Q. あんころさんからの疑問
春休みに生まれて初めてパリに行きました。
パリってどうしてあんなに美術館が多いのでしょう。ルーブルもよかったけど、オルセーやオランジュリーも大好きになりました。
こんな名画が日本でも見ることができたらと思いますが、たまに名画がやってくることがありますよね?
人類の文化遺産といってもいいクラスの名画を運ぶのって、どうやっているのでしょうか? きっと、大変だろうと思います。
梱包の仕方、運び方、セキュリティ、費用、その当たりのこと、一部でも知りたいなと思っています。こんなの疑問とは言えないかもしれませんが、よろ
しくおねがいします。
★私も行きました! また、行きたい!(星田)
A. 黒男さんから
先日、某テレビ番組でモナリザが来日したときのことをやっていました。
うろ覚えですが、モナリザ専用の輸送機があり、数名の人間しか乗れず、専用の搬送コンテナ(たとえ輸送機が大破しても壊れず、海上においても浮力を有していて必ず回収可能)に保管されてやってきたそうです。
それを考えるとかなりの費用がかかると思います。
A. picorinoさんから
名画だけでなく骨董的な価値の高いものの運搬には、多くの問題があります。
温度や湿度の変化は大きな悪影響があり、これを維持できるような梱包が必要です。ベストは、密封されたコンテナです。
振動も大敵です。古い絵画は表面がひび割れています。梱包の際に曲げ応力がかかったり、輸送中に振動や衝撃があると、剥落するおそれがあります。繊細な構造の彫刻なども同様です。
飛行機で運ぶ際、輸送中にかかったG(荷重倍数)を記録する装置をつけて、乱気流や離着陸時にかかった荷重を監視することもあります。このような制約がされると、航空会社は操縦者を指定することもあるらしい。
そして大きさの問題。これらの問題を解決できるように梱包すると、結構大きくなってしまいます。クレーンやフォークリフトが必要なほどになることは珍しくない。
当然ながら高価なものは盗難対策が必要です。ものによっては警備員だけでなく、警察が配備されることは珍しくありません。そして、所有する美術館のキューレーターが、出発から到着まで移動の全てにわたって付き添います。地球の裏側まででも、完全密着の彼らはたいへんです。
また、多くの美術品を同じ便で運ぶと、トラブルがあったら全滅になりますから、いくつかに分けて運ぶというのも、コストアップになりますがやむを得ないことですね。
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