--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.376(2004.08.17)

Q. 修二さんからの疑問

「左利きの人間は、普通(右利き用)のはさみが使えずに不便だ」
いう話を聞いたので、試しに私の家にあるはさみを左手で使ってみたのですが、特に問題なく普通に紙を切ることができました。
 ついでに100円ショップで「左利き用はさみ」が売っていたので買ってきて、右手で使ったのですが、普通に切れました。
 たまたま薄い紙を切ったから切れたかも知れないのですが、実際に左利きの方は右利き用のはさみは使いづらいのでしょうか? また、そうだとしたら、なぜはさみは持つ手によって「切れる・切れない」といった事が生じるのでしょうか?
 結局のところ、右利き用の構造と左利き用の構造は、どこが違うのでしょうか?

利き手が異なるとやはり使いにくいようです。きっと、左右を選ばないはさみもあるのでしょうが、左右の別があるはさみは、構造的にどこかが違うのでしょうね。どこが違うのかな?


A. 湯どうふスープさんから

 私は左利きではありませんが、左利きについて興味があり、すこしばかり知識があります。
 左利き用の鋏(正確に言うと左手用の鋏だそうですが)は、構造的には右手用の鋏と見比べてみると、刃の合わせ方が上下逆になっています。
 修二さんはおそらく左手用の鋏で適当に紙を切ってみたのだと思いますが、今度は線を描いてその通りに切ってみてください。上の刃が邪魔で描いてある線が見えず、思うように切れないはずです。右手用の鋏を左手で使うと同じことが起こります。
 なお、左利き用鋏にもいろいろ種類があるようで、左利きの方のサイト等で詳しく掲載されています。

A. 将軍さんから

 右利き用と左利き用とでは、刃の向きが違います。
 はさみを開いてみると、真ん中の留め具を中心としたXの字になりますよね。そのとき、左上から右下に延びている方が上側(手前側)に来ているのが右利き用。逆にそれが下側(奥側)に来ているのが左利き用、のはずです。
 微妙な力の入り方の違いなんですが、右利き用のはさみを左手で使うと刃に隙間が出来る方向に力が加わって切りにくくなるんです(文章で説明するのが非常にむずかしいのですが……)。
 普通のはさみでも厚紙や布地を着れば判るかもしれません。今はほとんど見かけませんが、昔から有る裁縫用の糸切りばさみなんかで、紙を切ったりするとその違いが普通のはさみよりはっきり出ますね。

A. ひろさんから

 私は両利きなので右利き、左利きというのは些細なことでも気が付きます。
 ハサミは切るときの動きをよく見ると分かりますが、親指側を押し出し、手のひら側を引くようにして切るようになっています。このときに利き手用のハサミは刃がしっかりと合わさって切れやすくなるんですが、そうでないと隙間ができて切れにくくなります。すこしガタが来たようなハサミや切れにくい厚紙などを切るときにこの差がはっきりと現れます。
 ちなみに利き手の違いを指摘されたこととしては、トランプやマージャンのハイを並べたとき(右から左に数字を大きく並べる)や雑巾を絞ったとき(竹刀を持つようにしたら右手が手前)、傘をさしたときに左手に持つ、……などですね。

A. Picorinoさんから

 刃と刃の接触圧力がポイントです。
 鋏は二つの刃が接触しているときに、剪断力が最も効率よく発揮できます。接触圧力が低いと、刃が離れて剪断できなくなります。圧力が高いと摩擦が大きくなり、大きな力が必要になります。
 したがって、通常の鋏はは軽い接触圧力がかかるように作られています。それも、刃を緩やかに曲げて、根本は軽い接触で、刃先に行くにしたがって強く接触するように曲げてあります。
 さて、人が鋏を握るとき、親指側は押す力が、残りの4本側は引く力がかかります。その力加減で接触圧力が調節できるのです。ですから、持ち手から見て、右利き用は親指穴の刃が左に、左利き用は右に来ます。

A. スタタボさんから

 昔読んだ漫画、『金田一少年の事件簿』の中で出てきました。
 よく見ると、右利き用と左利き用とでは、刃のかみ合わせが逆になっています。普段使っているときにはなかなか気づきませんが、はさみを動かすときは、親指とその他の指をただまっすぐ動かしているわけではなくて、ゆっくりはさみを動かすと分かるように、親指は押し気味に、他の指は引き気味に力を入れて動かしています。それによって刃がかみ合い、物が切れるというわけです。
 しかし、決められたのとは逆の手ではさみを使うと、指の動かし方はどちらの手も同じなため、先ほどとは逆に刃と刃の間に隙間が生じてしまい、物が切れないということになります。
 確かめるために、利き手用のはさみでも親指を引いて、他の指を押しながら動かすとうまく切れませんよ。
 また、これは推測ですが、100円ショップのような安いはさみだと作りが荒いため、刃のかみ合わせの精度が低いと思われます。そのため利き手用でなくても刃がかみ合う部分があり、切れることがあるのだと思います。ですから逆に良いはさみであればあるほど、逆の手で使えば切りづらくなるのではないかと思います。持っていないので確かめることはできませんが……。

A. しげ3さんから

 はさみ以外の左利き用が気になり調べたところ、包丁も左利き用がありましたので、報告します。
 左利き用の包丁があるのは、片刃のものですが、通常の片刃のものは握った状態で上から見て左側が平らになっています。左利き用は右側が平らです。これは、鉈(なた)等の刃物でも同じ形になっています。
 これを反対側の手で使うと、刃が切る対象物から逃げていく形になり、押さえが利かなくなります。鉈などでは、刃が逃げてしまうと、弾かれる形になるため、危険度が上がります。
 以上のことから、力の入れやすさ等を考えて作ってあるものは、反対で使うと問題ありということになります。

A. 奥田さんから

 今回の左利きの話題で、チョッと面白いお話を一つ。みなさん、ご存知かもしれませんが……。
 缶飲料のプルタブ、あれも右利き用に作られています。
 タブを起こすとテコの原理で缶の薄くなったところが開きます。この薄い部分のカーブがタブの根元で微妙に左右違います。指に掛け手前に引くと、右手では右方向に傾きます。この右方向の根元が左より、支点に近くなっており、左右非対称にして、より応力が集中する仕組のようです。

KS奇跡さん、りょんちゃんのパパさん、アンギラスさん、みんみんさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。