--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.258 (2003.03.11)

Q. morigonさんからの疑問

 実は子どもからの質問に答えられなかったので……、メール送ります。
 
なぜ、人は、悲しいとき、うれしいとき涙を流すのですか?
 実は、その前の話があって、ごみが目に入ったとき涙が流れることを、
「それは、異物として身体が認識して外に涙と一緒に出そうとしているんだよ」
と説明した後の質問でした。答えられませんでした。
 子どもと一緒にネットで探しましたら、回答はあるにはあるのですが、涙の出る仕組みについての説明ばかりです(交感神経が高揚すると……、ホルモンがどうしたこうした……)。なぜ、涙を流す必要があるのか、明快な答えが載っておりません。
 何か人間のメカニズム上はっきりした意味(たとえば防衛本能)が、あるような気がするのですが……、考えれば考えるほど不思議です。
 どなたかご存知の方がいらっしゃればおしえていただければ幸いです。

これは、手強い質問です。哲学的な回答も楽しみですね。(星田)


A. トンビーさんから

 推理ですが……。
 すっごい大昔、今以上にいろんな性質を持った人間がいて、たとえば、怒ると涙が出る人とか、走ると涙が出る人とか、悲しいと笑顔になってしまう人とか(ほんとかな?)。
 一方、それを見る側の人間の感覚としては、悲しんでいるときに涙を流している場合が最もそれらしく(つまり、より悲しそうに)感じられた。
 で、戦いの時に、負けた方はほとんど殺されたけれど、涙を流してすごく悲しそうに見えた人間だけは許されたかもしれない(子どもを叱っているときに、涙を見せられると許しちゃうことありますよね)。
 その結果、悲しいときに涙が出てくる性質を持っていた人間は生き残る率が高くなり、長い年月を経る間にほとんどがそういう人間になってしまった。
 うれしいときの涙の方は、もともと、悲しいときに涙が出る仕組みが共用されていて、それが意味も無くそのまま残ったのかと……。

A. もんもんさんから

 ちょっと説得力の低い回答をお届けします。
 人が涙を流すときは過度のストレスを感じたときです。 涙の中にはストレス成分が含まれていて、涙を流したときは、身体的に体が楽になるそうです。どこかのテレビで見た話ですので、参考文献は勘弁してくださいね。
 このテレビの中で、昔こんな実験があったということを報道していました。 涙を流すことを許される人と許されない人を設定した上で、感動映画を見せたところ、流すことを許された人は血液中のストレスの量が減ったのに、流すことを許されなかった人は血液中のストレスの量が変わらなかったそうです。
 このことから、涙を流す理由は、いやなことを流すためではないでしょうか。そのプロセスとして、ホルモンが出て、涙を流すことができるのではないでしょうか。

A. 正木 優さんから

 目が乾燥したときなどに交感神経の働きで涙が出るメカニズムは調べられたそうなので、それは分かっている前提でお答えします。
 要は、その交感神経自体が感情に強く左右されるから、というのがいちばん納得のいく説明ではないか――と。
 実際、様々な感情の高ぶりに応じて心臓がドキドキしたり、汗がでてきたりしますが、それらも全て交感神経の働きにより起こる生理現象です。涙もそれらの反応と同じように起こっていると考えられます。
 また、目にゴミが入ったときの涙は、単に涙しか出ませんが(反射によるもので交感神経は関与していない)、逆にうれしいときや悲しいときに涙だけ流れてそれ以外の反応が全くないということはあまり考えられません。感情と交感神経が密接に関係しているよい証拠と思うのですが、いかがでしょうか?

A. エドワルド高田さんから

 推測ですが、僕は以下のように考えました。
 うれしいときの涙、悲しいときの涙、その涙自体には意味はないと思います。ただ、うれしさを感じるとき、悲しみを感じるときの状態が、涙を流すという反応も生んでいるのではないかと思うのです。
 人の自律神経は、交感神経と副交感神経による二重支配であることはご存知と思います。このうち、交感神経が優位になるときは、「敵と戦うとき」などの非常事態であり、末梢血管の収縮(傷つけられても容易には出血しない)、心拍数の増大(全身に素早く大量の酸素を送る)などの反応が起こります。
 交感神経優位のときに涙を流すということは、これらと同じ「非常事態」に対する防御反応のひとつではないかと僕は思うのです。
 たとえば、敵と戦うときなど、眼に血や砂などが入ったらいけませんので、涙によって洗浄する意味があるのではないかと思います。
 ちなみに、こういった交感神経の反応は「通常とは違った状態にあるとき」に体が反応してしまうので、戦闘中はもちろん、悲しいときや嬉しいときなども通常とはかけ離れた状態にあるときと考えられます(泣くほどうれしいときや泣くほど悲しいときは、人生のなかでもそうそう無いほどの非常事態ではないかと思うのです)。
 ちなみに、全身麻酔の手術(特に下顔面領域の手術)をする際には、眼球には目薬をさして、さらに眼を閉じて、その上からシールを厳重に貼り、術中の出血を防ぐようにします。手術が終わったら、複数のスタッフで、眼球への血液の垂れ込みがないかをチェックします。

A. 土佐さんから

 涙は日常も絶えず流れてます。涙腺から分泌され,涙管から下鼻道へ通って鼻腔を潤します。
 しかし、感情が昂ぶると神経が興奮して涙腺の分泌中枢を刺激し,涙が大量に噴出されます。それが多すぎると細い涙管から溢れ出して、目から流れ出す。ということです。
 つまり程度の問題みたいなかんじです。