Q. つまりんさんからの疑問
今年もクリスマスが近づいてきました。
昨年、クリスマスが近づいてきた頃、うちの4歳になる娘が、幼稚園で靴下を作ってきました。色画用紙で作った靴下です。クリスマスには、サンタさんから、その靴下に絵本のプレゼントが届きました。絵本が入るくらいですから、それくらいの大きさの靴下です。
そこで、疑問です。
どうして、靴下なのでしょうか? 帽子だっていいじゃないですか! 何かいわれがあるのでしょうか? 靴下のメリットは何なのでしょう?
サンタさんに聞いてみないとだめかな〜?
A. 藍色狸さんから
サンタクローズが、プレゼントを靴下に入れる理由ですが、だって、そのまま置いてあるより、何かに入っている方が、もらったときに何が入ってるんだろうとかドキドキして楽しいでしょ。
では、なぜ帽子や手袋ではなくて、靴下なのか。
それはですね、靴下に入れたほうが中に入っているものを取り出しにくいからです。
取り出しにくい=何が入っているのかわからずにドキドキする時間が長いじゃないですか。
そして、
ドキドキする時間が長い=もらったときの喜びが大きい
じゃなですか。
ですから、サンタは靴下にプレゼントを入れるのです。
A. 江戸川三連豚さんから
その昔、サンタクロースは、3人の貧しい娘達へ持参金を贈ろう思い、金貨を巾着に入れて煙突から投げ入れました。
ところが、巾着は、暖炉のそばで乾かしていた靴下の中に落ちてしまったそうです。
その話を聞いた人々は、靴下を吊るしてサンタクロースを待つようになったといわれています。
A. ミネルワの梟さんから
サンタクロースのモデルになったのは、聖ニコライ(タネ本がないので確認できません、ごめんなさい)という実在の人物です。サンタ・ニコライが訛ってサンタクロースになったわけです。
で、なぜサンタ・クロース氏が靴下にプレゼントを入れるかというと、聖ニコライがある貧しい家のそばを通りかかり、哀れに思って窓の破れ目から金貨を投げ入れてあげたところ、暖炉のそばに干してあった靴下の中に入った、という故事にちなむときいたことがあります。
また、嵐の中迷子になった子供を助けるために嵐を鎮めたりしたため、聖ニコライは子供の守護聖人とされる一方で、「嵐を鎮めた」ということで船乗りの守護聖人ともされたそうです。
船乗りの中でも、特に海賊たちが信仰していて、やがて「同業者達(?)が信仰しているぞ」とのことで、後には泥棒の守護聖人ともされるようになったとか。これは蛇足デシタ。
A. みし丸さんから
サンタクロースの誕生を語ると話はすこし長くなりますが、プレゼントを入れる靴下に限定すれば紹介できます。
靴下という設定をしたのはアメリカの神学者、クレメント・クラーク・ムーアで、1823年12月のことです。新聞に「聖ニコラスの来訪」(A
Visit from St. Nicholas)という詩が掲載されました。その中ではサンタクロースの風貌や煙突からの侵入なども一緒に定義されています。
もちろんこれらの設定には原形があり、全てはサンタクロースのモデルである聖ニコラスの伝説からきていると思われます。
聖ニコラスは守護聖人として様々な救済話を残しています。その中に、身売りの危機におかれた靴職人の3姉妹を救うものがあります。聖ニコラスは金貨を入れた靴を彼女たちの家に投げ込んで施しを行います。靴下という設定はここからきているのではないでしょうか。
もともと聖ニコラスは、オランダはアムステルダムの守護聖人として盛んに信仰されていました。オランダ人は大西洋を越えてアメリカに渡り、ニューアムステルダムを築きます。現在のニューヨークですね。サンタクロースという偶像にかぎれば、ニューヨーク出身といえるわけです。
A. トロントの雑草さんから
もともと、stocking(靴下)の中にプレゼントをstockする(stocking)、と言う語呂合わせの洒落から来ています。したがって同じ靴下でもソックスではありません。
クリスマスにプレゼントを交換する習慣はキリスト教にはありませんでした。1900年代の始め頃から、経済流通の大本を抑え始めたユダヤ系の大商人達は、キリスト教徒を相手に金儲けをする方法として、クリスマスにプレゼントの交換を思いたち、地道にゆっくりと人々の間に習慣付けました。
そこで利用されたのがオランダ系の移民の間に伝わるセント−ニコライによって救われた靴屋の3姉妹のお話です。セント−ニコライの名はサンタクロースとかえられ、伝道師、セント−ニコライの服装がサンタの服装に変えられました。そして金貨が投げ込まれた長靴がストッキングに代えられたわけです。クリスマスの頃にお菓子やさんの店頭に並ぶサンタの長靴の中には必ず金貨チョコレートが入る理由がココに有ります。
このような地道な努力は一概に悪くは言えません。経済流通の潤滑剤として果たした役割は本当に大きいと思います。したがって現在でもキリスト教の中でも、宗派によってはクリスマースプレゼントの交換をせず、自分達の信念のままにクリスマスを祝います。
そんな中、アメリカの大手デパートのWoolworth社が、1930年代に自社のデパートのショーウィンドウの中にクリスマスツリーを飾って客寄せをしたのがクリスマス商戦の始まりです。もちろんそこにはストッキングに詰められたプレゼントがさりげなく飾られていました。
本題からわき道にそれてしまいましたね。
でも大切な方には、クリスマスに限らず、いつでも素敵なプレゼントをあげるように心がけましょう。
ところで、ストッキング……、ご存知ですか、現在のようなナイロンのストッキングは第二次大戦中にデュポン社がパラシュート(落下傘)の素材として発明しました。
1930年代の終り頃、日米開戦を予測したアメリカは、落下傘とストッキングの材料として日本から大量の絹を輸入、保管していました。でもひとたび戦争が始まると、全然足りません。
当時、日本の絹は世界一良質で、質、量共に他のアジアの国々の絹を抜いていました。特にパラシュートとストッキングは日本の絹が独占していましたが、開戦後にアメリカは代替品としてナイロンを発明し、それが現在のような誰でも手軽に買えるナイロンストッキングになりました。
その頃、絹の靴下はなかなかの高級品で、一足買うのも独身の女性には大変なことで、彼氏に買ってもらうのがいちばん手軽でした。
でも、勘違いをしないでください。スカートの長かった時代のストッキングは今ほど長くはなく、プレゼントを詰めるのにちょうどよい長さでした。
★なぞなぞすき^^;さん、Maverickさん、サムさん、なりたさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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