--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.442(2005.05.24)

Q. ぽろんさんからの疑問

 疑問というより、みなさんのご意見を聞きたいのです。
 最近、「歩車分離式」の交差点が増えてきています。信号機の下に「歩車分離式」とか書いてあります。
 車を運転していて、「さあ行くぞ〜」って思っていたら、黄色。そして、赤になってやむなく停止。青信号になるのを待ちます。
 左右に流れている車の行き来が終わって、「さあ、青だ!」と思ったら、なかなか青にならない。よく見たら、歩行者用の信号だけが青になっている。歩行者用の信号が赤になって、ようやく自分が進むべき方向の信号が青になるという仕組みです。
 なかなか青にならないので、イライラしてきます。もともと渋滞の激しい交差点にこんな信号機を付けられたら、なかなか交差点を通過できません。
 たしかに、歩行者と自動車を分けることで、歩行者と自動車の事故は減るかもしれません。そういう狙いがあるのだろうと思います。
 しかし、本当にそうでしょうか? 歩行者も自動車も、今まで以上に「待ち時間」が長くなります。イライラは事故の元です。イライラによる事故が増えるような気がして心配です。みなさんはどのように考えますか?

だったら、横断歩道はスクランブルにすればいいのに……。歩く側にしても、面倒な場合もあります。
「ご意見をください」ということですから、たくさんのご意見をお待ちしています。また、「こんなデータがある」というのも待っています。(星田)


A. シルバーフォックスさんから

 分離型信号のメリットは2つあります。交通事故の現象と渋滞の解消です。
 左折する車と歩行者との事故は意外と多いのが現状です。歩行者信号が青でも歩行者安心して横断できません。分離型の信号なら、安心して歩行者は横断できます。
 渋滞は左折したい車と、横断する歩行者によって発生することがあります。一見、渋滞が起こりやすいように見えますが分離型の信号にすることによって渋滞が解消されたことが、確認されていることも事実です。
 歩行者にも、車にも安心できるのが分離型信号です。

A. 舞武さんから

 歩行者と自動車を分離するということは、自動車と歩行者の接触事故を減らそうということなんでしょう。
 簡単に調べてみたところ、自動車同士の接触事故で最も多いものが追突で、割合は3割強。原因は気の緩みだそうで、これは死亡事故にはつながりがたいそうです。
 人間と自動車との接触事故で最も多い事故が、実は横断歩道上で、原因が歩行者の無茶な横断。割合は実に6割で、これは簡単に死亡事故につながります。
 車対車と車対人の死者数は、どちらも月に300強の人数です。したがって、確率的に言って、運転者よりも歩行者をどうにかすることを優先した方が良いのではないでしょうか。
 死亡事故を起こしてしまった場合、運転者がいかに安全に気を配っており、歩行者に全面的に責任があったとしても、運転者が過失致死(業務上過失致死)で裁かれることを免れるのは難しいでしょう。それを考えれば、運転者にもメリットの有るシステムだとは思います。
 確かに、待ち時間は少し面倒に感じるかもしれませんが、慣れの問題かもしれません。

「横方向の信号が赤になった→じゃあこっちの信号が青になる」

という認識があるから長く感じるのであって、

「歩行者の信号が赤になった→じゃあこっちの信号が青になる」

という認識に改められれば、特に問題は無いんじゃないかと……。
 実際、4車線以上ある道路が多い地域(東京、名古屋など)は、歩行者の信号が終わったと思ったら、次は縦横の道路の左折専用、次に横方向道路の直進と左折専用、横方向の右折専用を経て、ようやく縦方向の直進と左折専用、縦方向の右折専用、歩行者……といった感じで、信号が変化する回数は半端じゃありません。が、その道路をよく利用する方たちはそれが普通ですから。
 スクランブル交差点は、自動車ではなく自転車が問題になるのでは……。大量に斜め横断するような場所だとかなり危険になるのでではないでしょうか。歩行者……特に老人や足の不自由な方に対しては親切とは言えないかも知れません。場所を慎重に選ぶ必要があると思います。

A. Mr.Qさんから

 近所の交差点ですが、歩車分離式にしてから渋滞が解消しました。私も最初は、「渋滞がひどくなるのでは」と思っていましたが……。
 その原因ですが、いたって簡単です。今まで右左折車は、信号が青でも歩行者が途切れるまで、右左折できません。そして歩行者が途切れるのは、大抵、信号が赤に変わる直前です。つまり右左折車には、実際に右左折できる時間は、ごく短時間しかないわけです。
 これが歩車分離したことにより、車は曲がりたいとき、確実に曲がれるようになり、その結果、流れがスムーズになって渋滞が解消しました。

