--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.377(2004.08.19)

Q. Volklさんからの疑問

 海外からの中継って、どうしてあんなにタイムラグがあるのでしょう?
 TVで日本と海外の中継地点同士が喋ってるときって、数秒のタイムラグがありますよね。あれは、距離があるからですか? 人工衛星を中継するからですか? それににしても、時間が掛かりすぎると思うのですが……。
 秒速30万キロメートルの電波の速さをもってしても、なぜあれほどのタイムラグが発生するのでしょう?


A. ちぇりおさんから

 この疑問への直接の回答ではありません。
 TVで地上波とBSで同じ番組を放映しているケースがときどきあります。その場合BSがワンテンポ(1秒弱)ぐらい遅れています。
 この疑問と同じ現象だと思いますが、サッカーの試合などプレビューを見ているみたいです。紅白歌合戦はNHKとNHK−BShiで、我が家では輪唱になってしまいます(笑)。
 家電量販店などでも体験できるかも……(やったことありませんが!)。

A. Yoshihiroさんから

 海外からの中継にタイムラグがあるのは、距離が遠いからです。
 電波の速さは光と同じく、毎秒30万kmです。しかし、
  発信元 → 人工衛星 → 受信
の間には、1秒の何分の1かの時間を要します。これが往復に掛かりますから、結果としてタイムラグが生じるのです。
 月面に鏡を置き、地球からレーザーを照射して反射させ、その光を受けるまで、約3秒かかります。宇宙は広い!!

しかし、質問者は「数秒のタイムラグ」があると言います。これも、上記のことが原因なのでしょうか?(星田)

A. 鰻田社会科雄さんから

 数秒のタイムラグということはないと思いますよ。0.5秒程度でしょう。
 海外と通信する場合、海底ケーブルを利用する場合と通信衛星を利用する場
合があります。
 海底ケーブルの場合はほとんどタイムラグはありません。しかし、一般的に
は海底ケーブルは国際電話などに使われ、テレビの中継は通信衛星を主に使用
します。
 通信衛星は静止衛星ですので、地球の赤道上35800kmの高さを公転していま
す。35800kmの高さまで電波が飛び、戻ってきます。それが往復するわけです
から、電波の速度が秒速30万kmとして、

   4×3万5800km/30万km/秒 = 0.477秒

というわけで、0.5秒程度のタイムラグが生じるのです。

う〜ん。しかし、質問者は「数秒のタイムラグ」があると言います。(星田)

A. ともやさんから

 光も電波も速いのにタイムラグがあるのは、途中で光君も電波さんも休憩しているからです。
 冗談ではありませんよ、音声ってのは光でも電波でもありませんね(化学的厳密では重なる部分ありですが……)。それを途中で変換するときに時間がかかるのです。
 ウチのカミさんも家モードから外出モードに変換されるのに結構時間がかかります。数百メートル先に歩いていくだけで1時間以上はザラです。平均すると時速300メートルで歩いていることになってます(遅っ!)。

A. みーさんから

 私も疑問に思い、上司が元テレビ局の技術局長なので、聞いてみました。

 通常、衛星中継だと、撮影すると、30分の1秒毎に映像・音声のデータができる(アニメーションやパラパラマンガを想像していただくと分かりやすいかも)。
  ↓
 30個の情報の塊(1秒分)ができた時点で、ひとかたまりの送信用のデータに変換し送信。
  ↓
 着信した送信用データを再変換して元に戻す。
  ↓
 通常見ている映像・音声になる。

というのが流れなのですが、データの変換・再変換が曲者らしく、最速でも約1秒前の映像・音声であるのに、変換に時間が掛かるとさらに遅れたりするそうです。しかも、受け答えだとすると往復分時間が掛かるので、約2秒のタイムラグが生じるそうです。

 日本のAさんが質問
  ↓
 1秒後にアメリカのBさんのところに映像と音声が届き、Bさんが話し始める
  ↓
 その1秒後に日本のAさんのところにBさんが話し始めた映像が来る
  ↓
 Aさんからすれば、Bさんが2秒後に話し始めているように見える。

というわけだそうです。

A. keiさんから

 上記の質問に寄せられた回答を見て、以前、腹話術のいっこく堂が海外中継のタイムラグの映像に対して、声が遅れるというパフォーマンスを思い出しました。実際の中継を見てもそうなっていないので変だと思ってましたが、よくわかりました。
 ただ、いっこく堂の腹話術に違和感がなくうまい芸だと素直に受け入れられていたので、実際昔はいっこく堂の腹話術のようなことが起こっていたような気がします。これは私の記憶違いでしょうか。それとも昔は、TV中継は今と技術が違っていて、音だけが遅れてきていたのでしょうか。でも、その場合、どうして音だけが遅れたのでしょう。

