Q. 熱帯魚さんからの疑問
深海の魚って、すごい水圧の中で生きていますよね。どうして、すごい水圧の中でも生きていけるのか? そういう疑問に対する答えは、何度か読んだことがあります。でも、頭では理解で競うでも、感覚としては理解できないのです。
今回お聞きしたい疑問は、水族館で飼われている深海魚です。
水族館では、どうやって水圧を作り出しているのでしょうか? 彼らが生息しているところとほぼ同じ水圧にしないと、彼らは生きていけないですよね?
★なるほど。考えたことのなかった疑問です。何かで水を押しているのかな?(星田)
A. 雪風さんから
深海魚の飼育方法ですが、確か特別に圧力をかけていないはずです。以前、東京の葛西臨海水族園の深海魚コーナーでそんな説明があったと思います。
卵か幼生のときに低い水圧で飼育すれば、そのまま適応できてしまうのだと思います。
A. 麻生有美さんから
深海魚が、深海でしか住めないと思うのが、間違っています、
徐々に圧力を減らしていくと、普通の水槽でも、飼えるようになります。
★なるほど。「低圧に慣らす」わけだ。(星田)
A. しげ3さんから
ほとんどの場合、その水槽の水深分の水圧です。
人間が水にもぐった場合、水圧の関係上、一気に上がれません。これは、血液中に溶けた気体成分が大きくなってしまうためで、徐々に上がれば問題はありません。
同様に、魚も、急激に水圧の高い深海から引き上げれば、浮き袋が大きくなってしまいますが、徐々に上がればそれほどの問題はありません。
水族館の深海魚は深海で採取されれば、徐々に水圧を下げ、そうでない場合は、水面近くまで来た時点で、水圧対応ができています。
そのため、特に水槽で水圧を高める必要はありません。ただし、深海での行動等を調べる場合には高い水圧をかける場合があるようです。
A. 鰻田社会科雄さんから
深海というのは、だいたい200m以上の深さの海のことを言います。
海の中では、およそ10m潜るごとに1気圧と同じ分の圧力(水圧)が増加します。つまり、200mの深海では21気圧の圧力がかかっているわけですね。
私達の周囲にあるプロパンガスのボンベで、およそ8気圧くらいです。ですから、200mの深海と同じ圧力を水族館の水槽で作り出すには、ガスボンベの3倍の圧力をかけなければなりません。
ましてや、1000mの深海の圧力を再現するとなると、101気圧の高圧ボンベと同じ圧力をかけなければなりません。
さて、丸い金属の円筒に高圧ガスを封入することでさえ、簡単ではありません。まして、いかに技術が向上し厚い頑丈なアクリルボードでできているとは言いながらも、水槽にそんな高圧がかけられるでしょうか?
仮に可能だとしましょう。厳重に密閉しなければなりませんが、すると、その中で飼う深海魚にどうやって餌を与えるのでしょうか? 一瞬も圧力を抜けないのです。どうやって水を入れ替えるのでしょうか?
大きな地震が起き、万々が一にでも水槽の壁にヒビが入り、割れたらどうなるのでしょう? 水が漏れるどころではありません。数十気圧から100気圧にもなろうかという高圧ですよ? 大爆発ですよ! 少なくとも数トンはあろうという海水の塊が爆発して飛び散るのですよ? 建物は崩壊し、都心にキノコ雲が上がるでしょうなあ。
つまり、深海魚を飼うのに大きな圧力なんかいらないのですよ。深海魚を水面上に引き上げると死ぬのは、急激に引き上げるからです。ゆっくり引き上げれば、別に死にはしないのです。
強い光には弱い、などの配慮は必要ですが、深海魚を飼うのに別に海水に高い圧力をかける必要はないのです。
A. アンギラスさんから
深海魚は「高水圧に耐えることができる」のであって、「高水圧がないと生きて行けない」のではありません。通常は水族館で水槽に水圧をかけてはないでしょう。もちろん、急激な水圧の変化はダメでしょうけど、それよりも水温や海水の成分の違いが問題だと思います。
マダラなどは通常大陸棚の200mメートルくらいの深海底に住んでいますが、産卵時には浅い所へ上がってきます。
通常、水族館では外洋(黒潮が流れているあたり)で貨物船にバラストタンクに海水を注水して来てもらって、そのキレイな海水を利用しているそうです。
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