--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.397(2004.11.11)

Q. くみとり式ロボットさんからの疑問

 天気予報を見ていると、当然のように気圧配置が書かれていて、台風なんか
が来ると
海上でもその気圧が数値になっているんですが、あの数値は誰がどのようにして計測しているんですか?
 多分、気象衛星が見ているんだろうケド、写真から気圧がどれくらいなのかわかるもんなの?


A. ルカさんから

 海上の気圧などの観測については、以前は気象観測船という船を出していましたが、現在は観測ブイロボットで定点観測を行っているようです。
 ちなみにNHK第2ラジオでは、9:10、16:00、20:00の1日3回気象通報という番組があり、観測地点ごとのデータが読み上げられます。
 天気図の描き方は慣れるまでむずかしいですが、毎日やっていると2週間ぐらいでそれなりに描けるようになると思います。天気図用の用紙も市販のものがありますので、興味のある方は挑戦してみてはいかがでしょう。

A. なぞなぞすき^^;さんから

 昔は、台風が発生すると飛んでいって上から観測ブイを投下して、データをとったようです。
 現在の定点データは各気象台、測候所、役場、JR等の公共観測データ、アメダス観測点のデータ、海上定点観測、航行船舶の気象観測データなどから得られる直接データです。他にラジオゾンデ等もあります。
 これら以外に、今は気象衛星による赤外、マイクロ波による画像データからデータを類推していますね。ハリケーンなどの観測には天空の城ラピュタなみに眼の中に飛び込んで観測するとこもあります。
 これらのデータから3次元的に気象庁の大型計算機で気圧配置を計算しています。
 台風などは直接計るにこしたことはありませんが、危険ですので、周辺の観測データと雲の形から中心気圧、風速を補正して計算しています。
 ドボラック法(Dvorak method)
で検索されたらよいと思います。
 最近は雨量観測もレーダによる観測データを出していますね。レーダアメダス合成の雨量なんてのは、あまりあてにならない? ま、現在どの地域に雨雲があるか、わかって、便利になりました。
 わたしは今でも降水確率**%なんてのが・・よくわかりません^^
 降る、降らないとはっきり言ってくれないと……。やっぱりいちばんあてになるのは、経験です! お年よりの天気予報は非常にローカルではありますが、当たりますよぉ! やっぱりお年よりは宝です!

A. Picorinoさんから

 海洋上の観測は3つの方法があり、それらを総合的に解析しているはずです。まず観測船(昔、飛行機が海上不時着を余儀なくされOcean station vesselの傍に降りたのが撮影されたものを見たことがあります)ですが、これは現代では数が非常に少ないでしょう(国によっては無いところも)。
 次が定置観測ブイで、自動観測が発達している現在ではこれが多いと思います。無線(衛星経由なども)で情報を送ってきます。
 最後が船。軍艦船、商船などからの情報提供です。
 ちなみに、上層気象観測はゾンデと言われる気球につるした観測器を定期的に放出したり、小さなロケットも使われます。

A. ひいろさんから

 TBSでお天気を担当している気象予報士の森田正光氏が質問に答えているサイトに情報がありました。
 海上の気圧は、海上を航行している一般船舶の観測データや観測用ブイのデータを利用して、気圧を測定しているそうです。
 ただ、台風の場合は、気象衛星の雲の画像を分析し、雲の形状などから気圧を割り出すこともあるそうです。

A. 新○丸さんから

 沖には点々と気象ブイがあります。
 また、任意で気象を無線で報告する制度があります。気象が悪くなると船舶職員法? 船員法? か忘れましたが海上保安庁に報告する制度があります。
 でも通報するのは客乗せてる客船かフェリーか、または大手会社商船か国の管轄する船くらいでしょうね。ちなみに本船はしません。

A. うにうにさんから

 台風の中心気圧はちょっと特殊ですので、まず「海の部分の気圧配置はどうやって分かるか」という一般的な話から入りましょう。
 気象衛星からは、海上の気圧は分かりません。しかし、天気図を見ると海の上にも等圧線が書かれています。
 ではどうやって気圧を知るかというと、基本的には実測です。
 まず、気象観測専用の船による観測(日本は5隻)が行なわれています。さらには、一般の船舶が観測したデータを送ってくることもあります。また、無人の気象観測ブイもあります。

 気象庁のこちらのページ
 http://www.data.kishou.go.jp/marine/stat/shipstn.html

 上記のページには、過去1日の間に送られてきた海上のデータの観測地点が表示されていますが、意外に多いことが分かります。もちろん、それぞれの海域に浮かぶ島におかれた気象台での観測データも活用されることはいうまでもありません。
 ただし、そうはいっても陸上に比べると、どうしても観測地点の密度は低くなりますので、描かれた等圧線にもかなりの誤差があることは否めません。
 特に、気象衛星がなかった頃は、本当はしっかりした低気圧や前線があるのに、気象観測データがないために、存在にすら気づかない、ということもありました。しかし、気象衛星が飛ぶようになってからは、そのような大きな見落としはまずなくなりました。
 次に、台風の中心気圧については、気象衛星からの画像が重要な手がかりになります。
 かつては、米軍の飛行機が台風の上空から観測機器を落下傘につけて落としたり、気象庁の定点観測船が本州の南海上に停泊して、台風が近づいてきてもあまり逃げずに決死の観測を行なったりして、台風の内部の風速や気圧をなんとかして探ろうとしていました。
 そういった貴重な観測によって得られたデータと、気象衛星からみた台風の雲の形とを照合して分析した結果、雲の形や動きを調べれば、中心気圧や中心付近の最大風速が、ある程度推定できることがわかりました(考案者の名前を取って「ドヴォラック法」といいます)。そのため、現在ではこのような命がけの観測は行なわず、まずドヴォラック法でおおよその値を推算し、地上の観測地点や海上の船舶などからのデータがあればそれを用いて修正して、台風の中心気圧などを求めています。

かにゃてっくん、レガシーさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。