われます。また一種の業界用語でしょうが、「ノマ」ということもあります。
 ただ、これらは「名称」ではありますが、「読み」といっていいものかどうか。やはり、「読み」というからには、文の中で使われたときの読み方と考えるのが自然ではないでしょうか。その文字1文字だけを、単独に取り出して、「これは何という字?」と聞いたときの答えは、必ずしも文中での読み方と一致はしません。
 英語で、Aの「名称」はエイ、でも読むときはアだったりエイだったりいろいろです。……のようなものだと思います。
 もちろん、電話で原稿を一字一字送ったり、印刷の読み合わせをしたりするときなど、記号まで含めて「かっこ」「かっことじ」「カンマ」「マル」などと読み上げることはあるでしょうが、これは特殊なケースで、それらは「読み」というよりは、やはり「記号の名称」を読み上げているというほうが自然だと思います。(さきほどの「ー」の名称は「長音符号」とか「音引き」(おんびき)といいます。)
「繰り返し符号」とか「踊り字」という答えもよく見ます。しかし、これは明らかに「読み」とは異なります。 「々」を初めとして、「ゝ」「ゞ」「〃」や、「く」を縦書きで2倍角に伸ばしたような記号など、前の文字の繰り返しを表す記号をひっくるめて、「繰り返し符号」とか「踊り字」と呼ぶのです。「同の字点」という名称の根拠として、文部省が1946年3月に出した『くりかへし符號の使ひ方(をどり字法)〔案〕』があります。この中に、
「各種の符號の呼び名は、一部は在來のもので、一部は取扱ひ上の便を考へてあらたに定めたものである」
とあります。ただ、どれが在来で、どれが新たなものかはちょっとわかりません。 (次のページに画像があります)
http://www.ne.jp/asahi/nihongo/okajima/hyoki/odori/

「々」という形の由来ですが、一説によると「同」の古字である「仝」の形が崩れたものといいます。「仝」と「同」は、文字の形は違いますが、音・義は同じです(このような関係を「異体字」といい、略字・俗字・古字などがあります)。
 したがって、「同じ」と書く代わりに「仝じ」と書いてもいいのですが(昔の文献で見たことがあります)、ほとんど使われなくなりました。ときたま、表などの中で、「〃」のように「仝」が書いてあったり、「仝上」などと使われることがあるようです。 昔の縦書きの表で、数字が漢数字で入っていて、「仝右」という書き方を見たことがあります。 
(以前よその疑問系サイトで回答したことがありますので、それを元に加筆修正して回答とします。)

やまおさん、kizさん、Issieさん、404 NOT FOUNDさん、pokkunnさん、
 まりあさん、野水聖さん、館 淳一さん、sp-regioさん、セイさん、
 どらエモンさん、yukaさん、Qちゃん、俊介さん、
 他のみなさんからも、回答をいただきました。本当に、ありがとうございました。