Q. あきらさんからの疑問
自動車に関しては、あまり詳しくないので、これは、もう、本当に、昔からよく分からないことがあるのです。
「○○の新型が発表されました!」(○○には車種が入ります)
と、新聞にチラシがよく入りますが、それを見ていると、旧型の○○とはまったく違った外観をしていることがあります。車に詳しい方なら、それでも、
「お、○○の新型だな!」
とわかるのかもしれないですけど、私にはちんぷんかんぷんです。
名前を踏襲している以上、旧型の「何か」を引き継いでいると思われるのですが、その「何か」って何なのでしょうか? 車の大きさ? 形? エンジン?
ちなみに、今の仮面ライダーやガンダムも、昔の仮面ライダーやガンダムを「全体の雰囲気」として踏襲している部分はあると思うのですが……、それと同じようなものでしょうか?
ぜひ、素人の私にでも分かるように、どなたかご教授ください。
A. 達也さんから
新型車の件ですが、おそらく「車のコンセプト」を踏襲してるのではないでしょうか?
それぞれの車はコンセプトを持っています。たとえば、車の名前の由来を見ると、大概車名がコンセプトになってる場合が多いです。したがって、それを引き継いで進化した車が新型車なのだと思います。
さらに、見た目も前回のイメージを引き継いで発展させているので、見る人が見れば「新型かぁ」って思えるんじゃないのかと思うのですが……、本当はどうなんでしょうね?
A. あそびんさんから
極論を言ってしまえば……、「こだわりとしての名前」か「イメージ」を引き継いでいるだけです。詳しくない人が見てもちんぷんかんぷんなのは、ごく普通だと思いますよ。
車の形が変わるのは、「マイナーチェンジ」と「フルモデルチェンジ」の2つがあります。
マイナーチェンジは、基本的な構造は変更しないけれど、外観の一部を変更したり使い勝手をよくしたりなど、一部手直しをしたときに使います。まあ、かなり手直しをして外観がほとんど変わっても『マイナーチェンジ』という場合がありますが……。
対するフルモデルチェンジは、その名の通り基本部分から外観、内装まで全てを設計段階からしなおして作られたときに言われます。
今回の「新車発表」は、多分このフルモデルチェンジに当たるものだと思いますが……。基本的には、前の車とは全く別物になったと考えてもらえればいいでしょう。
ただ、名車と呼ばれる車種になると、名前を引き継ぐということは、「外観や内部の機構というこだわり」を引き継ぐ場合があります。特にスポーツカーではよく行われます。
例として、「スカイライン」と呼ばれる車種のブレーキランプが丸かったり、「RX−7」という車種がロータリーエンジンというエンジンを乗せたりすることです。
名前を変えても別にかまわないのですが、それは販売メーカーの思惑や設計者の「こだわり」、それに「ユーザーの希望や声」というものが絡んできますので、一概にはどうとも言えません。
が、名車と呼ばれる車は、必ずといっていいほど、「どこか他とは違う魅力的な部分」を引きついでいます。
また、ブランド名が売れた車だと、名前で「イメージ」を引き継ぐ場合があります。これは高級車や大衆車によくあります。例としては、一般大衆車として、「カローラ」や「サニー」等、高級車として「クラウン」等がそうでしょう。
名前を聞いただけで、万人が
「あ、こんな車じゃなかったっけ?」
と思い浮かべることです。クラウン=高級車(今では「セルシオ」が有名になって、そういえない部分がありますが)、カローラ=安くて良い車(これも「ヴィッツ』などがあるので一概には言えないのですが)などです。
質問の中にあった「全体の雰囲気」というのも、この二つのどちらかに当たるのかもしれません。車好き、特にこだわりを持つ人には、
「この車は伝統的にこの部分を受け継いでいる」
とか、
「こんな構造があるからこの名前を受け継ぐのがふさわしい」
というこだわりがあります。
とはいえ、それほど車に興味が無い、普通の「足」として使っている方には、名前などを気にせずに実際の車に見て、乗って選ぶのが良いでしょう。
A. TETSUさんから
いろいろな理由があると思います。
たとえば……、
1.カーディーラーの名前に(今は無くなりましたが)サニー店とかギャラン店とかついている(いた)場合が多く、新しい名前の車が出るたびに、看板や、印刷物を更新するには費用がかかる。
2.イメージを継承する。大衆車、スポーティなど
3.車種は多くあるが実は基本となる、一番費用のかかるプラットホーム(サスペンションやトランスミッション)はかなりの範囲で共有していて、外見が変ってもプラットホームはそのままとか。
4.モデルチェンジには以前のイメージを色濃く残すキープコンセプト型(例1、2世代オデッセイなど)と、完全にイメージを払拭する方法があり、前者の場合。
5.大きく変化しないと、購買者が「新車」を買った気持ちになりにくい。
などなど。
とは言いながら、世の中の流れとイメージがずれて、車名が消えて行くのもあります。サニー、ブルーバード、コロナなどは単体では消えました。
また、大きくイメージを変えるときに、すこし残す場合もありますよ。コロナマークII、アコードインスパイア、ブルーバードシルフィーがそうですね。マークII、アコード冠は、現在は無くなりましたが……。
