--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.304 (2003.10.07)

Q. よきパパさんからの疑問

 先日、子どもを乗せてドライブ中、トンネルに入る機会がありました。トンネルに入ると、黄色く光る電灯がありますよね? 白く光る電灯の場合もありますが、今回は、黄色い電灯です。
 あの黄色い光に照らされると、物体がそれまでと違った色に見えるので、子どもたちは大変不思議がっていました。
「これは、『ナトリウムランプ』だよ」
と言いかけて、やめました。よくそのように聞きますが、本当にナトリウムランプなのでしょうか?
 また、
トンネルにナトリウムランプを使うと、どんなメリットがあるのでしょうか?
――ってことを理解してから、子どもたちに説明しようと思っています。よろしくおねがいします。


A. .ASHさんから

 現在、トンネル内で使用されている主なランプは、比較的安価な低圧ナトリウムランプ(光色:オレンジがかった黄色)です。
 このランプの特徴は、寿命が長く、周囲の温度に左右されにくいうえに、人間の目の明暗の差を見分ける能力を阻害しない(物の凹凸がはっきり見える)という利点があるので、トンネル内の照明にもってこいでした。
 でも、最近は、高圧ナトリウムランプ(光色:薄い黄)やHf蛍光ランプ(光色:白。店舗やオフィスでの照明に使われている)が徐々に増えているらしいです。
 この二つは演色性(物の色の見え方)にすぐれ、さらに高圧ナトリウムランプに関しては昆虫が集まりにくいという効果まであるのだそうです。それを利用して果樹園の照明光源をこれにシフトする農家も出始めているとか。
 しかし、問題はお値段。低圧ナトリウムランプは1球¥7900〜程度なんですが、高圧ナトリウムランプはなんと1球¥20000!!
 ちなみに、信号の灯機部分は一体¥60000〜(中に入れる電球そのものはオープン価格なので値段が確定していない)らしいですけれど……
 う〜ん。今後どうなっていくんでしょうねえ……。

A. たかさんから

 まず、黄色さが強いなら「低圧ナトリウムランプ」でしょう。最近多い、ちょっと明るいのは「高圧ナトリウムランプ」、真っ白なのが「Hf蛍光ランプ」です。
 低圧ナトリウムランプは、橙黄色なので色収差を起こしにくく、物体認識しやすい上に、排気ガスなどで視界が悪くなっても透視性にも優れているので採用されています。
 今も、トンネルランプはいろいろ開発されてるのですが、高圧ナトリウムランプは他の光源よりも点灯数が多くなり、コストがかかるしHfは機械費が高い。それに昼と夜の温度差によっても、使えるランプと使えないランプがあるんですよ。
 これは、確かな情報ではないけどHfは温度差に弱かったような……。だから、山間部のトンネルは基本的に「低圧ナトリウムランプ」が多いと思うのですが……。

A. harukazeさんから

 絶対とは言い切れないんですが、体育館などで使う水銀灯は消灯後の再点灯では、えらく時間がかかりますよね。
 トンネルで停電した後、電灯が早く復旧できないのは死活問題なので、すぐ再点灯が可能で、明るいナトリウム灯が普及していると聞いたことがあります。

A. おぐりさんから

 トンネル内にナトリウムランプが使われている理由は、確か、排気ガス中に含まれる粉塵や煤煙などの影響を受けにくく、光が遠くまで届くということだったと思います。
 トンネル内は通気性がそれほど良くない部分もありますので、そういったランプが使用されているのです。
 ちなみに、出入り口付近が明るく、内部は薄暗くなってるのは、人間の目を明暗に順応のためです(確か「暗順応」「明順応」とかいったような気がします)。
 経済的にどうなのかはわかりません。ただ、いくら視認性が良くても、コストパフォーマンスがすごく悪いというのであれば使われないだろうと思います。

A. ふくろーさんから

 これは聞いた話なので、確かかどうかはわからないんですが、白のランプよりも黄色のほうが電気代が安くすむみたいです。
 払うのは道路公団なんだと思いますが、やっぱりより安くっていうのがあるみたいですねぇ……。

A. hideさんから

 多分、低圧ナトリウムランプのことでしょう。特徴およびメリットは以下の通り。
 オレンジイエローの589〜589.6nmの単色光(D線)を発光します。この光色は、視覚度が高く人の目に色収差を生じさせないので、明暗の差がはっきりし、物の形や凸凹などを正確に見極めることが出来ます。
 光束の減退が少なく長寿命。さらに、熱絶縁が良いために周囲温度の影響を受けにくく始動は確実で、点灯も安定しています。
 基本的に水平点灯を原則としますが、35w・55wは下向きでも点灯できます。 非常に高いランプ効率。131 lm/w。バルブ表面温度は約60度です。
 以上は岩崎電気製のランプについての記述からの引用です。要は明るさよりも「視認性」に重きを置いたランプだから採用されているのだと。

