--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.493(2006.01.06)

Q. ずびずばさんからの疑問

 ずっと前から不思議に思っていたんですが、ビスケットや一部のクッキーを口の中で噛み砕いて溶かしていくと、熱くなってくるような感じがします。特に顕著なのは北海道のトラピスト修道院のクッキーです。絶対に熱を発していると思います。
 どちらかというとビスケットの方が熱を持つ傾向が強いように思うのですが、これは錯覚でしょうか? 何か化学反応が起きているのでしょうか?
 他の食べ物ではこのような感覚を感じたことはないように思います。ご存知の方がいらしたら教えていただければ幸いです。

私はクッキーが大好きです。(星田)


A. ごんたさんから

 確か、カルシウム化合物に水分を加えると、酸化(?)反応によって熱を発生しますね、携帯カイロや暖かくなる弁当の熱源にも使われているアレです。原理はそれなんじゃないでしょうか?
 カルシウム自体は食べ物に多く含まれるものなので、特別危険な物質ではないですし、特定銘柄にそれが顕著に現れるのは、配合の問題ではないでしょう。

A. markさんから

 物質の中には、確かに水に溶けることにより熱を発生するものがあります。このとき発生する熱を「溶解熱」と呼びます。たとえば「水酸化ナトリウム」という物質は、水に溶かすことによりかなりの熱を生じます。
 一方、物質が水と化学反応を起こすことにより熱を発生する場合もあります。このとき発生する熱を「反応熱」と呼びます。たとえば「酸化カルシウム」という物質(一般には「生石灰」と呼ばれています)は、水と反応して「水酸化カルシウム」という物質(一般には「消石灰」と呼ばれています)に変わり、そのときに熱を生じます。何も使わずに温かくできるインスタント食品(最近見なくなりましたが……)などは、この原理を応用しています。
 さて、ビスケットを口の中で溶かすと温かくなるのは、ビスケットに含まれる成分が「水に溶けることにより熱を発生している」か、「水と化学反応を起こすことにより熱を発生している」かのどちらかであると考えられますが、おそらく前者の方であろうと思われます。
 なぜなら、水と化学反応を起こす物質というのはそれほど多くなく、まして食品の場合、水と容易に反応して成分が変化するということはあまり考えられないからです。
 結論:ビスケットに含まれる成分(糖質、タンパク質etc.)のいずれかが、水に溶けることにより「溶解熱」と呼ばれる熱を発生している。

A. アンギラスさんから

 この疑問に対しての答えは、まったく解らなかったのですが「カルシウム化合物」による発熱という説は理に適ったものと思います。
 ですが、カルシウム化合物が発熱するのは、鉄などが酸化するときに発熱するのとは違います。カルシウムは単体では不安定な物質なので自然界では様々な形の「化合物」として存在しています。

  CaCO3+加熱→CaO+CO2↑
            →CaO+H2O
           →(発熱)
           →Ca(OH)2+CO2
           →CaCO3+H2O↑

 推測ですが口中で上記の化学反応が起きているのでしょうか? これは生石灰が水分と化合するときに発熱するもので「水和反応」といいます。
 CaCO3は広く自然界に分布している石灰岩=主成分は「炭酸カルシウム」。CaOは生石灰=酸化カルシウム。Ca(OH)2は消石灰=水酸化カルシウムです。

A. lulouninnさんから

 化学反応によって熱は発生しますが、ビスケットのような有機物で起こるとは思えません。
 おそらく、冷えるキャンディーのように実際に温度が変化するのではなく、味覚の刺激によってそのような感覚になるのではないのでしょうか?

A. トラピストクッキー(函館の)が作りたいさんから

 ビスケットなどの膨張剤は、重曹(=炭酸水素ナトリウム(NaHCO3))であることが多い。
 炭酸水素ナトリウムは、熱分解によって炭酸ナトリウム、二酸化炭素、水の三つの物質に分解(この辺とかいろいろwiki)。

   2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2

 ただし、

・粉末は270 °C で分解
・水溶液は65 °C以上で急速に分解する。

らしい。
 ビスケット、クッキーなどを作る際、バターミルクなどの水分を加えて生地を一まとめにし、1時間以上寝かせることが多いため、NaHCO3は水に溶けて水溶液になっている……と思うな!
 一般家庭にてクッキー類を作成する場合、通常焼成温度は160℃以上であることが多いため、水溶液であれば、分解して、Na2CO3になっているはず。よって、ビスケットなどを焼成した後には、Na2CO3が残っていると考えられる。この残ったNa2CO3が発熱反応してくれればOK。
 っつーかたしか、水和のエネルギーと結合が切れるエネルギーのどっちが勝つか、で決まるはず。理科年表とか面倒になってのでググった。

  炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)…………………吸熱
  炭酸ナトリウム無水物(Na2CO3)………………発熱
  炭酸ナトリウム10水和物(Na2CO3・10H2O)…吸熱

だって。何kJ/molまでは誰か調べてくんさい。
 函館のトラピストクッキー、美味いよね。昔ちゃんと修道院で作ってたときは冗談じゃなく口の中が熱くなったけど、最近はレシピを業者に渡して民間委託してるらしく、味は変わっちゃいましたね……。単にさくっとしてるだけの代物に……。
 昔のトラピストクッキーを作ろうと試行錯誤してるが、それっぽくはなっても、中々昔のトラピスト程の「熱さ」にならんのですよ。ちくしょーめ。作り方わかったら教えてください。

暗闇料理人さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。

引き続き、みなさんからの回答をお待ちしています。(星田)

A.現在、調査中です。情報ください。 [メール]