Q. 茶屋磯郎さんからの疑問
わらべ歌の「ずいずいずっころばし、ごまみそずい……」の歌詞の意味を知りたいのです。
人の数より椅子の数をすくなくして椅子を取り合うゲームにあう歌詞だと思ってますが、意味がまったく判定不明です。
中国から日本に最初に入ったお茶の木を植えてあるという京都のお寺の坊さんが「ずいずいずっころばし」の意味を説明していたと聞いたことがあります。が、その説明の内容までは知りません。
このままでは、トイレで神に見放されたような気持ち悪さを持ち続けなければなりません。よろしくおねがいします。
A. ひろゆきさんから
これは、江戸時代にお茶壷道中が通るときの様子を歌った童謡ですね。1994年に平安建都1200年記念事業で、京都から東京まで歩いて、そのお茶壷道中を再現する事業があり、私も参加しました。
そのとき事前に講義をうけて、「ずいずい〜」がお茶壷道中の歌であることを習い、「なるほど」と思った記憶があります。
A. トマトカレーさんから
前半の「茶壷に追われてとっぴんしゃん/抜けたらどんどこしょ」だけ、お答えします。
「茶壷」とは、江戸時代、将軍家に献上するお茶が入っていた茶壷で、献上の際は輿に乗せて、大名行列のように運んでいました。庶民はこの茶壷が通るときに沿道にいてはいけないので、
慌てて家に入る→「茶壷に追われて」
戸をぴしゃりと閉める→これが「とっぴんしゃん」
というわけです。
そして、茶壷が通りすぎた後(→「抜けたら」)、「やれやれ、いったぞ」
と安心して戸を開けるのが「どんどこしょ」だそうです。
ただ、どこで上の解説を知ったのか覚えがないので、確認ができないので、うろ覚えです。
A. ぺこちゃんから
滋賀県の信楽(しがらき)に住んでいます。
ここ、信楽町では、小学校でこの歌の歌詞について学習します。社会の教科書(副読本)に掲載されていたものを、簡単にまとめたいと思います(残念ながら、その本もすでにありませんし、出版会社などはっきりわかりません)。
「ずいずいずっころばしごまみそずい、茶壷に追われてとっつぴんしゃ(ん)、ぬけたらどんどこしょ……」
このわらべ歌は、江戸時代の茶壷道中(行列)を歌ったものだそうです。
毎年、新茶の季節になると、将軍が飲むお茶を宇治まで受け取りに行く行列が、東海道を下ってきます。そして、新茶を積み込んだのち、東海道、中仙道を江戸へ帰っていったのです。
この茶壷は、「お茶壷様」と呼ばれ、籠に乗せられました。その前後左右には、馬50頭とともに役人400人が付くという大層なものだったようです。
茶壷行列が通るとき、東海道の宿場町には、
「家からゴミや煙を出してはならない!」
などの、細かいお触れ出されていました。農民や町人は、「下にいー、下にー」の声が聞こえると、土下座をして行列が通りすぎるのを待ちました。
子どもたちは、家から出るのを禁じられていました。そこで、
「お茶壷様が来たら、戸をピシャンとしめ、ごま味噌でもなめてじっとしていよう。お茶壷様が通りぬけたら、どんどこしょと戸を開けて外で遊ぼうよ」
と歌われたのが、この歌です。
大名たちも、道の途中で「お茶壷様」に出会うと、籠から降りて出迎えなければなりませんでした。この制度は、3代将軍家光が作り、その後、江戸時代の終わりまで続いたそうです。
ところで、この茶壷が、信楽焼きだったのです。そのため、
「信楽焼きの茶壷に入れたお茶は、長い間湿らずに良い香りが失われない」
と有名になり、各大名からの注文が殺到したそうです。また、信楽焼きの茶壷は、一般の家庭でも好んで使われるようになりました。
★picorinさん、シュウさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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