Q. みのちゃんからの疑問
４月に小学校３年になる長男からの質問です。
１年の始まりは１月なのに、なぜ学校は４月から始まるのでしょうか？ 四季が関係するというのなら、外国には、秋から新学年が始まるところがありますよね……。疑問です。
★現在、日本では、新学年は４月から始まっています。もう、この歴史がかなり長いですし、４月始まりを他の月からの始まりに変更するその準備、啓蒙等がかなり大変でしょうから、かなり積極的な理由がないと、変更はないと思われます。
では、その昔、どうして、４月を新学年の始まりとしたのか？ 結局のところは、この疑問は、歴史をひもとくことになりそうですね。（星田）
A. ぴーなっつさんから
これは本当だかどうだかとても怪しいのですが……。うちの学校の生物の先生によると、
「人間のやる気が最も高くなるのが３月と６月。だから入試をその時期（日本では４月、外国では６月頃）に行う」
のだそうです。３月に入試だから４月に入学、ということらしいです。
信憑性については何とも言えませんが、一理あるかもしれません。
A. ひいろさんから
４月から新学年となった起源は、1886(明治19)年10月に、高等師範学校が学年暦を４月１日からと定め、これが後に全国に広がったものだそうです。
それまでの学校は、今の英会話学校や自動車教習所のように年中入学可だったようですね。
だからなぜ４月なのかというと、役所が４月に決めたからというのが真相のようです。当時は、欧米の慣習に習って、９月新学年の大学や高校もあったようですし……。
ちなみに高等師範学校というのは、今でいうところの国立大学の教育学部にあたります。
A. zekeさんから
なぜ、日本の新学期が４月からなのかというと、明治時代の日本軍は４月に辞令を受け取っていたため、４月に新兵が入ってこないと困るということで、学校もそれに合わせて４月から新学期となったらしいです。
２〜３年前に読んだ本ではそうなっていたと思いますが、記憶違いかもしれません。ご了承ください。
A. kodamaさんから
はっきり調べたわけではないのですが、先日（2004.4.2）の朝日新聞の「天声人語」にヒントになるような情報がありましたので、お知らせします。
それは「４月から始まる日本の会計年度は、財政法の11条で定められている」ということです。そのために学校も４月から始まるようになったのではないでしょうか。
では、なぜ会計年度が４月からになったかについては、上記の文章に続いて
「しかし明治時代には、陰暦から陽暦への移行などもあって、かなり動いた。元年の1868年は暦年だった。以後、10月〜９月、７月〜６月もあり、今と同じになったのは1886年である」
とあるので、この辺の文献でいきさつが分かりそうです。
A. うにうにさんから
なぜ学年は４月に始まるか？ それは、学校教育法でそう定められているからです。――という意味ではないでしょうね。
学年が４月に始まるのは、国の会計年度が４月始まりだからでしょう。では、なぜ国の会計年度は４月始まりなのか？
実は、明治時代になって新政府が発足した当初は、欧米の主要国にならって制度を定めたため、あちらと同じく10月始まりでした。
その後、暦と同じ１月始まりや、７月始まりなどの時期を経て、最終的に４月始まりに落ち着いたのは、1886年（明治19年）からでした。
なぜ４月になったのかは、はっきりとは分かりませんが、当時は農業国であったため、米の作付けなどが始まる前の４月で区切るのが妥当と考えられたのかも知れません。
参考までに、こちらは南日本新聞（鹿児島県の地方紙）のコラム欄の記事です。
http://373news.com/2000syasetu/2003/sya030331.htm
酒造年度（7月〜6月）、大豆年度（10月〜9月）、米穀年度（11月〜10月）などいろいろな年度が紹介されています。
ところで、学校の年度は、これも欧米にならって当初は９月入学というところが多かったそうです。
ところが、政府の会計年度が４月始まりになると、軍隊への入隊時期も当然それにあわせて４月になります。これに危機感を抱いたのが、９月始まりだった高等師範学校（後の東京教育大学→筑波大学）です。
軍隊よりも入学が半年遅いのでは、優秀な若者を軍にとられてしまう。そこで、貴重な人材を教員として育成するためには、うちも４月始まりにしよう、ということで４月入学にしたのが始まりだと言われています。
その後、文部省が一般の小学校などにもこの制度を広めていって、大正時代ごろにはほぼ定着し、今日に至ります。
★洞窟ピングーさん、井さん、Toshiharuさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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