--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.305 (2003.10.09)

Q. みし丸さんからの疑問

 キャッチャーはピッチャーの球を捕らなくてはいけないの?
 自分でルールブックを調べれば分かることなのかもしれませんが、教えてください。
「王シフト」から始まって、「松井シフト」や「ペタジーニシフト」が現れ、ショートが2塁ベースあたりに守ったりしています。こうなると守備のポジションなんてあってないようなものですよね。
 そこで、
キャッチャーはピッチャーの投球を受ける義務があるかどうか――が気になりました。その義務がなければ、ランナーがいない2ストライクまでは、別の場所を守ることもできますよね。審判が投球の直撃を食らってかわいそうですけど。

いや〜、こういうむちゃくちゃな疑問は面白いですね。(星田)


A. 石塚ぴんさんから

 はっきりとは知らないんで恐縮ですが、たぶん捕球の義務はないと思います。 パスボールは「エラー」ですが、守備妨害や走塁妨害のような「反則」の扱いを受けないからです。だから、球を捕る・捕らないは、キャッチャーの自由じゃないでしょうか。
 ただし、たしか、キャッチャーは投手が投球モーションに入る瞬間まで、キャッチャーボックス(ホームベースの真後ろ)に入ってないといけない、というルールがあったと思います。
 だから、キャッチャーがショートやレフトを守ることは不可能だと思います。ちなみに、通常、キャッチャーは、内野ゴロのたびに一塁や三塁のバックアップのために走り回っています。テレビにはあまり映りませんが。あの重いプロテクターを着けて、大変なポジションだと思います。

A. れこあさんから

 ひとことで言ってしまうと、バッターがバッターボックスに入っていないとプレイの宣告をしないのと同じで、キャッチャーが所定のエリア(左右のバッターボックスの後ろから伸びた線の内側)にいないとゲームが始まりません。したがって、キャッチャーが一塁の脇にいたりしてはいけないのです。
 また、他の野手については、その守備位置の制限は比較的緩やかですが、それでも、投球完了までは投手よりホームベースに近づいてはいけないとか(バント処理などのとき)、ファウルグランドに出てはいけないとかの制限があります。したがって、件の「王シフト」等はルールに書かれている範囲内での移動としてOKなのです。
 なお、主審の判定に不満を持ったバッテリーが、投球をわざと捕らずに直撃させるという事件はままあるみたいです(よい子はまねをしてはいけません)。

A. 博多っ子ずん胴さんから

 キャッチャーが捕球しなければならない――という規則はなかったと思います。ランナーがいれば、パスボールで走られるだけで、ランナーがいなければ、ボールを取れなかったこと自体によるペナルティはありません。
 ただし、「別の場所を守ること」は、できません。公認野球規則(ルール・ブック)の4.03に、
「試合開始のとき、または試合中ボールインプレイになるときは、……捕手は、ホームプレートの直後に位置しなければならない」
と明記されているからです。
 投手と捕手を除く各野手は、フェア地域ならば、どこに位置してもさしつかえない。とも書かれていますから、極端なシフトも、ルール上は問題ありません。

A. やまおさんから

 ピッチャーの投球時点で、キャッチャーは捕手の守備位置にいなければいけませんが、捕球する必要はありません。
 現実に、捕球せずにパスボールするキャッチャーがいます。
 審判がミスジャッジしたら、審判の顔をめがけて投球し、捕球直前にミットを引っ込めてしまう……。
 なお、ピッチャーの投球時点では、外野手が内野へ、内野手が外野へ行くことはできません。だてに内野と外野の境い目に線を引いてあるわけではないのです。しかし、左右にずれたり、前進守備を敷くのは問題ありません。
 ピッチャーの投球後はどこへ行ってもかまいません。浅い外野フライを内野手が取ったりしています。だから、投球後はキャッチャーが外野フライを取りに行ってもいいのですが、取れないでしょう。

A. ZACさんから

 たぶん、ルールでは、キャッチャーは、ピッチャーが投げるまでキャッチャーボックスに片足もしくは両足が入っていなければならないはずです。
 よく、敬遠の場面で、キャッチャーはそのルールを守るために、ピッチャーの手からボールが離れるまでは、キャッチャーボックス内にいて、ピッチャーの手からボールが離れてから、キャッチャーは打者のバットが届かない位置に移動します。
 ということで、キャッチャーが、最初から普通の野手の位置で守備につくことはできない、というのが正解だと思います。
 しかし、キャッチャーの身のこなしや足がとてつもなく速い場合には、ピッチャーが投げてから、内野の超前進守備の位置につくことは可能かもしれません。また、この際には、投手も超スローボールを投げて、この守備位置変更を助ける必要があると思います。
 打者からボールが見えないような位置にキャッチャーが移動すれば、「消える魔球」ができるかもしれません!

A. ぶっとこさんから

 普通の野手はファウルゾーンで予め守っていてはいけない、というルールがあったように思います。捕手がいるのはどう見てもファウルゾーンですから、捕手はあそこで守らないといけない、というルールがある気がします。
 もっともそれでピッチャーの球を捕球する義務があるかと言われると、そうではない気がします。フォークボールを取り損ねても、キャッチャーが罰を受けるわけではありません。
『ドカベン』の中で、土佐丸高校の犬飼が山田を合法的に倒そうとバットを大きく後ろに振り回すのを、山田がよけてボールを取らない場面があった覚えがあります。
 また、古い話ですが、日本シリーズの巨人−阪急戦で、土井がホームインしたか、タッチアウトかの判定でもめ、捕手が退場になったという事件がありました。その後、交代した捕手が最初わざとボールを取らず主審にボールをあてて復讐した――という話を読んだ記憶があります。そのときも捕手が再び退場になってはいない、と思います。

A. 二出川延明さんから

 もう何人もの方が投稿していらっしゃるでしょうが、結論として

 1.捕手は絶対的にはボールを取る義務は無い
 2.ただし捕手は守る場所を自由に決められない

の2点に尽きます。
 野球規則四・〇三(a)で、
「捕手は、ホームプレートの直後に位置しなければならない。」
とされているからです。違反すればボークとなります。
 敬遠の場合も、ピッチャーの手から球が離れるまで、捕手はキャッチャースボックス内に足を入れていなければならないのです(今度敬遠の場面があったら注目してください)。
 ですが、これが必ずしも投球を取らなければならないということにはなりません。捕手がボールを取らなくても野球規則では何の規定もペナルティも明記されていません。理論上は取る必要はないともとれます。
 とはいっても、もしボールを取らなければ、

 1.審判に投球を当て続ける
 2.すべてパスボールとなって試合が長引く

のいずれかになるわけですから、審判の立場から見て悪意ある審判へのいやがらせとしかいいようがなく規則九・〇一(d)の
「審判員は…スポーツマンらしくない言動をとった場合には、その出場資格を奪って、試合から除く権限を持つ。」
に従って退場となるか、最悪四・一五(b)の
「試合を長引かせ、または短くするために、明らかに策を用いた場合」
にあたるとして没収試合(0-9の敗戦)になる可能性も否定はできません。何と言っても九・〇一(c)で
「審判員は、本規則に明確に規定されていない事項に関しては、自己の裁量に基づいて、裁定を下す権能が与えられている。」
のですから。

タガさん、hiroさん、ひでさん、Julianさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。