Q. やまとさんからの疑問
英語の辞書に書かれている発音記号って、それぞれに呼び名があるんでしょうか?
aとeがくっついたような記号「æ」や、nでもgでもない記号など。アルファベットでもギリシア文字でもない記号がありますが、あれにも名前がついてるんでしょうか?
気になるので教えてください。
★たとえば、英語の「a」については、発音が何通りも存在します。
その点、aとeがくっついたような記号については、発音が1通りしかないわけですから、「読み」=「名称」としても、問題ないと思うのです。
しかし、詳しい人に聞いてみたいですね。(星田)
A.
こみゃんさんから
「a」+「e」をくっつけたような発音記号は、「アッシ(ash)」っていいます。
他には「inverted v」「epsilon」「reversed epsilon」「open o」「o-e ligature」「slashed o」「schwa」「right-hook schwa」
とか書いてある文字の読み方がありますが、きちんと発音できれば、それがいちばんわかりやすい読み方なんでしょう。
A.
うにうにさんから
あります。「アッシュ(ash)」といいます。
他に、nの右下が筆記体のgのように下がった文字は、「エング(eng)」、∫は「エッシュ(esh)、zの最後が数字の3のように丸まった文字は、「ヨッホ(yogh)」、eを逆さまにした曖昧母音を表す文字は「シュワー(schwa)」などといいます。
アッシュやヨッホは、昔の英語では実際にアルファベットとして使われていたので、その名前をそのまま使っています。
エングはエン(n)の文字の最後がgのようになったから、そのまま“eng”と命名されたのでしょう。
エッシュは、
s→発音記号としては「ス」の音
アルファベットの名前は「エス」
∫→発音記号としては「シュ」の音
だからアルファベットの名前は「エシュ」
にしようということでしょう。
こんにち、世界で最も広く使われている発音記号は、国際音声字母(IPA)といい、国際音声学協会が制定していますが、これにはそれぞれの記号の正式名称は定められていません。しかし、上で述べたような、よく出てくる文字については、何となくよく使われる呼び方が決まってきます。
中でも、1986年にGeoffrey K. Pullum(ジェフリー・K・プラム)とWilliam
A. Ladusaw(ウィリアム・A・ラデュサー)の二人は、IPAに含まれるすべての記号を網羅し、さらにIPAではないけれどもよく使われている記号を加えた、『Phonetic Symbol Guide』という本を書き(1996年に改訂版を発行)、その中ですべての記号に名前を付けました。それ以降、この本における呼び名がほぼ標準的な名称として使われることが多いですね。
この本は、日本語訳が三省堂から『世界音声記号辞典』という題で、2003年に出ています。
★麻生有美さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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