A. 博多っ子ずん胴さんから

 さて、私も、ナトリウムランプだと、霞んでいるときに見通しがきくから、と聞いたような記憶がありましたが、百科事典を見たら、だいたい次のようなことが分かりました。
 ナトリウムランプというのは、ナトリウム蒸気のアーク放電の陽光柱を利用したランプだそうです。ランプが発する黄だいだい色の光(スペクトル線のD線)は最もよく目に感じるので効率がよいので、霧の中でも見通しが利くという特性があります。したがって、光学実験用光源や自動車道路照明等に利用されるということです。
 霧の中の見通しがきく、といえばフォグランプが黄色いのも同じ理由でしょうかね。

A. tmyooaさんから

 トンネルの黄色い灯りは、やはりナトリウムランプです。
 ナトリウムランプは、黄色のみの光なので乱反射しにくく、空気中を通りやすいので、排気ガスなど光を妨げるさまざまな物があるトンネル内でも見えやすい光となるからです。
 また、人の目は黄色〜黄緑色の光を感じやすいからです。
 ちなみにトンネルの中央部と出入り口部では、照明の間隔がトンネルの中央部より出入り口部のほうが、短いんですよ。知ってましたか?

A. サンディエガンさんから

 黄色い光のランプはナトリウムランプだと思います。
 一般に白い明かりの水銀灯に比較して2〜3倍の光の強さを発します。ということは、電気代が半分になるということで維持コストが安くなります。寿命も水銀灯に比較してやや長いようです。また水銀灯に比べて虫の好きな紫外線波長の光をすこししか発しませんので、虫が寄ってくることもすくないようです。
 問題点としては演色性が悪く、太陽光の下で見るのととだいぶ違った色に感じます。最近は大分改善されたようですが、工場などでも人が作業するところでは水銀灯とのカクテル光線にして使用します。

A. たっちゅ♪さんから

 以前TV番組で見た記憶が曖昧ながら残っています。残念ながら、番組名は覚えていません
 その記憶が間違っていなければ、回答はズバリ「視界の良し悪し」です。 白い光源でも、視界は良好だと思いますが、黄色い光源の方が、遠い物体まで認識することができるのです。
 色を認識するには白い光源の方が確実に認識しやすいのですが、「物体」を認識するには黄色い光源の方が良しとされているようです。
 さらにそのTV番組では、トンネルに入った場合、周囲の車の「色」を識別できる必要があるかどうかという話が出ていたことも思い出しました つまり、衝突しないためには「物体があること」と「距離」が判ればよく、「色」を識別する必要が無いのです。そのために白色の光源ではなく、黄色の光源を用いているようです。

A. あきあきさんから

 久しぶりに答えることのできる疑問があったのでお返事させていただきます。というのも、私は電気工事の仕事をしてまして、照明の選定・照度計算等もよくやってるので、ランプについては知っているつもりでして……。
 始めに、照明器具のランプには大きく分けて、放電によって発光するタイプと、物質(ニクロム線など)を加熱して発光するタイプとがあります。ナトリウム灯・水銀灯・蛍光灯などが前者で、白熱灯やハロゲン灯が後者になります。
 基本的には前者のほうが、ランプ効率(消費電力に対する発光率)が良く、長寿命です。言い換えれば、同じ明るさが必要なら、放電灯のほうが電気代が安く済み、さらに交換の手間も少ないということです。そして、放電灯の中でもトンネルに使われている低圧ナトリウム灯は、ランプ効率がいちばん優れています。
 そして、あの黄色(オレンジ色?)ですが、よきパパさんの子ども達の言う通り、確かにすべてが変な色に見えます。
 しかし、あの色の光は、は霧や煙などの中でもいちばん遠くまで届くことができます。車のフォグランプが黄色が多いことでもわかるかと思います(最近は黄色くないものも多いですが……)。
 おそらく、上記の2つがナトリウム灯の使われている大きな理由だと思います。
 それと、関係ないかも知れませんが、白色に比べてナトリウム灯の色のほうが虫なども集まってきにくいですよ。

如熊夢さん、chocoさん、社長秘書さんからも回答をいただきました。ありがとうございました。