--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.312 (2003.11.11)

Q. 星田直彦からの疑問

 ★雑木話★第五十七段「あなたにも、ミニミニ光線」からの疑問です。素朴とは言えないかもしれないけれど、考えてみてください。
「〜だと思う」だけではだめですよ。自分なりでけっこうですから、根拠をお示しください。

【問題】
 ミニミニ光線は、その光線を受けた物体を、全ての方向に長さを10分の1にしてしまう、それはそれは恐ろしい光線だ。
 では、時速100kmで走っている自動車に、ミニミニ光線を当てると、スピードはどうなるか?
     (1)時速1000km になる
     (2)時速 100km のまま
     (3)時速 10km になる
     (4)時速 1km になる
     (5)その他


A. ムーさんから

 全ての長さが10分の1になっても、車輪の回転数は変わらないと考えられます。車輪の直径は10分の1になるから、その円周も10分の1になる。
 したがって、同じ回転数なら、進む距離は10分の1。したがって、10km。

A. ルカさんから

 さて、今回のミニミニ光線ですが、かなりの難問ですね。
 真空中を慣性で飛んでいる物体ならば時速100kmで変わらないはずですが、自動車なのでエンジンがありますね。当然、エンジンも小さくなるので、出力が低下します。ところが、本体のサイズも小さくなるので……と、ここで気づいたのが、
「ミニミニ光線によって、質量はどうなるか?」
ということです。質量が変化するとすれば、エンジンの出力に比例するように変わるのか? ここが明確でないと確定しない気がします。
 それから、空気抵抗と路面との動摩擦力も小さくなるはずなので、
  (5)その他
で、条件が足りないのではっきりしないという、全然答にならない解答をさせていただきます。
 今気づいたんですが、質量が小さくなって100kmを維持した場合、形状によっては揚力が働いて空を飛ぶ可能性もありますね(笑)。

A. SZLさんから

(5)その他 『走れなくなる』
のではないでしょうか。
 エンジンの設計がそれぞれのサイズを前提してている以上、比率が同じまま拡大縮小した場合にも同様の性能が得られるとは思えません。
 燃料がキャブレターを通る開口部の面積が100分の1になる。当然 混合気の比率は燃焼可能な状態にはならない。
(以下、単純計算)
 仮に上手く燃焼したとしても、燃焼室の体積は元の 1000分の1。燃焼出力も当然これに比例するとして、シリンダーとピストンの摩擦力は面積比が 100分の1にしかならないため、摩擦によるエネルギーのロスは 元のサイズの10倍に及ぶ。そのため、発生する熱が10倍になっているのに、放熱機構の有効面積は100分の1。アッと言う間にオーバーヒートしそう。
 電気自動車の場合は、電池のサイズが10分の1になってしまった時点で、発電能力が有効な量に達しなくなるのではないかと。
 新規に特殊な電池を新開発するのならいざ知らず、通常のバッテリーをそのまま縮小したのでは実用に足りないはず。多分。
 燃料電池の触媒部分は、水素分子を捉えるのに丁度良いサイズの凹凸を有している。これが10分の1になってしまうと発電そのものができなくなる。
 ちなみに、人体のサイズをいきなり10分の1にしてしまうと、まず呼吸ができなくなりそう。血管中で10分の1になってしまったヘモグロビンが、相対的にサイズが10倍になってしまった酸素分子を運べるだろうか。
 と いったところで いかがでしょうか。燃料の分子サイズも10分の1になってしまう、という設定だと、物理法則がどう変わってしまうか、全く予想不能になってしまうため、検証できませんです。

A. 洞窟ピングーさんから

 ミニミニ光線はエネルギーを加減するものでなければ、運動エネルギーがミニミニ光線の照射前と照射後で変わらないはずなので……、

 照射前の質量m、速度v=100[km/h]
 照射後の質量m’[kg]=m/1000[kg]
 (∵物質はそのまま(デカデカ光線で元に戻るというので物質の組成は変わらない?)で体積が1/1000になるから)

速度v’[km/h]として

 m[kg]v[km/h]^2/2=m’[kg]v’[km/h]^2/2
 v’[km/h]=v[km/h]√(m[kg]/m’[kg])

に代入すると

 v’=100√(m/(m/1000))
   =100√1000
   =1000√10
   =1000×3.17
   =3170[km/h]

 あるいは……、物質が変わらないまま小さくなることは考えられないので質量は同じとすると

 v’[km/h]=v[km/h]√(m[kg]/m’[kg])
      =100√(m/m)
      =100[km/h]

