--- 素朴な疑問集 ---
トップページへ    [素朴な疑問集 TOP]


疑問No.269 (2003.04.24)

Q. 星田直彦からの疑問

 marikoさんから以下のような疑問が届きました。

「百舌鳥」の読み方は「もず」ですが、どこまでが「も」でどこからが「ず」なんでしょうか?

 いい疑問ですね。しかし、問題は「百舌鳥」だけにとどまりません。「紅葉」を「もみじ」と読む場合、どの漢字にどの読みを当てているのでしょうか? これも似たような疑問です。
 実は、これらは「熟字訓」と呼ばれ、「百舌鳥」の3文字で「もず」、「紅葉」の2文字で「もみじ」なのです。他にも、「今日(きょう)」「土産(みやげ)」などがあります。
 marikoさんの疑問に関しては、これで回答になっていると思います。さて、ここからが「優雅なお遊び」です。
 それにしても、「百舌鳥(もず)」は、面白い例ですね。だって、読みのひらがなの数よりも、漢字の字数の方が多いのです! 
 多くの場合は、漢字で書くと、ひらがなで書いた場合に比べて文字数がすくなくて済むのです。それが漢字を使う一つの効用(?)だったりします。
 しかし、「百舌鳥」なんかは、3文字の漢字を使っているのに、その読みが「もず」、ひらがなで表したら2文字なんです。
 で、今回の問題は、「百舌鳥」のように、漢字で表記するより、かなで表記した方が文字数がすくない――なんて例をほかに教えていただけませんか?
 たとえば……、「香具師(やし)」がありますが……、もう例をあげない方がいいですね。多くの回答をお待ちしております。


A. ぽぽろさんから

 苗字の例ですが、
「小鳥遊(たかなし)」
というのがあります。鷹がいないので小鳥が遊べるというわけです。

A. 西村さんから

「百舌鳥」のような読みがなの方がすくない熟語ですが……、

「七五三」で「しめ」
「八月朔日」「八月一日」で「ほづみ」
「四月朔日」で「つぼみ」

等があります。このあたりは、私の使っているパソコンの辞書でもちゃんと変換してくれました。
 他にも人名漢字としてはいろいろあるようです。

A. だいさんから

 人名ですすが、例があります。
 私の知り合いに、「上別府」と書いて「びふ」と読む人がいます。

Comment ひできさんから

 今回、よみがなよりも漢字数の多い言葉、というので、いろんな言葉があるんだなぁ、と感心しました。
 で、「上別府」と書いて「びふ」という苗字がある、とありましたが、ぼくの友達は「上別府」と書いて「うえんびゅー」と読みます。
 珍しいので、思わずメールしてしまいました。

A. トマトカレーさんから

『漢字遊び』(山本昌弘・講談社)という本に、同様のクイズがありました。

似而非(えせ)、山毛欅(ぶな)、大口魚(たら)、青花魚(さば)、
土当帰(うど)、八角金盤(やつで)

 苗字では、「八月一日」と書いて「ほずみ」、「七五三」で「しめ」という例もあるそうです。

A. 吾亦紅さんから

 数すくない東京都産の野菜にうどがありますが、これを漢字で書くと「土当帰」と書きます。
 ここまで書いて記憶違いがあってはいけないと思い、『広辞苑』を開いてみましたら「独活」はありましたが、「土当帰」が見当たりません。そこで『大辞林』で「土当帰」を調べましたところ、「土当帰/野竹/のだけ」と出てい
ました。
 少々あせって昔使用した『植物病学基本』(渡辺龍雄・養賢堂)を調べましたところありました。

A. kizさんから

 かなで表記するほうが文字数がすくない例です。
 最初に思いつくのは、「桃花鳥(とき)」です。
 他には「大口魚(たら)」とか「土当帰(うど)」、やや反則ながら「紫丁香花(リラ)」なんてのもあります。
 個人的に、いちばんインパクト強いと思うのは「灯心草(い)」でしょうか、やはり。

「紫丁香花(リラ)」は、反則としましょう。(星田)

A. めいさんから

 漢字のほうが読みより字数が多いもので、私が知っているのは、植物で


「木五倍子(きぶし)」 カバ科の落葉樹。染料、五倍子(ぶし)の原料となる。

くらいです。
 自分の知っているものをお知らせするのが筋だと思うのですが、検索していたらこんなページに行き当たりました。たくさん載ってます。苗字はありませんでした。

よめへんてば

上記のサイトを運営なさっている方から、ご承諾をいただきましたので、該当ページの内容を以下に掲載いたします。(星田)

A. かなだまさかつさんから

 掲載は、全く問題ありません。勝手に紹介して頂いて結構です。せっかく調べたんですから、何かのお役に立てると幸いです。
 漢字で書いた方が文字数が多くなってしまう単語を調べてみました。全部じゃないと思うけど、結構あるもんです。

  黄立て羽蝶(きたては) 加太和布(かだめ)
  蝦虎魚(はぜ) 海鼠(こ)
  海藻(め) 海布(め)
  乾し海鼠(ほしこ) 干し海鼠(ほしこ)
  牛尾魚(こち) 狗母魚(えそ)
  胡頽子(ぐみ) 五十(い)
  五十日(いか) 五倍子(ふし)
  五倍子鉄漿(ふしかね) 香具師(やし)
  再従兄弟(はとこ) 再従姉妹(はとこ)
  山毛欅(ぶな) 子産む(こむ)
  似而非(えせ) 時化く(しく)
  七五三(しめ) 小啄木鳥(こげら)
  青花魚(さば) 石陰子(がぜ)
  石伏魚(ごり) 曹白魚(ひら)
  大口魚(たら) 大島珠母(まべ)
  啄長魚(だつ) 啄木鳥(けら)
  蜘糸(い) 桃花鳥(とき)
  豆汁(ご) 豆油(ご)
  如何う(どう) 馬尾毛(ばす)
  梅雨入り(ついり) 梅雨入り晴れ(ついりばれ)
  飯匙倩(はぶ) 百舌鳥(もず)
  浮き海布(うきめ) 無患子(むく)
  木五倍子(きぶし) 目翳(ひ)
  野木瓜(むべ) 羊蹄(し)
  卵産む(こむ) 瑠璃立て羽蝶(るりたては)
  老海鼠(ほや) 磚子苗(くぐ)
  海鷂魚(えい) 変若ち(おち)
  変若つ(おつ)  

 URLについては、掲示板形式になってますので、文章が増えると後ろのページに移動することがあるかも知れません(何年も更新してないので、当分そういうことはないと思いますが)のでご了承ください。

どらエモンさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。