--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.408(2005.01.11)

Q. トンビーさんからの疑問

「2大会振りの優勝」というような表現を放送や新聞などで見聞きしますが、これって前回の優勝は何回前の大会ってことなんでしょうか?
 それから、そもそもこれって正しい日本語なんでしょうか?

そうそう、「〜ぶり」って言葉の使い方は、以前から疑問だったのです。
 「4時間ぶりに救出された」なんて聞くと、
 「おいおい、その人は、4時間前にも救出されたのか?」
 と思ってしまうのです。この感覚は私だけなのでしょうか?(星田)


A. アンギラスさんから

「〜振り」と言う語を広辞苑で調べてみると、
「時間の経過を示す接尾語」
とありました。
 ですから「何大会ぶりの優勝」というのは、「前に、その大会でそのチーム(人)が優勝して以来の」という意味があるのでしょう。
 前々回の大会で優勝していたら「2大会振り」ですので、ご質問の「4大会振り」というのは「4大会前に優勝して以来」ということですね。
「4時間ぶりに救出」というのは、その人が4時間前にも救出されたのではなく、「災害や事故が発生して以来」と前につけるべきところでしょうが、長ったらしいので省略されたものだと思います。
 しかし省略すると前述の使用法と混同されやすいので、NHKのニュースなどでは「『地震発生以来』○○時間振りに……」と略さずに言っていたように記憶しています。

A. なぞなぞすき^^;さんから

「ぶり」
 時間を表す語に付いて、それだけの時間を経過して、再び同じ状態になることを表す。

手元の辞書をひもとくと、
 「時日の過ぎた程度を表す語」
 「時日の過ぎ去った程度など」

 確かに、「〜ぶりに救出」なんていう報道も多いですね。
 この場合は、「〜経過後に以前の無事な状態に戻った」という意味であろうことは理解できます。「〜ぶりに再会できた、救出されて」という意味?
「〜まえ」に誰か救出され「〜にまた」救出されたのなら「〜ぶりに救出」はまったく正しい?ことになります。
 おそらくは「救出作業」が始まってから、「〜に」やっと「救出」された、できた……ということで「〜ぶりに救出」を使ってるんでしょうね。

2大会ぶり
 現大会−2回前に優勝ということでしょう。
 今大会が53回大会なら51回大会でいいんではないかと思います。

「ほか」「しか」の使い方も難しいですが……、はぁ、日本語は何かと悩ましてくれますね^^。

A. Julianさんから

「○大会ぶり」というのは、前の大会から○回経過したことを表します。つまり、○=○です。
 1年に1度づつ開かれるイベントがあるとして「5大会ぶりの栄冠」とあれば、5年前に優勝して、昨年までの4年間(4回)苦杯をなめ、今年悲願の優勝を遂げた、という意味です。「1大会ぶりの優勝」という表現がない(これは「連覇」「V2」などと言います)のを考えれば、ご理解いただけると思います。
 蛇足ですが、単発的に行われる大会などではない、ある状態が続く場合は別です。「1年ぶりに帰国した」という表現は、出国して帰国するまでに1年過ぎた、と文字通りの意味です。星田さんご指摘の「救出」の例も同じです。
 要は「ぶり」を見たら、単純に足し算や引き算をすればよいと思います。
 私の勤める新聞社発行の「用語の手引」(大手新聞社・通信社がそれぞれ発刊、市販されています)には「○年ぶり=○年経過したことを表す」とあります。にもかかわらず、実は日々の新聞編集の現場でも「ぶり」に対して違和感や疑問の声が出ます。
 そもそも、文章のプロであるべき新聞社員が日常的に使う「用語の手引」にわざわざ説明があること一つをみても「ぶり」に対する議論が昔からあったことの証明ではないでしょうか。トンビーさんや星田さんの疑問はもっともです。 ただ、大辞林第二版(三省堂刊)で「ぶり」を引くと
「それだけの時間を経過して、再び同じ状態になる」
という旨の説明があります。ですから、正しい日本語、または一般に認められた用法と言っても差し支えないのではないでしょうか。
 以上は私の職業的な感覚に過ぎません。国語学的なご回答もお聞かせ願いたいものです^^)

菊池さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。