--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.440(2005.05.17)

Q. こんちゃんからの疑問

 渡り鳥ってのが、わけがわかりません。
 春になると、ツバメがやって来ますが、彼らは冬の寒い間は南の方で過ごして、暖かい春になると、また戻ってくる――なんて、子ども向けの本には説明してありますよね。
 私、小さい頃からあれが納得できなかったのです。だって、春になったからって言っても、わざわざ遠いところから飛んでこなくても、そのままそこに住めばいいのです。どうして、みんな、こんないい加減な説明で納得するのでしょう? そちらの方も、疑問です。
 では、改めまして、
ツバメをはじめとする渡り鳥は、どうしてわざわざ渡ってくるのでしょうか? 生まれ故郷がそんなにいいのでしょうか?

前回に続いてのツバメ関連ですが、すばらしい疑問だと思います。何か必ず、理由があるはずです。子育てには、南は厳しいのかな?(星田)


A. やまおさんから

 人間は寒暖の差に対して、衣服・食べ物・住居・その他で工夫します。
 たとえば、夏はTシャツを着てアイスクリームを食べる。部屋は冷房し、プールへ行ったりします。冬はオーバーコートを着たりマフラーをする。部屋は暖房し、食べ物も鍋をつついたりします。また、風呂に入って体を温めます。
 しかし、ツバメは寒暖の差に対して、人間のように工夫できません。しかたなく渡り鳥になって、過ごしやすいところへ飛んでいくのです。

A. ともやさんから

 南は暑くウイルス、菌あるいは寄生虫などの活動も活発で子育てしにくいのでしょう。それに暑いとイライラして幼児虐待なんかもあるからかも。
 渡り鳥の世界も文明化されて、「子育て用巣エアコン完備」なんてのが出回るようになれば、渡り組と滞在組に分かれるかもしれませんね。

A. 賢さんから

 調べたわけではありませんが……。
 まず、いつか読んだ本によると、
「氷河期に季節によって氷に包まれる範囲が南北に動くので、それにあわせて南北に移動しているうちに、氷河期が終わっても名残が残った」
と書いてあったと記憶しています。
 原因についてはいいとして、これでは確かにずっと南に住まない理由にはなっていません。ここからは僕の推測になります。
 たとえば、渡り鳥にとって最も快適な気温が15℃だとします。北国は冬が0℃、夏が15℃だとします。南国は冬が15℃、夏が30℃だとします。
 冬が過ごしやすいからといって南国に住み着いてしまっては、今度は夏の暑さが辛いです。つまり、
「冬は北国の寒さを避けるために南に渡り、夏は南国の暑さを避けるために北に渡る」
のではないかと……。
 みんな、子ども心に「南の夏は暑いから戻ってくるんだな」と納得しているのではないでしょうか。

A. しげ3さんから

 食べ物に旬や取れる場所に条件があるように、気温、環境によっては必要なエネルギーを確保することがむずかしくなります(食べ物がすくなくなる)。
そのため、移動を行い食料の確保に努めるわけです。
 子育てや産卵のみを考えた場合、外敵がすくなく、子供の生き延びる確率が高い場所を選択して移動するとおもわれます。子育てを行う場合、通常より多くのエネルギーが必要になりますから(餌が豊富な場所)。

A. Pすけさんから

 推測の域を出ることはできないのですが、生殖活動と光周性に関係するのではないかと思うのですがどうでしょうか?
 多くの鳥の生殖活動は(ホルモン分泌が関与すると推定される)春に行われる。つまり鳥類の生殖活動は、一般に日の長さが長くなっていくときに活発になっていく(長日性を持つ)のではないだろうか。
 さて、低緯度にいくほど年間を通してあまり日の長さが変わらなくなる。ここで、もし生殖活動に極端な長日性を必要とする鳥がいると仮定すると、その鳥は低緯度地域にいたままでは生殖を行って子孫を作ることができない。だが、地球の地軸は傾いているため、夏において、高緯度地域に行けば行くほど日の長さは長くなることになる。高緯度地域では、極端な長日性を持つ鳥であっても生殖活動が可能にすることができる。よって、それらの鳥が子孫を維持していくためには夏は極端に日の長くなる高緯度地域へ渡らざるを得ない。
 しかし、得てしてそういう高緯度地域の冬は極めて厳しい。高緯度地域の厳しい冬を越す能力を持たない鳥は、冬の間は、暖かく比較的簡単に餌を確保できる低緯度地域に移動しなくてはいけなくなる。
 これが、私の考えた渡りを行う理由である。
(逆に、渡りをすることのない留鳥と呼ばれるものはその地域の日の長さの変化の中で生殖活動を開始する能力があるのではなかろうか? あるいは日の長さ以外の要因によって生殖活動を開始するのかもしれない。)
 これ以外にも、餌を追いかけて大洋を移動する回遊魚のような理由もあるかもしれません。
 また、キョクアジサシのようにほぼ北極圏から南極圏まで渡りを行う鳥には、摘要できないような気がします。
 これらはあくまで状況証拠からの推測にすぎないので、専門家の方(特に鳥類の生理学を研究している方)からの説明があればありがたいですね。

A. IronHeartさんから

 ずっと南にいればいいのになぜツバメが帰ってくるかですが、この話題を小学校か中学校のときに国語の教科書で取り上げられているのを見たことがあります。
 そこに書いてあったことによると、「故郷が恋しい」からだそうです。
 たとえ困難であっても、生まれた故郷に帰ってくるように生まれつき摺りこまれているらしいです。
 ツバメはロマンがありますね。

舞武さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。