--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.265 (2003.04.08)

Q. とめりんさんからの疑問

 新幹線の居眠り運転のニュースを知り、ふと湧いた疑問です。
 国際線の飛行機のパイロットの人って、安定飛行に入ったあと、何をしているのでしょうか?
 長い時は、20時間前後の飛行時間。客室で寝る人もいるという話を聞いたことがありますが、他にたとえば、ラジオを聴いたり、本や漫画を読んだりしてもいいのでしょうか?


A. オーコクさんから

 またまた飛行機関係の質問があったので、お答えしようと思い来てみました。今回はパイロットのいとこに聞いたものではなく、僕の知識の中から答えます。
 パイロットは安全運行のため、いくら安定した飛行を続けていても、常に計器と外の景色から目を離していません。これは突然のトラブルにも即座に対応できるようにするためです。
 しかし、この集中力を何十時間も維持するのはいくらなんでも無理です。
 ここで登場するのが「オブザーバー」という人物です。通常、飛行機の運行は機長と副操縦士の2名で行われますが長距離路線の場合、交代要員として3人目(またはそれ以上)のパイロットを乗せていくわけです。そして、ある程度の時間を操縦したら途中で交代します。
 前置きが長くなりましたが、ここからが質問の答えとなります。交代したパイロットは、コックピット後方にあるパイロット専用のベッドルームで休みます。ここでは、何をしてもいいわけです(たいていの人は寝る)。
 キャビン・アテンダントの場合も機内後方にレスト・ルームというのがあって、忙しくない時間帯(乗客が寝てる間など)に交代で寝ているそうです。

Comment picorinさんから

「オブザーバー」は路線の慣熟などの理由で後席に乗る乗員であり、編成の一員ではありません。
 通常の編成は、機長+副操縦士(機種によっては+航空機関士)です。
 交替を含む場合は……、

  機長(PIC, Pilot In Command )
  副機長(あまり使われない言葉でSICを使うのが普通)
       (SIC,Second In Command)
  副操縦士(FO,First Officer あるいは Copilot)

の3人、機種によっては、プラス2名の

  航空機関士(FE,Flight Engineer)

の5人となります。

A. 喜平次さんから

 いつも楽しくメールマガジンを読ませていただいております。久しぶりに私でも回答できそうなのでメールさせていただきます。
 パイロットの仕事は飛行機を操縦することも重要ですが、他に「モニター業務」もあります。安定飛行中のパイロットの仕事は主にこちらに振り向けられています。つまり「飛行コースは正しいか」「エンジンその他の機器状態は正常か」その他、管制局に位置の報告etc...。実際やることはたくさんあるのです。とは言っても離着陸の時と違ってのんびりとした雰囲気の中、雑談をしたりしていたりしますが。
 また、仮眠する場合もあります。そんなことをしたら仮眠中は操縦室にパイロット一人きり?という疑問が出るかもしれませんが大丈夫。長距離便の場合はあらかじめ交代要員のパイロットがもう1組乗っていることがあります。これを「ダブルクルー」と呼んだりします。この場合だと、4人のパイロットが交代で休みをとることになり、コックピット内は常に2人のパイロットがいることになっていますのでご安心を。

A. picorinさんから

 現在、民間航空で最長のフライトは客便13時間くらい、貨物便10時間くらいです。それ以上飛べるように燃料を積むとすると、貨客収入が引き合わなくなります。軍用機は空中給油ができますからいくらでも飛べますが……。
 乗務員編成は、国によって、また企業によって異なりますが、9時間あたりを境に乗務員を1組から1.5組あるいは2組に増やします。交替で業務に当たりますから、休憩中は自由です。寝ていることが多いそうです(でも休憩中は眠れない、操縦席に着くと眠い!笑)。
 操縦席に着いているときは仕事だけです。大洋上でも、高度を変えたり、定期的な位置通報をしたり、忙しくはないものの仕事はあります。何より、飛行機がちゃんと飛んでいるのかという監視はずっと目を離せないものなのです。また、積乱雲があらわれたりとか、風の急変とか、乱気流にはずっーと気を使いっぱなしだそうです。
 自動操縦というと全部自動と思われるかも知れませんが、人間の監視なしに任せられる装置など夢のようなものですね。絶対レールから外れることのない電車ですら運転士が必要(おさるがやってるのもあるって?)ですから。食事も膝の上に載せて、仕事をしながらです。だから食べるのが速い。
 夢のない話をしてしまったなー!(笑)

A. ランクる70さんから

 簡単に書くと、お客様への安全航行のために空路及び機体(エンジン等)のモニターを行っています。
 安定航行中に移ると消えたはずのベルトサイン(シートベルトサイン)が点灯するときがありますよね。それはこれから向かっている空路上に積乱雲などが発生しており揺れが予想される場合ベルトサインがつくのです(現在は急な揺れによる事故を懸念し常に点灯していると思いますが……)。
 旅客機は空中に設けられた空路を飛行するので、まず飛行計画書を国土交通省航空管制局へ提出し、それに従い管制を受けて飛行を行っているようです。日本の受け持つ空域の話ですので、これがアジアや北米等隣接する空域へは所管の管制局から引き継がれます。
 通常の気象条件、風向や燃料消費効率を考えて飛行するので、より風の影響を受けない高高度へリクエストを行ってるのですが、離陸直後の燃料満タン状態での高高度への上昇は逆に燃料を消費するので徐々に上昇を行っているのです。また高度は間隔が設けられています(高度11000、13000フィート……は西向き、高度10000、 12000フィート……は東向きといった具合に)。方向は時間帯で変化するようです(時間はGMTといってグリニッジ標準時が用いられます)。
 ですので、通常安定航行中のパイロットは、目的地へ向けて常にベストに近づけるよう仕事を行っているのです。
 現状はどうなのかは存じ上げませんが、クルーが2セット乗務し、長距離フライトは交代で運行を行っていたということも聞いたことがあります。

Comment picorinさんから

 高度は、29000ftまでは、11000ft、13000ft……が東行き、10000ft、12000ft
……が西行きです。29000ft以上は2000ft間隔になります。
 パイロットは成り立ての頃、「にし」は2文字で(千の位が)偶数、「ひがし」が3文字で(千の位が)奇数と憶えます。
 地域によって、全て1000ft間隔だったり、高度と方向の関係を別指定しているところが増えてきているそうです。
 また、GMT(グリニッジ標準時)は、昔の言い方のようです。今では、時間はUTC(世界標準時)を使います。綴りは、Universal Time Coordinated だったかな。