--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.413(2005.01.27)

Q. 蒋龍開発工房さんからの疑問

 この前写真好きの友達と話しているときに、ふと疑問に思いました。
「そういえば、写真のネガってカラーじゃないのに、どうして現像したときにはちゃんと色がついているんだろう」
 その友達に尋ねてみましたが、原理はよくわからないという返事が返ってきました。中にはネガの時点で色のついている特殊なフィルムもあるそうなのですが、そういうフィルムならともかく、どうしてあんなネガから、いろいろな色が現れるのでしょうか?


A. つかささんから

 カラー写真の「ネガ」にもちゃんと色はついていますよ。ただし、通常の色では無く、反転した色になっています。そのため、ネガを直接見ると色が判りにくくなっているのです。ネガから写真へプリントするときに光をあててプリントするために、通常の色とは反対になっているのです(写真で白いところは、プリントのときに光があたらないように、ネガは黒くなっています)。
 ネガに(写真のように)普通の色になっているものは、(通称)リバースフィルムと呼ばれているようです。
 蛇足ですが、写真屋さんでネガをプリントしてもらうときに、焼き方(光のあて具合)で仕上がった写真のイメージがかなり変わりますので、意図的に仕上がりを変えてみるのも面白いです。

A. zaitoさんから

 カラー写真の様々な色は赤緑青(RGB)の3色で表現されています。テレビとかパソコンディスプレイとかと同じです。これはトーマス・ヤングが唱えた色と光の理論を基に加色法や減色法を用いて表現しています。
 では、具体的にはどうやっているのか。
 ここに3枚の黒いフィルムがあります。これらはそれぞれ赤・緑・青にのみ反応し、白くなります。
 たとえば、真っ赤な薔薇を撮影したとします。すると、赤フィルムは花弁が白く他は黒く写り、緑フィルムは茎や葉は白く他は黒く写ります。後はそれぞれのフィルムを着色して重ね合わせればカラー写真の出来上がりという訳です。
 これがいわゆる3色分解撮影という方法で、この発展したものが現在のカラーフィルムでも用いられています。1枚の白黒ネガポジに見えても実は3層構造になっていたりするのです。

A. なぞなぞすき^^;さんから

 フィルムにはネガとポジがあります。ポジは色そのものがでています。ネガは反対の色、補色が現像されています。そのままみると何やらわかりません。
 その前に、写真とは銀塩反応を使って紙の上に像をあらわしたものです。臭化銀が光を受けて還元し銀が析出したものです。この銀の析出は最小0.1ミクロンから1ミクロンという小ささです。この銀の析出が集まった部分と無い部分の集合体、それが像となり写真ができます。
 デジカメと違い、大変分解能の小さいものです。画素数からすると比べようもありません。デジカメは銀塩の解像度に追いつこうとその画素数を増やしてはいますが、銀塩に勝るとも劣らないものはなかなかむずかしいですね。
 この銀塩反応は全ての可視光線に反応します。それではモノクロでしか再現できませんので、カラーの場合、光の三原色の色素を使います。
 沢山ある光もたった3つの光で構成されます。以下の補色関係を使っています。

  光    色素(補色)
 R:赤 ⇔ C:シアン
 G:緑 ⇔ M:マゼンタ
 B:青 ⇔ Y:イエロー

 フィルムには透明のベース上に、光の三原色RGBに反応する3層の感光乳剤が塗られています。
 たとえば、青の光をうけるとします。

 R:色素生成
 G:色素生成
 B:透過

 ネガ上ではこのようにシアンとマゼンタの色素ができてY:黄色に見えます。このとき、フィルムの透過光はR:赤とG:緑の光となり、人間の眼には黄色に見えます。これは光の青の補色です。
 フィルムを見るときは透過光ですが、プリントされたものは反射光を見ます。そこで、印画紙の方ではこのCMYの光を受けると、その色素ができるようになっています。シアンとマゼンタの色素ができると、この色は眼で合成されて青に見えます。
 白い紙の上にインクを重ねて塗ると、だんだん黒に近づきます。塗った黒から黄色の色素を取り出すことができると、青になります。黄色の色素は青を吸収して赤と緑を反射しているので、黄色を抜いて残った色素は青を吸収しないで青を反射するからです。色を抜いていくので、減法混色といいます。つまり補色の補色がプリントされることになります。
 スライド写真フィルムのようにポジだといいんですが、保存の関係でやはりネガが有利なようです。
 プリンタでは補色のCMYのインク色でドットをプリントしてカラー画像を作ることになります。むずかしいですね^^;
 ちなみに補色は残像としてみることができます。じっとある色を見つめ続けると、違う色の残像が一瞬みえます。これは脳が疲れて、補色を見ることで、休めているようです^^実際、例えば、じっと赤いものを見つづけていると、視線を動かした時、薄い青色のような緑のようなものが見えます。「補色残像」といいます。

麻生有美さんから下記のサイトを教えていただきました。
 キリヤ化学 研究部さまからURL掲載のご承諾を得ています。
 御協力ありがとうございました。
 大変分かりやすいページでした。
 http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q23.html