Q. うううさんからの疑問
はじめて来ましたので,どうぞよろしくお願いいたします。
クマやカメ、ヘビなどは冬眠するようですが、鳥類やキツネなどは冬眠しないですよね。冬眠する動物・しない動物の基準、違いは何なんでしょうか?
★う〜ん。これは、眠れなくなるくらいの疑問です。(星田)
A. まいたけさんから
まず、生物が生きるのには熱が必要です。熱が無いと、体の働きがストップしてしまいます。鳥類や哺乳類は、脂肪の燃焼で熱を作り出すことができます(温血動物といいます)が、爬虫類、両生類は熱を作り出せません(冷血動物といいます)。ゆえに、寒くなると熱が奪われるため、体機能が低下し、眠ったようになるわけです。
じゃあ、哺乳類である熊の冬眠は何だ? という話になります。熊にとって、冬は餌が極端にすくなくなるため、事前に大量に食料を摂り、脂肪をせっせと蓄え、餌の少ない冬に備えます。ついでに、脂肪が大量に有ると体温が逃げにくくなります。冬の間、ムダに動いてばかりいると脂肪を消費してしまうため、じっと動かずにいるというわけです。哺乳類では他に、リスやネズミが冬眠するようです。
冷血動物は、体質上寝る(というか止まるというか……)ということになりますが、哺乳類の場合どうなんでしょう。
1:摂取する餌の絶対量が多く、冬の餌不足に対して不利な動物
2:体躯が小さく、熱を奪われやすい動物
の、いずれかということになるんでしょうか。
A. Pすけさんから
かならずしも生理学的に正しいとは思いませんが、私の考えを述べてみたいと思います。
まず、なぜ、鳥類は冬眠しないのか、についてです。
鳥類は『飛ぶ』という特性のために体を軽くする必要があり、食いだめができません(一部の種の幼鳥や、飛ぶ必要のないペンギン類は除く)。よって、生きるためには食べ続けなりません。したがって、冬眠ができないのだと思われます。
冬期にその土地で生活できる鳥は、恒常的に採餌できることが必要でしょう。寒冷な土地で代謝を維持するには、体温を保持しやすい『大型の体』が必要と考えられていますが(ベルクマンの法則)、実際に高緯度に生息する鳥に関していえば、ワシタカ類やキツツキ、ツル、ガンカモ科など、低緯度の鳥に比較して大型の種が全体に占める割合が高いのではないかと思います。
一方、冬期に採餌できない鳥は、低緯度の温暖な土地に渡ってしまうので、冬眠する必要がないのではないでしょうか?
次に、哺乳類ですが、これらについても冬眠するかしないかの違いは鳥と同様、冬に代謝を維持するのに十分必要な採餌ができるかどうか(できるものは冬眠する必要がない)であると思われます。
哺乳類は飛行できる鳥類に比べ移動能力が劣るので、冬に十分採餌できない場合、冬眠するかそれともその土地には生息できないか、どちらかということになります。
冬眠できる種は、低温で代謝の速度を遅くできる能力のあるものでしょう。それが、不可能な種はそもそも生息できないと思われます。また、鳥類と比較して、哺乳類の方が食いだめにより体内に脂肪を蓄積しやすいということも、冬眠を可能にしている要因と思われます。
爬虫類や両生類は変温動物であるため、もともとの代謝量が低いこと。さらに、低温になっても、凍らない程度(凍ると細胞が破壊されます)であれば仮死状態になるまで代謝量を落とし(栄養分の消費量がすくなくなります。ただし落としすぎると本当に死んでしまいますが……)冬眠することにより、冬を乗り切ることができるのでしょう。
実際の代謝量などを、提示することができず、憶測の部分が多いことをお許しください。ご参考になるところがあれば幸いです。
A. 藤村智之さんから
冬眠をするのは爬虫類や両生類の変温動物で、体温や内臓の動きなどの生体機能を最低限におさえるいわば「仮死状態」になり、春まで起きない状態のことです。
クマの場合は、「冬ごもり」です。単にうつらうつらと寝ているだけで、お腹がすいたら冬でもエサを取りに起きて来るので、冬眠とは別のものです。
A. ひいろさんから
冬眠する動物と冬眠しない動物の違いですが、まず恒温動物か変温動物かによる違いがあります。
すなわち、哺乳類や鳥類のような恒温動物には冬眠するものとしないものが存在しますが、爬虫類や両生類のような変温動物は、いやおう無く冬眠します。
冬眠というのは体温が急激に下がって代謝が非常にすくなくなった状態なので、外気温によって体温が変化する変温動物は、冬になれば自動的に冬眠します。
次に恒温動物の中での違いですが、冬眠そのものは、餌がすくなく、かつ寒さのため生命の維持が困難な冬期を生き抜くための方法なので、つまりは冬眠しないと冬期に生き残れない動物が冬眠するのではと思われます。このことは冬眠する哺乳類のほとんどが、リスやねずみの仲間などの小型の動物ということからもうかがえると思えます。
ちなみにクマは、冬の間も自由に起きて餌を食べ、また寝るを繰り返しているので、冬眠ではなく「冬ごもり」だそうです。
また、冬眠にはあるホルモンが関わっているということが分かっているそうですが、実はこのホルモンは人間にもあるそうなので、人間も冬眠は可能だそうです。
★akihito47さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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