Q. かつおさんからの疑問
私の友人に、
「プランクトンというのは、大きい小さいは関係ないんだ」
と言い張る人がいます。
「だったら、『大きなプランクトン』ってどれくらいなの?」
と尋ねると、50cmを越えるようなプランクトンもいるというのです。どんなプランクトンか見てみたいものですが……。
そんな大きなプランクトンが存在するなら、それはそれでいいのです。でも、私の想像するプランクトンはやっと見えるか見えないかぐらいのサイズです。
そこで、クジラのことが気になって……。
クジラって、プランクトンを食べるんですよね? クジラの食べているプランクトンってどんなものですか? そんなのでおなかがいっぱいになるのでしょうか?
★広辞苑にはプランクトンについて「水中に浮遊して生活する生物の群集、あるいはその生物の総称」とあります。確かに、大小についての記述はありません。(星田)
A. ゴトゴトさんから
お米を食べることと同じと思います。
一粒、二粒では腹の足しにはなりません。同様に、一口、二口でも足りません。量を食べるからお腹いっぱいになると思います。
A. ともやさんから
小さいものでもたくさん食べればおなかいっぱいになるでしょう。単にそれだけ。
コクゾウムシさんも言ってましたよ。
「おまえら日本人はわしらよりでかいくせして、わしらと同じもん食ってるねんな。ちまちました米粒で腹一杯になるんか?」
★なるほどね。
A. 通りすがりさんから
鯨は魚を食べていますよ。
プランクトンも食べますが、魚やイカなども食べてますよ。
調査捕鯨で盛んにクジラを捕って研究して頂きたいですね。
A. ルチアーノ・パパクニさんから
プランクトンを食べるのは、ヒゲクジラ類ですが、その多くは10メートル超の大型のクジラです。腹いっぱいになるかどうかは、クジラにしか分からないことですが、これら大型のクジラがかなりの時間を摂食に費やしているのは事実なようです。ひっくり返せば、それだけしないと腹いっぱいにならないのかもしれません。
また(彼らが食べている)プランクトンはかなり小さなもので、せいぜいミリ単位のサイズです。ヒゲクジラは、歯の変わりにはえているヒゲでプランクトンを濾しとって食べ続けています。
さて、大きなクジラがプランクトンなんかでお腹いっぱいになるのかという疑問したが、むしろプランクトンを食べていることが、クジラの大型化をもたらしているようにも思われます。
進化の過程で見ると、初期のクジラ類(原始クジラ亜目)は陸上肉食動物由来なので、みな歯を有しています。その後、この原始クジラ亜目は消滅し、先に現在のハクジラ亜目の祖先が出現し、遅れてヒゲクジラ亜目が出現しています。
現在のハクジラ亜目の中ではマッコウクジラのように10m超のものもありますが、その他は10m以下のものやイルカと呼ばれる小型のものになります。一方、ヒゲクジラ亜目はナガスクジラ類を筆頭に大型のものが多いです。
すなわち、ハクジラのように、魚、イカ、他の海獣を食べるより、ヒゲクジラのようにプランクトンを食べている方が、食糧確保という点で有利であり、その結果大型化できたのかもしれません。
恐竜では、カミナリ竜類(ブラキオサウルスなど)など大型のものは草食であり、現存哺乳類でも、ゾウ、キリンなどの大型のものは草食です。動く獲物を追いかけるタイプのものはどうしても大型化は不向きなのかもしれません。この草食に相当することが、海ではプランクトン食(必ずしも植物ではありませんが)なのかもしれません。
A. Picorinoさんから
鯨は「ハクジラ」と「ヒゲクジラ」に分けられます。そのうち、ヒゲクジラが食料とするものがプランクトンです。
クジラのなかで最も大きくなるのがヒゲクジラの仲間「シロナガスクジラ」で、「オキアミ」というエビのように見えるプランクトンが主食です。水と一緒にプランクトンを口いっぱいに吸い込み、口の上下にある櫛状の歯(これをひげと称する)の隙間から水だけを吐き出し、残ったプランクトンを食べます。おきあみは乾燥して人間の食料としても売られています。
ちなみに、ハクジラのなかで大きいのが「マッコウクジラ」で、深海に住む巨大なイカなどを食べます。
A. ひいろさんから
実は、プランクトンには、「小さな生物」という意味はありません。
水中生物は大きくわけて、「ネクトン」「プランクトン」「ベントス」の3つに大別できます。
「ネクトン」は、「遊泳生物」のことで、自力で泳ぐ能力を持っている生物を指します。大部分の魚類、クジラやイルカ、ウミガメなどがここに含まれます。
「ベントス」は、「底生生物」のことで、海底を這うように泳ぐ魚類、貝類、海藻、サンゴ、イソギンチャクなどが含まれます。
最後に「プランクトン」ですが、これは「浮遊生物」とも言い、自力で泳ぐことができない、もしくは極めて泳ぐ力が小さく、水中で漂うことしか出来ない生物のことです。プランクトンという言葉自体、もともと「浮浪者」という意味があるそうです。
通常思い浮かべるミジンコやゾウリムシのような微生物以外に、藻、魚や貝などの卵や幼生なども含みます。
驚くことに、実はクラゲもプランクトンに含まれます。
そのためプランクトンかどうかは、体の大きさではなく、海流や波に逆らって泳ぐ能力があるかどうかで決まります。
クジラは普通、いわゆるプランクトンに属するオキアミを主に食べていると言われますが、クジラは水を飲み込んで、水だけをヒゲの間から濾して、残りを丸呑みにしますから、おそらく飲み込むのはプランクトンだけということでもないのでしょうね。
また、胃袋を満杯になるまで食べるというよりは、生きていくのに必要な栄養を取れれるだけの量だけ食べるというものだと思います。
ちなみに満腹を感じるというのは、胃が
「いっぱいになったから、もう食べ物を入れないで」
という信号を脳に送るからではなく、脳から「満足した」という信号が発せられて、満腹になったと感じます。これは人間での話ですが、クジラでもそんなに違わないのではと思います。
A. moon-jellyさんから
『広辞苑』の記述通り、プランクトンの定義は水中に浮遊して生活する生物の総称なので、御友人の仰るように、大きい小さいは関係ありません。
ですから、クラゲやサルパやウミタルなども立派なプランクトンになります。
バルチック海などの寒い地域に生息するキタユウレイクラゲは、傘の直径が2.5mを超え、長さは40mにもなるようです。つまり全長はシロナガスクジラよりも長いわけで、ある意味、地球最大の生物とも言えますよね!
ちなみに北海道にもキタユウレイクラゲは居ますが、こちらは傘径30cm程度です。日本近海では傘径2mのエチゼンクラゲが最大です。
★kuDさん、ともひろさん、あんちんさん、つかささん、ともやさん、たっちゅ♪さん、BELLさん、ゆきおさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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