Q. うっきーさんからの疑問
ひと昔、テーブルマナーとして教えてもらったマナーの中で、どうしてもツッコミを入れたくなるものがあります。それと言うのは……、
「ライス(お米)は、フォークの背中にのせて食べること」
です。食べにくいったらありゃしない!
最近、レストランとかにいっても、そのような食べ方をしている人を、見たことがありません。私が知らない超高級レストランは違うのかな……。
そこで疑問が浮かびました。
フォークの背中にライスをのせて食べることがマナーだと言い始めた人(日本に伝えた人、広めた人)は誰なのか知りたいです。
またそもそもそれは本当に正しいマナーなのかどうかも教えてください。
★ところが、この「マナー?」に既に慣れてしまった私は、背に乗せた方が食べやすいのです。今さら、マナーじゃないんだと言われてもなぁ(星田)
A. 凸ぽんさんから
誰が言い始めたのかは知りませんが、フォークの先がとがっているので、それを上に向けて口に入れるのは危ないというのが理由らしいですね。
おっしゃる通り日本だけの風習らしいですが。
A. jacopoさんから
西洋風てのが上流階級にはやりだした明治初期(?)、そして一般庶民もなじむようになった中後期〜大正時代のお話ではないでしょうか。
衣食住のうち、住は依然として上流階級だけのものだったみたいですが、衣食はけっこう普及したんではありませんか?
そこで,当時の人たちの[素朴な疑問]です。
「フォークはどう使うのがマナーなの?」
普通、料理を突き刺して口まで運ぶので
人間工学的(?)に言っても
あのように(刺す方を下に)使うのが便利です.
この使い方をご飯にも適用して広めちゃった西洋料理/マナー研究家みたいなヤツが
あの時代
絶対いたはずだ! こいつがトンチンカンの張本人にマチガイナイ!
昔からこんな使い方オカシイと感じていたので、ありとあらゆるジャンルの映画の食事シーンをチェックしました.
結論。突き刺すのではなく、フォークになにかをのせて食べる例は極少でしたが、ないわけではない.そん時ゃやっぱり上向きです.
オマケ。あるロシア映画での食事のシーン。親は上流を気取ってみたいんだが、子どもはそんなことおかまいなし。なんとも不躾な、つまり普段の(日常の)使い方しかできないという。そこで親は子どもをたしなめる。すると、招待された庶民タイプのヒロインは、マナーを知らないので恥をかきたくない。なので、「さっき食事すませてきたばかりなんです」と逃げてしまうのでした。
オマケ2。アメリカ庶民って なんでもパンに挟んで食べるんだなーの感想の裏返しで、日本人ってなんでもご飯に乗っけて食べるのが好きなんだ、とあらためて知りました。
A. Yoshyさんから
ナイフとフォークを使う国では、「ライス」は野菜扱いになるだろうから、ナイフの背に乗せると言うことにしたと聞きました。では、正式にはどうかと、よ〜く聞いてみたら、そういうテーブルマナーがあるところの「正式な食事」には「ライス」は無いということでした。
就職したての30年ほど前、安月給ながら、ハイソサエティーに入り込むのだと粋がっていたときの話です。
会社の同僚と、田舎の高級レストラン(都会では中級レストラン?)に行き、お箸のない状況で、ディナーを食べたことがありました。そのときに、「ライス」は果たして、フォークの背に乗せるのか、すくうのかと言う議論になり(単純に聞けば良かったのですが……)、レストランにいちばん慣れている人の答えが冒頭の通りでした。
ただ、それから何年かして、レストランのマナーに関して、複数のテレビ番組で紹介があり、それが、本当に正しいことを知りました。しかし、その番組でも、シェフは、
「ただし、正式なディナーにはライスはございませんので、正式なライスの食べ方もございません」
と言うことでした。
これも、20年ほど前の話ですので、「ディナー=フランス料理」の時代のことです。
あれから、日本食も、世界的に認知され、ひょっとしたら、ライスもディナーに出ているのかもしれませんね。
確か、グリンピースも背に乗せたはずです。ただ、正式なマナーの指導を受けていないため、正確な情報かはわかりません。なにしろ、高級レストランより場末の「食事処」が似合う身になって久しくなっておりますので、そういうマナーに疎くなっております。
A. ブツさんから
質問の答えにはなりませんが、やや関連する英文を読んだことがあるので、うろ覚えですが、報告します。
ヨーロッパでは、常に左手でフォーク、右手でナイフを持ち、食べる度にナイフで肉を切りそれを左手のフォークで口へ運ぶ。アメリカでは、最初は同じように持ち、まず切り、次に切り、またまた切る。全て切り終わると、ナイフは置き、フォークを持ち替えて右手で口に運ぶというのです。