 質量が変化しないので摩擦力も同一。ただし、空気抵抗(D)は投影面積(?)に比例するので

 照射前 D=ρv^2SCd
 照射後 D’=ρv^2S’Cd
      =ρv^2SCd/100

で、照射前より小さくなるので若干スピードアップする。
 また、あるいは……、質量が同じだと密度が1000倍。そんな密度のガソリンをエンジン内に噴いても火が点かないのでエンジンが停止して車も停止。
 もしくは、大きさが1/10となった時点で物質が変化し、ガソリンがガソリンでなくなり、やはりエンジン(の形したもの)が停止して車も停止。
 よっていずれにせよ「(5)その他」だと思います。

A. さるさんから

 面白い話がたくさんありますね。
 ミニミニ光線ですが、これが実現したとして、重さはどうなるのでしょうか?
 質量が保存されるのであれば(その場合密度がどうなる、という話は柳田理科雄の空想科学小説にあるでしょう)、運動量保存則により速度は保たれるはずです。質量が変化するのであれば(たとえば体積に比例して1/1000になるとか)、車単体では保存則が成り立たないことになるのでここに示された条件からは速度は求めかねます……。
 と思うのですが、高校物理程度の知識も無いので間違っていたらごめんなさい。

A. 大神楽さんから

 まず、時速100kmで走っているものは小さくなっても慣性の法則で、当初は100kmにかぎりなく近いスピードで走る。
 一方、自力で走ることを考えれば同様な力(カロリーやジュールで考えると同様の定義自体成立させにくいが)をもって走るのは、単純に車輪のサイズで考える。
 直径×π(≒22/7)で、π(パイ:円周率)は変わらないので直径の変化を考える。縦と横がそれぞれ1/10だから、二次元的に考え1/100となる。よって、時速1kmとする。(厚みは1/10になってもスピードには影響ない)

A. どらエモンさんから

 時間の物差しは変化がなく、長さだけが10分の1になるから、1時間に進む距離は10分の1になる。
 ミニミニ光線が車だけにあたれば、長さが10分の1になるのを傍目に眺めていることになるので、答えは(3)の時速10kmである。
 でも、ミニミニ光線が反射したりして、測定するあなた自身にも同時に当たったら? 答えはあなた自身の物差しも10分の1になるので、答えは(2)の時速100kmのままになる。
 この問題、なかなか興味深い。相対的に観察した結果を理解しているんだということがわかりますね。アインシュタインの一般相対性理論ではありませんが……。

A. アイヤッパンさんから

「タイヤの円周×タイヤの回転数」が走行距離になるから、円周が10分の1になったら、当然、走行距離も10分の1になると思います。
 回転数は同じだと思うので、1時間に100km走る車がミニミニ光線をくらったら1時間に10km、つまり時速10kmになる……、と思うんだけど、なんか落とし穴がありそうな予感。

A. 流体 学さんから

 時速はそのまま100kmです。
 ただし、質量や抵抗を無視した場合にかぎります。
 たとえば、マクロの物体にミニミニ光線をあてた場合、移動速度を維持するには、とてつもない抵抗が働きます。
 これは粘性の問題なのですが、例をあげると、大型潜水艦が時速100kmで移動するのと同じエネルギーでミジンコが移動すると、時速は1kmもでません。小さい物体には粘性という大きな壁があるのです。
 昔、『インナースペース』という映画がありました。そのなかで、人間の体の中を小さくなった人間が潜水艦みたいな乗りものでスクリューだけの推進力で移動するシーンがありますが、あれは到底無理です。スクリューだけでマッハ10くらいは出さないと映画のような移動はできないです。
 流体力学は奥が深いなり。

A. うめねずさんから

 この設問をよく読んでみると、「全ての方向に長さを10分の1にしてしまう」なる記述があります。
 これを率直に受け止めるとなると、光線が影響を与えるのは長さのみであるので、単に100km/hを10で割った [時速10km] が答えになるはずです。
 この自動車のタイヤの走行距離やタイヤ軸の回転数などから考えてみても、結局行き着く答えは同じになります。
 うめねずの出した答えは――[時速10km]。

