--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.403(2004.12.09)

Q. セラピストさんからの疑問

 いろんな店でポイントカードを作っているのですが、その中に、買い物してレジを通すとポイントカードの数字が変わっているタイプのポイントカードがあります。
 前の数字を消した後もなく、書き加えた厚みもなく、ポイントが記載されるのですが、どのような仕組みでカードの表面の文字が書き換えられているのでしょうか?

そうですよね。あれ、不思議ですよね。(星田) 


A. 藍色狸さんから

 あれはですね、カードをお店の人に渡すと、一度機械に通しますよね。
 実はあの機械で、元書いてあった数字を一度消してから、その上に新しい点数を書き込むのです。
 ですから、その消しが甘かったりすると、前の数字が薄く残っている上に新しい数字が書かれていたりするんです。
 また、その行為を何度も繰り返すと、実は前の数字が消えにくくなっていったりもするんですよ。

A. なぞなぞすき^^;さんから

 あの、シルバー地で文字が白い表示のカードですね。さっそく財布から取り出して実験しました。
 ストーブの上のヤカンの肌に裏からそっとあてました。見事に部分的に消去されました。光にかざすと元の文字がかすかに認められます。あまり真似しない方がいいと……。
 これは、薄い透明な樹脂の中に、有機低分子物質とよばれる常温では透明な小さい粒のはいった層があり、これに熱を加えることにより状態が変化して情報となる文字、画像を表示、消去できます。
 通常では透明ですが、130度ほど加熱すると、分子の周りに空隙と呼ばれる層ができて、ここに光が当たると乱反射します。この反射光を情報としてとらえています。
 この空隙は100度ほどに加熱すると消失します。また透明に戻ります。100度といえば沸騰したお湯の温度ですね。お待ちください……、つけてみました。湯気のあたった部分まで一瞬にして消えました。
 さわるとアチッと思われるストーブにじかに接触させると、白い太い線が現れます。
 この変化は500〜1000回は続くようです。一日一回使うと最短1.5年の寿命。
 念のため、注意書きには以下の通り書かれていました。
「折り曲げる、汚す、磁気に近づける、水に濡らすなどしないでください」
 その後、この前のいたずらして消し去ったカードを再び何気なく使ってみました。まったく文字情報が見えないカードでしたが、お釣りもらって、カードを見てみると、ちゃんとポイントが加算されていました。
 ということで、沸騰したお湯につけて消し去り、いたずらしても大丈夫ということが判明しました。

A. まいたけさんから

 おそらく、ロイコカードかリライト(白濁リライト)カードのことだと思います。
 これらカードの表の面は、感熱紙と同様、熱をかけたところが発色する特性を利用して印字されるという仕組みです。しかし、これは瞬間的に高熱を加えた場合です。逆に、ゆっくりと熱を加えた場合、発色されていた部分が消されます。
 つまり、まず専用の機械がゆっくりと熱を加えて文字を消し、次に瞬間的に熱をかけることで文字をプリントします。
 そのため、専用機械の中には、カードを差し込んだ後に一度出てからまた入るという動作を行うものがあります。なお、機械は裏の磁気面からポイントを読み込んでいます。
 このプリント技術は、JRの定期券の表面にも利用されています。ちなみに、書き換え回数は数百回まで耐えられます。

A. 印刷屋さんから

 それは、リライトカードと呼ばれているカードのことですね
 何種類かの方法がありますが、一般的な方法について説明します。
 ベースとなる紙の上に銀色のアルミ層を蒸着させ、その上に脂肪酸の粒子をちりばめておきます。通常の状態では脂肪酸は透明なので、下のアルミ層が透けて見え、全体が銀色に見えます。この脂肪酸は約120℃でひび割れ状態となり、光が乱反射して白く見えます(ガラスがひび割れた状態を想像してください)。つまり、印字する部分に書き込み用ヘッドで熱を加えることにより、印字データが白浮かび上がります。
 この脂肪酸は約95℃で元の透明な状態に戻るため、再び下のアルミ層が透けて見え、データを消去することができます。

A. Jun Penskeさんから

 それは「リライタブルカード」です。私の会社(半導体メーカー)でも使うようになったので調べてみました(個人的にも疑問に思ってましたし)。
 特定の温度域まで急激に過熱すると……、

・染料タイプ=染料と顕色剤が近接して発色(黒や青)
・相変化タイプ=樹脂層に空隙ができて光が散乱(白く濁る)し、急激に冷却すると、この状態が常温でもキープできます。

 それよりも低い温度域に加熱すると……、
・染料タイプ=顕色剤どうしで凝集するので発色しない
・相変化タイプ=樹脂層の空隙がなくなり透明になる

わけです。私も実際に調べてみて「へぇ〜」でした。

レガシーさん、せいるんさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。