だいたいアメリカ人は野暮でヨーロッパ人は洗練されているというステレオタイプがあります(ありました)。明治以来の日本人は、小笠原流を捨てヨーロッパにマナーの範を求めた。ところが、敗戦後は奔流の如きアメリカ文化に圧倒される。その結果、戦前生まれの親を持つ団塊世代まではヨーロッパ風マナーを教えられ、団塊ジュニア世代以降はどっぷりアメリカ型に浸かっているというところではないでしょうか。
私の親は団塊世代の少し上ですが、私が小学生の頃の結婚式か何かでの食事風景を思い出しますと、両親はサーカス式でライスを食べていました。祖父母、おじ・おば達も同様でした。私自身はそれをまねしようとして、「子どもは無理せんでいい」と伯父に言われて以来、左手は遊ばせておき、右手でフォークを持ち、製作者の意図通りの面を上にして食べています。
もっともそれもせいぜい中学ぐらいまでで、それ以後はレストランでも箸を持ってきてもらって箸で食べています。もっともそれもせいぜい大学ぐらいまでで、以後は皿に載ったライスは食べず、茶碗の米だけを食べています。もっともそれも30歳ぐらいまでで、それ以後は発酵させていない米にはあまり縁がありません。
A. ざーさんから
答えになるかどうか分かりませんが、私の知り合いの英国在住のウェールズ人とスコットランド人は、豆はつぶしてフォークの背に乗せるし、ポテトサラダもフォークの背に乗せて食べます。楽しそうに、実に丁寧に、そしてきれいにフォークの背に盛り付けます。
どうして、そうするのか訊ねたことがありますが、首を傾げて、
「こういう風にするものだから」
と答えました
炊いたご飯は食べたことがないそうです。おそらくご飯が出たら同じようにするのでしょう。
A. keiさんから
今、たまたまアメリカに出張に来てまして、気がつきました。
アメリカのライスはジャポニカではありません。パラパラしていて、いつものようにフォークの背に乗せようとしても、ぽろぽろ落っこちて、うまくいきません。これは多分ヨーロッパでも同じかなと思います。
インディカ米では、フォークの背にライスを乗せるのは、考えられないのです。日本だから、できた「技」と思います。
A. ひろおさんから
正式ライスの食べ方について疑問に思い、天皇主催の仏国大統領歓迎晩餐会ではどうするのかと聞いたことがあります。
回答が出ていたように、正式なフランス料理にライスは出ませんでした。ですから「正式でないものに正式マナーは無い」というのが正しいと思います。
ずいぶん昔で10年以上もっと前ですが、宮内庁へ電話して晩餐会の料理担当の係の方へ電話を回してもらって回答を得ました。
A. くやっちさんから
これは、私の友人が調理師学校に行っているときに、彼が先生から聞いたというものです。
まず、誰かに関しては不明ですが、昔、外国へ渡航した人ということです。滞在中の食事のとき、外国人から「日本人は器用だ」という話題になり、渡航した日本人は、
「私は食べ辛いフォークの後ろでライスが食べることができる」
と言って、フォークの裏で食べたようです(その外国にライスがあったかは不明)。それを外国人が皮肉にほめたことを、日本人が「ほめられた」と思い、国内に伝えたのが始まりと聞きました。
信憑性はいまひとつですが、私が海外へ行ったときも外国の方はフォークを右手に持ち替えて、すくい易いフォークの内側を使っていました。
ちなみに、調理師学校の先生は、
「本当のマナーは食べやすい食べ方で、楽しく食べること」
とおっしゃってたと聞きました。
A. MMPAPAさんから
みなさんの回答を見ていて思い出しました。
日本での上流世界での洋食の始まりといえば鹿鳴館ですが、一般大衆に洋食を広めたのは海軍の影響が大きいと言われています。海軍では下士官クラスにいたるまで、昼食は洋食でした。
日本海軍はその成り立ちから英国海軍を手本にしたため、洋食マナーも基本は英国流とされていました。その他に、海軍の造船所で働くベテラン職工たちを大量に欧州に留学させて、造船技術を磨きにかけました。この人たちにも留学前に徹底的に英国マナーを叩き込んだといわれています。
こういった人々の影響が、日本で洋食にご飯を出したときにフォークの背中に載せるという流儀が出てきたと思います。
なお、海軍のこの辺の事情については、「軍艦長門の生涯」(阿川弘之)に詳しいです。
A. bostonian4さんから
今、アメリカに住んでいます。
こちらで、アメリカ人がフォークの背にライスを乗せて食べているのを一度見たことがあります。逆にびっくりしました。上手でしたよ。
★通りすがりさん、ノリオさん、りえさん、麻生有美さん、tumiさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
★むずかしい疑問だったようで、結局、「誰が伝えたのか?」「誰が広めたのか?」というのがわかりません。引き続き、回答を募集します。(星田)
A.現在、調査中です。情報ください。 [メール]
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