私は、車を運転中に信号を見るときには、歩行者用信号もついてでに見ていた――ということに最近気がつきました。
 歩車分離式の交差点の交差点では、自動車用の信号が青のときは、当然ですが、歩行者用信号は赤です。
 これ、ドキッとするんですよ。
「歩行者用信号が赤だということは、もうすぐ自動車用信号は黄、赤になる! いやだなぁ。あ、待てよ、ここは、歩車分離式だ」
 みなさん、そんなことないですか?(星田)

A. kuDさんから

 私が住んでいるところの近くにも「歩車分離式」があります。一般の交差点で慣れているので、普段目に付くのはデメリットばかりですが……。
(自分が知っている交差点での)メリットをあえて考えるとすると、

・小学校が近くにあるので、通学時間帯はある程度安全メリットが出ると思う。
・通学時間帯等で、歩行者により右左折が出来ず発生する渋滞を回避できる
 (対面通行なので)。

デメリットは、

・覚えないといけない。「ここの信号は分離だ」と。
・覚えるまでは、フライングスタートしてしまう。
・遠くから見ると、自分が進む信号が青でも歩行者信号が赤なので、「車用が黄色・赤に変わるまでに通過しよう」と普通の信号のように勘違いして、アクセルを踏み危険度が上がる。
・分離式と知らない車がフライングしてぶつけられたり、クラクション鳴らされたりという可能性がある。

 押しボタン式歩車分離交差点ならスムーズに運用できるところがあるかも。

A. ポポンさんから

 歩車分離式のほうが事故が少ないのは確かでしょう。歩行者の左折巻き込み事故、右折時の歩道上の事故が起こるはずがないんですから……(信号無視なんかすれば別ですが、通常信号でも信号無視すれば事故は起きます)。
 この「事故の起こるはずがない方式」と「イライラで事故が増えるかも」というのを比較するのは無理があると思いますよ。
 正直、イライラで事故が増えるなんて言う人に車を運転してほしくありませんが……。
 ぽろんさんは車側からしか見ていないので、仕方ないのかもしれません。一度、歩行者側から考えて見たらどうでしょう?
 歩行者として考えると、車は横断歩道を交差して右折・左折するので、非常に危険で怖い場所が多くあります。それでいて、歩行者信号は青の時間が短いですからね。
 ということで、待ち時間が長くなっても、車が交差せずに確実に横断できるので、歩行者側には優れた方式だと思います。
 車側から見ても、始めに書きましたが「歩行者絡みの事故の起こりようがない」ので、こちらからもまた優れた方式だと思います。
 かと言って、どこでも歩車分離式がいいとは言いません。
 車の量と歩行者の量や、自動車運搬におけるその道路の重要性、歩行者の安全性などを比較・総合考量しなければ……。

A. 中村慎一さんから

 歩車分離式信号が、近所にあるので、その実態をお伝えします。
 私の近所の小学校の近くに「歩車分離式信号」が設置されました。通常の信号との外見の差異は殆どなく、信号機の横に地名看板と同じような形式とサイズで「歩車分離式信号」と書かれているだけです。
 設置後の実態は、「信号無視多発交差点」となってしまいました。
 どうも、ドライバーは、車両用信号よりも歩行者用信号を見ているようで、歩行者用信号が青になると、車両用が赤でも発進してしまいます。ときどき通るときだけでも、そのような事態を目撃するので、1日に信号無視している車両数はかなりの数になると思います。
 今のところ事故は起きていませんが、それは歩行者が「ここは危ない」と学習して気をつけているせいだと思います。私も、この交差点を歩いてわたるときは、左右を見回して車を信用していません。
 仕組みは間違っていないのでしょうが、「机上の理論」と「実態」がこれほど乖離したものを現代に実用化するのは、珍しいのではないでしょうか?
 分離するのは賛成です。でも、明らかに他の交差点とは違う交差点だと誰もが気づく「仕掛け」が抜け落ちています。
 警察は、成功例として普及したいようですが、半日でもいから交差点の様子を付近から観察すれば、現状では危険とスグにわかると思うのですが……。

黒男さん、レガシーさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。