A. ほしのさんから

 以下の前提条件がまとまると結果が出ますが、その問題が解決できないので答えは不明となります。だから(5)が正解(?)ですか?
 時間の動きだけは浴びても浴びなくても同じであるというのが今の3次元の基本的ですのでこれは覆さないとします。
 問題点は以下の3点。
(A)長さの基準は変わらないのかどうか?
 ミニミニ光線を浴びた車の1kmは浴びる前の1kmと同じ長さか? それとも浴びた後の1kmはやっぱり10分の1になってしまうのか?(浴びる前の100mに相当するのかどうか?)
(B)車の重さはどうなるのか?
 エンジンの性能が変わらないとしたとき車が軽くなれば速く走ることができると思います。これがどうなるのか?
(C)エンジンの性能は?
 ミニミニ光線を浴びても、浴びる前の100kmを1時間で走れるだけの性能を持っているのか? それとも10分の1しか走れない性能になってしまうのか?

A. えるさんから

(1) 仮に質量が保存された上で縮小された場合、常温核融合が始まり爆発する。
(2) 質量が1000分の1になるとしたら、消失した質量分のエネルギーによって爆発を引き起こす。
 どちらに転んでも、原爆とは比較にならない程の爆発を引き起こします。ダメ?

A. SHOWさんから

 なかなか非現実的な面白い疑問なのでメールさせてもらいます。自分なりにということなので、これが現実に開発されたとしての僕なりの解析です。
 まず、この世の中には「エネルギー保存則」というのがあります。
  物質の質量×速度^2÷2=一定
という奴です。ミニミニ光線が仮に開発されてもこの式は成り立つものと思われます。となると、あとはどういう原理でこのミニミニ光線が開発されるか?
ということになります。要するに長さを10分の1にしたときに、質量が変化するのかしないのかという点です。
 結論から言うと、答えは次の2通り考えられます。
 もし、質量が変化しない原理の光線であった場合は、長さが10分の1になっても速度は不変、つまり時速100kmのままです。
 しかし、質量が変化するような原理の光線であった場合は、長さが10分の1になれば、質量は1/100となるため速度は10倍、つまり時速1000kmとなります。
 すると後は、どういう原理の光線かです。
 これはさすがに予測でしかありませんが、ミニミニ光線を照射する場合も当然エネルギー保存則が成り立つと考えると、光線を当てることで物体の分子配置を変化させるというのが単純に思いつきます。となると、物体の密度が変化すると考えるのが妥当です。つまりミニミニ光線を当て、物体の長さを縮めるために、その物体の分子配置を変化=凝縮させる。この場合はエネルギー保存則から質量が不変となる範囲でしか変化させることができないと思いますが、いずれにせよ質量は変わらない。1トンの重さの自動車の長さが1/10になっても、質量は1トンのまま。となります。
 というわけで、最初の疑問に戻ると、ミニミニ光線は質量を変えずに全ての方向に長さを10分の1にする光線であり、時速100kmで走っている自動車にミニミニ光線を当てると、大きさは10分の1になるが、質量は変わらずスピードも時速100kmのまま走りつづける。

A. 社長秘書さんから

 5番かなぁ〜。
 質量が一様だとすると体積に比例するので、質量も1000分の1になりますよね。初等の古典力学を使って、エネルギー保存で考えると約3160km/hになるんじゃないですかね。

A. あそびんさんから

 面白い問題♪ こういうのは好きです♪
 すべてが10分の1になるのだったら、速度は10分の1になり、(3)の時速10kmになるのでしょう。
ちなみに斜めに走ろうが、一定方向・1軸なので1/10です。
 た・だ・し、それはあくまで、車の外から観測した場合であって、車を運転している人は、自身も同比率で小さくなるわけですから、体感速度は100km/hのままです。
 それに、車のスピードメーターも、測る機械ごと小さくなるので、100km/hを指し示すことになりますね。
 しかし、そうなると100km走るためのガソリンの量はどうなるんだろうなぁ? 普通なら1時間で走れるけど、小さくなったら10時間かかる。しかし、1時間当たりのガソリンの使用量は体積だから1000分の1……。あ、あれ? 燃費は100倍ほどよくなるのかな? ここらへんは……疑問になります?(ぉぃぉぃ)
 ちなみに、とあるオンライン小説で人間の6分の1の大きさしかない妖精さんに召喚されて、自分が人間の世界で小さな妖精さんになるというお話があります。この中で、身体が6分の1なら、体積は216分の1になる。つまり、妖精さんは胸自体の重さはほとんどなくなるので、ブラジャーなんてしなくてもたれる心配が無い……なんてのがありました。

ねこさん、Nakaさん、ともやんさん、なぞなぞすき^^さん、Hideさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。