Q. みかん24さんからの疑問
小さい頃から疑問だったのですが、駅方位磁石は北極点、南極点に置くと、どんなふうになるのでしょう? なんとなくクルクル回ってほしいのですが……。
教育学部・理科の先生に聞いてみても、はっきりとした答えが返ってきません。ぜひ知りたいです。よろしくお願いします。
A. ずびずばさんから
まず、答ですが、「北極点ではN極が北磁極を、南極点ではS極が南磁極の方角を指す」です。
北極点、南極点は地軸が通っている点ですが、これは地磁気の磁力線が出ている場所とは一致しません。この磁力線が収束している北側の地点が「北磁極」、南側の地点が「南磁極」と呼ばれています。地球を大きな磁石と考えた時にN極にあたるのが「北磁極」、S極にあたるのが「南磁極」というわけです。
これらの場所は一定でなく、毎年移動しており、北磁極の真裏に南磁極があるわけでもないそうで、現在南磁極は南極海上にあるそうです。
では、北磁極や南磁極で方位磁石を取り出すとどうなるかですが、残念ながらクルクルは回らず、垂直になります。実際は方位磁針は容器に入っているのでそうなりませんが、棒磁石を糸でつるせば垂直になります。北磁極ではN極を下に、南磁極ではS極を下に垂直になるということです。
A. れこあさんから
地軸の北極点に方位磁針を置くと、磁北極の方向を指します。これは、北極点と磁北極が一致していないためなので、まあ、あまりおもしろくない答えなのですが……。
じゃあ、磁北極に方位磁針を置くとどうなるのか?
実際に置いてみた人に聞いてみないとわからないでしょう。磁北極点というのが、それこそ磁針の大きさに対して十分小さな一点に決まっていればよいのでしょうが、岩盤中の鉄分などの影響で、その辺りの磁場ができているでしょうから、理論通りに真下を指すというわけにはいかないのではないでしょうか。
A. クォーツさんから
磁石のN極は、大雑把に言って、北極点でほぼ真下を、南極点でほぼ真上を指します。
磁石のN極が水平面から下向きに傾く角度を伏角と言いますが、北極点では+88°、南極点では−73°とされています。大阪あたりでは+48°ほどでしょう。
方位磁石がそんなに傾いているように見えないのは、磁石のS極側をすこし重くして、ほぼ水平になるように工夫してあるからです。日本で使っている方位磁石を、南半球でふつうに(水平にして)使おうとしても、ダメということです。
残念ながら、クルクルまわることはなさそうですね。
A. どらエモンさんから
まず、地球には自転軸としての極の他に地磁気の磁極があります。
磁極の方は長い年月かかって動いていて、逆転を繰り返しています。マグマが固まるときの磁極の向きが地殻に記録されていくのですが、これを見ると極が何回も逆転したことがわかるそうです。
というわけで、磁極に磁石をおいたときという仮定で申します。また、実際に行ったことがないので、推測で申します。
磁極においては、地球の中心に向かって磁力線があるはずです。磁石は磁力線に沿って安定しますから、いつものように水平ではなく、立てて持てば上下に向くはずです。
では水平に持ったら? おそらく、下に向くはずの針先がしたに向こうとするでしょう。
ただ、今の磁極は極寒の地ですので、磁石そのものが上手く働かない可能性があります。実験するのでしたら、磁石が働くように、充分暖かい環境を用意してあげましょう。
簡易的に疑似実験をしようと思ったら、方位磁針の他にもう一つ磁石を用意して、方位磁針の真上から、片方の極をまっすぐ磁針の中心に向けたら、地磁気の影響を無視できれば、方位磁針としては、磁極に行った気分になるのではないでしょうか?
A. Picorinさんから
単純に答えると、ある方向を指します。その方向とは磁北極・磁南極です。
磁北極は現在、およその位置が北緯80度、西経105度辺りで、磁南極はほぼその対照的な位置にあるはずです(はずというのはChartを持っていないから)。
北極点というのは地軸の回転中心でもある北緯90度で、経度はありません。そこに置いた磁石は真方位で105度の方向にある磁北極を指します。
北極海航空路で北極点と磁北極の間を飛ぶパイロットは、アラスカからヨーロッパへ行くとき、ルートによっては、真方位を示すINSやGPSが左に北を指しているのに、MAG COMPASS(磁石)が北は右と指して、お互いに反対に回ることを経験します(帰りは逆に指す)。
しかし、設問の意図は、磁北極に磁石を置いたらとのことでしょう。
地磁気の垂直分力による傾きがあるものの、水平分力が無いので磁石に回転力は働かず、動かないはずです。つまり、持っている手がふるえれば震える程度といったところでしょうか。
すこし、磁北極から離れてくると、水平分力が感知され磁北極方向を指すようになりますが、100キロメートル程度は離れないと正確には出ないのではないでしょうか。ちなみに、この辺りでは、磁石の針は地磁気の垂直分力が大きいためかなり傾いているはずです。
★おぐりさん、Charさん、江田豆さん、nnnnさん、麻生有美さん、ふじいさん、yanayanaさん、洞窟ピングーさん、ごまさばさん、ゼロ助さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
A. Picorinoさんから
磁北とは、地球内部から磁力線が地表から真っ直ぐ垂直に出ている点です。ところが、地球という磁石は針のようなものではなく大きな球ですから、厳密に点を測定(定義)することは困難です。
また、磁力線の発生源であるマントルは動いており、その動きは地球の回転や太陽の引力で常に変化しています。この動きには、1日周期(正午と真夜中とでは80kmも動きがある)のものと、長い周期のものと、長期で周期性がない(わからない)ものがあるそうです。
磁北は今も一年間にも平均20kmずつほど北西に動き続け、その動きも大きくなっているらしいのです。
磁北のすぐ近く(100km単位くらい)にあるエルズミア島では、Magnetic
Variation(真北と磁北の方向差:日本語で「磁差」)が90°あります。ここでは、磁北が近いのでその変化は大きく現れ、一日で14°も「磁差」が動くそうです(日本は数千kmと遠いので、その動きが無視できます。東京付近でW7°;磁北は西寄り7°です)。
いろいろな組織がMagnetic Poleの位置を予想しているようですが、次のサイトは2001年の位置 81.3N 110.8W を元に2005年までの予想位置を掲載しています。
http://www.geolab.nrcan.gc.ca/geomag/northpole_e.shtml
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