A. ごまさばさんから
まず、マイナーチェンジなら、ほとんどのものを踏襲して、ほんのちょっと機能的またはデザイン的な変更があるのだと思います。新規に開発するよりは、断然コストが抑えられます。
一方、フルモデルチェンジは、飽きっぽい日本人向けにあるのだと思います。
たとえば、イギリスのローバーミニなんかは、最近すこし大きくなってデザインも一新しましたが、それまではほとんど同じ格好をしていましたよね。
同じ格好のものには新しい名前を付ける必要はありません。裏を返せば、おっしゃる通り違う格好のものは、別の名前を付けることが当然のように思います。
車の名称と言うのは、商品名です。車名には各社が長年培ったブランド力があります。
たとえば、「オデッセイ」と言えば、人も荷物も沢山のるホンダの大きな車というふうに多くの人が直感的に思い浮かべるイメージがあると思います。「カローラ」といえば……と、なんとなくイメージがあると思います。売手側は車名だけで、買手にイメージを植え付けることが出来ます。
それと、それらの名前は登録商標でもあります。
新しい車を作って、新しい名前を考えて、商標を取るとなると大変な手間です。万一その名称が他社の登録商標に抵触していたら後々大変なことになります。それを避けるために、自社が保有する登録商標を付けるのも理由の一つだと思います。
現在、数多くの企業が、無数の商標を登録しており、日本語・英語・フランス語は、ほとんど登録されており、造語でないと登録はむずかしいと言われています。
さらに、3文字、4文字の言葉もほとんど登録の可能性はないとまで言われており、新規ネーミングを考えるのは大変な作業のようです。
こういうことから、全く違った格好の車であっても、同じ名前を付けるのだと思います。
ちょっと、ご質問の趣旨とは違った回答になってしまいました。
A. タガさんから
まず車の名称の付け方についてです。
外国と日本では文化の違いから、名前の付け方が違います。日本では「カローラ」や「レガシー」のように、英語の単語を名称にしています。外国では数字で表すのが多いです。メルセデスベンツなら「S500」とか「E300」とか。
実は、日本車も外国で売られる時は数字に置き換えて売られたりしてます。外人は数字の方が理解しやすいのと、英単語が別の意味にとらわれる可能性があること、日本では数字よりも英単語の方がイメージしやすいことや、響きがいいこと。これらが理由です。だから、この英単語の車名を踏襲することが多いのです。
名前を考えるのって大変ですし、またそれが一つのブランドとなっているので、まったく外観が変わっても、踏襲するんです。
次に、フルモデルチェンジで何を引継ぐか?――です。
結論から言うと、引継ぐ内容がある場合と、まったく新しいものばかりで引継がない場合があります。完全に新しくすると、全てに対してコストがかかるので、部品を引継ぐ場合もありますし、開発費が多ければまったく新しくなったりします。結局自動車メーカーの新車に対する開発費にかかっているのかもしれません。あと、ガラリと変えることで、今までの購買層がいなくなってしまって、それを恐れてあまり変えずに引継ぐ場合も多いです。
自動車の営業マンからすれば、まったく新しい、名前も違う車を売るよりも、カローラを買ってくれたお客さんに、モデルチェンジしたカローラを提案したほうが、客も買いやすいというのがあると思います。
基本的には日本の車は4年に1回フルモデルチェンジをしています。ちょうど客が4年乗って、そろそろ買い換えようかというときに、同じ名前(同じブランド)の車を売った方が、お客も買いやすいし、営業マンも売りやすい、という構図があるのでしょう。
以上、だいたいの内容は、某自動車雑誌に以前書いてあったので間違いないと思いますよ。
A. YAMAGENさんから
名前が踏襲されるのは「同じ客層を狙っている」からだと思います。
車の形やコンセプトは後から作られるのであって、商品企画上は「どのような客層をターゲットに売って行くのか」を重視して車は開発され、モデルチェンジのときも名前が継続されて行くのだと思います。
保守的な客層に売るクルマはモデルチェンジをしてもあまりかわりばえしないことが多くありませんか?
A. KS奇跡さんから
新型「○○」が旧型から引き継いでいるもの、それは「販売店」なのです。自動車メーカーには複数の販売会社があり、それぞれで取り扱う車種が決まっています。
ごく最近までは、
トヨタ→カローラとスプリンター
三菱→ランサーとミラージュ
といったクルマは、(別の店で売るために?)中身はほぼ同じで名前だけが違う状態でした。
モデルチェンジによって、従来の商品が生産を終了するのですから、次に当該販売店で売るクルマを用意しないといけません。その場合、全く馴染みのない名称よりも、実績のある名前でないと消費者に不安感を与えてしまうので、「新型の○○です」ということにしていたのではないでしょうか。
ですから、最近は今まで無かった新名称のクルマも増えていますね。販売会社が統合されている、という事情もあるようです。
★クーペさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
|