音が画像よりも遅れてしまうからくりをどなたか、教えてください。(星田)

A. うにうにさんから

音が画像よりも遅れてしまうからくりをどなたか、教えてください。

という補足質問への回答です。
 私も実際に、外国からの生中継で、映像より音声がほんのわずか(0.5秒あるかないかだと思いますが)遅れているのを何度か見たことがあります。
 海外からの中継の際、映像と音声を別系統で送ることがあります。たとえば、オリンピック中継では、同じ競技を百何十カ国のテレビ局が撮影したのでは、手間も費用もかかるので、選手へのインタビューなどは別として、競技全体を映した映像は、どの地域向けのものも同じ映像を使い、世界に向けて送信します。一方、音声の方は国によって内容も違うし、言語も違うので、それぞれの国・地域向けに別々のアナウンサーがしゃべります。
 この際、一方を衛星回線、他方を海底の光ファイバーなどの地上回線で送ると、衛星経由の方が距離が長い分、すこし遅れて届くことになります。両者をうまくシンクロさせられればよいのですが、たまにずれてしまうと、ご指摘のような現象になるわけです。
 また、最近始まった地上デジタル放送の場合、テレビの性能があまりよくないと、同様の現象が起きることがあるそうです。これは、アナログ信号とデジタル信号を変換する際に、音声よりも映像のほうが処理時間が長いためです。ちゃんとしたテレビなら、映像の処理が終わるのを待って、それにあわせて音声も出るようにするのですが、たまにそうでないものがあるらしいです。
 余談ですが、インターネット上の掲示板などで、この現象についての質問が載ると、たいてい中継先とのタイムラグ(つまりNo.377の当初の質問)のことだと勘違いして答える人がいて面白いです。
 中には、「音声と映像がずれるはずはない、よく見てください」とか「いっこく堂さんは勘違いしている」と決めつける人もいたりします。確かに、たいていの場合はずれていないのに対して、こちらが送信してから返事が来るまでの時間差は必ず見られる現象ですからね。
 ところで、音声と映像を別回線で送らなければならないケースとしてオリンピックをあげましたが、実際には特派員からの現地中継のような、何カ国語も同時に送る必要がない場合でも、このようなずれが起こっているのを見たことがあります。どういう事情のとき別回線になるのか、まだ十分な調べがついていません。詳しい方の回答を待ちたいと思います。

A. なぞなぞすき^^;さんから

 昔、海外中継といえば、「音が遅れる」じゃなくって「映像が遅れる」じゃなかったかな? たとえば、アナウンサが「〜前を通過〜」のあと「しばらく」してから通過していく映像が出てきます。
 初めての衛星による海外中継というとケネディ大統領の暗殺の場面だったと思います。
 TVというのは音声と画像の複合です。音と映像では情報量が違います。ラジオでは9kHzごとに1chです。それに対してTVでは6MHzごとに1ch、ハイビジョンでは27MHz必要です。これを伝送するには、音声と比べはるかに広い帯域を必要とします。当然圧縮して伝送はしますが、それにしても、ケーブルで送るにはチャネルを使いすぎます。そのため、海外からの映像伝送は衛星回線の高い周波数域を使用するのが常です。一方、音声の方は海底ケーブルでした。このため、現地からの情報は、音声が早く映像が遅いという結果になります。
 その後、映像による双方向の通信が多くなってきて、会話を交わすことにより、今度は衛星通信によるタイムラグが問題になってきているんでしょう。地域によっては、一個の通信衛星ではなくリレー衛星を介したり、他の通信衛星に中継するために再アップもあり、経路が長くなる可能性もあります。
 現地からの映像と音声の遅れの関係は、逆に情報処理時間のかかる映像の方が遅れ気味になるはずですが、ほとんど気にならない程度だと思います。
 余談ですが、わたしのPCはCPUもそのクロックは遅く、DVDなどで映画を見ようとすると……、映像がはるかに遅くなり使い物になりません^^。
 また、音声などの情報はデジタル化され伝送されるので、その暗号化、複合化による処理時間、また、チャネルを独占せずに時分割等で共用してるのが常ですので、リアルに届くかというと、そうでもありません。インターネットなどでも、音声の途切れ、画像の遅れは日常茶飯事ですね。
 そういえば、BSが始まった頃、時報の放送をどうするかで一時期ちょっと問題になりましたね。地上波とはその伝送経路の関係で多少遅れます。結局は仕方ないとのことでそのままになっています。
 IP電話などでもモニタしてみると、音声の遅れは結構あります。これは、PCの処理機能も一因です。インターネットラジオなども、実際のラジオ中継と聴き比べてるとわかりますが、30秒から1分程度遅れてます。面白いですね^^