Q. bagusさんからの疑問
先日、昼食時にレストランで「ミックスフライ定食」を食べました。魚や海老のフライなどと一緒に、牛肉も入っていました。
何気なく
「あー、フライの中にビーフカツが混じってる」
と思ったのですが、考えてみれば、魚、海老、いか等の海産物や野菜の場合は「フライ」、牛、豚、鶏等の肉の場合は「カツ
(カツレツ)」と呼びますよね。
どちらも卵をつけてパン粉をまぶして油で揚げるという同じ調理法にもかかわらず、素材によってどうして「フライ」、「カツ」と呼び名が変わるのでしょう?
ちなみに英語であればどちらも「DEEP
FRIED
**」と言うふうになると思うのですが……。
そこには何か「日本洋食界の歴史的背景」があるような気がして興味津々です。どなたか教えてください。
★「カツレツ」は、cutlet、つまり「切り身」だと『広辞苑』にありました。ですから、丸ごとをフライにするのではない――ということだと思います。しかし、そうなら、イカリングもカツレツですよね。やはり、なんらかの使い分けがあるような、ないような……。(星田)
A. 勝一さんから
「カツレツ」は英語で「cutlet」、仏語で「cotelette(コトレット)」で、本来は「獣肉の肋(あばら)骨付肉」という意味らしいです。それが転じて肉片に衣を着けて多目の脂で焼き上げたのをそうよぶようになったそうです。牛・豚・鳥・羊などは「〜〜カツ」と呼ぶのが普通でしょう。「フライ」は油脂で熱処理すること、処理したもの。
日本では明治中期に西欧化が進んで、食堂でも「ポークカツレツ」「チキンカツレツ」「ビーフカツレツ」等のメニューがあったそうです。
また、私見ですが、フライパンに多目の油でパン粉をつけて片面ずつ焼くのが「カツレツ」で、たっぷりの油で「揚げる」のが「フライ」と呼ぶイメージがあります。
A. 雑学幼稚園生さんから
カツレツの語源は、「カットレット」です。
これは、油で揚げるのでなく、バター、オリーブオイルなどで炒める(つまりはソテー)を言うようです。ビフカツ、トンカツ、チキンカツ、みんな、パン粉(小麦粉・卵)を絡めてソテーするのが本式。
油で揚げるのは、明治にビフカツが西洋料理として到来して、日本の(どこだったか東京の有名な)料理店が始めたもので、言わばてんぷら料理法がヒント。確か、衣を着けて揚げるフライは日本でしか通じない呼び方でしょう。
蛇足ながら、目玉焼き(フライド・エッグ)は衣なしで、油もプール状ではありません。
A. marsさんから
「カツレツ」の語源はフランス語の「コートレット(コットレット)」で、骨付きの肩肉をさしたものです。で、英語読みのカットレットが縮まって「カツレツ」になったと言うわけです。
カツレツは、素材に塩・胡椒して小麦を薄くかけ、卵黄にくぐらせパン粉を付けてバターでじゅーっとやるものをいい、フライの様にたっぷりの油で揚げるのとは違い「炒め焼き」と言った性格が強く、「フライ」という料理の中の「カツレツ」という方法と言った考え方がよいようです。
いわゆる、日本でいうところの「カツレツ」は、明治28年に銀座「煉瓦亭」のご主人である木田元次郎が「ホールク・コットレット(豚のロース)」を元に考案し、カットレットという調理方法は面倒臭いので、天麩羅っぽく揚げてみたらいいんじゃないかな、あとキャベツとかも添えてみようと思い、出したところ大評判。ここから日本のカツレツの歴史が始まり、ここで出された料理は「カツレツ」として日本中に広がってゆくのでした。
「カツレツ」を「トンカツ」と名付けたのは、昭和初頭のころで、宮内省大膳職に勤めた経験のある上野の「元祖とんかつぽん多」の創業者である島田信二郎によるものです。
現在では(日本では一般に)「カツレツ」にも「フライ」にも厳密な線引きはないそうです。
Comment bagusさん(質問者さん)から
複数の方から回答をいただきましたね。皆さん、貴重な情報をどうもありがとうございました。
しかし、残念ながら私がいちばん知りたかった
「何故海産物系はカツではなく、フライと呼ばれるようになったのか?」
という疑問が未解決です。
う〜ん、まだ謎です…
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