--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.512 (2006.04.11)

Q. KYさんからの疑問

 どうなってんでしょうか? 銀行にお金を預けても、利率は1%もないなんて! 0.001%ってところもありますよ。ひどいですよね!
 どうしてこんな低い利率になるのか? 利率というのはどうやって決められるのか? 「私だけ」高い利率にしてもらえないのか?
 どなたかわかりやすく教えてくださいませんか? 素朴な疑問ではありませんが……。

100万円貯金しても、1年間で10円ってこと? え、間違ってます?
「わかりやすく」ってところがポイントですよ。「そういう仕組みだったのか。だったら0.001%もしかたないなぁ」と思わせる回答を待ってます。(星田)


A. アンギラスさんから

 低金利は「銀行の救済」です。
 銀行は、お金を預かるだけでは商売になりません。それを利用して、他人へ貸して利息を取って儲けていますね。他にも株式取引などもありますが、要するに「他人の褌で相撲を取ってる」わけです。
 不景気な状況では「高金利」では、誰も金を借りてくれません。したがって「低金利」でないといけない。要するに薄利多売をしたいが、預金者に昔のような高金利を払っていたら銀行が儲からないので、仕入れ価格である預金者への金利を「ほぼ0」にすることで、利鞘を稼いでいるわけです。
 また、銀行には「(預金残高を含めた)資産の##%以上貸し出してはいけない」という規定があります。儲かるように、たくさん貸したければ預金額を多く保っておく必要がありますが、預金者に高金利を支払っていたら、なかなか借り手が現れないときに、預金者への支払い金利の負担が大きくなり利益を圧迫していきます、低金利だとそういう心配もない。これも低金利で銀行が受ける恩恵の一つです。
 高金利の預金としては「外貨預金(円をドルやユーロに替えて外国の銀行へ預金する)」がありますが、引き出すときの為替レートによって円高になっていたら、いくら外貨で増えていても円に替えたとき、元金割れしてしまうリスクがありますね。

A. ざ〜さんから

 日本銀行の「量的緩和政策」というのが原因です。
「量的緩和」とは、日本銀行はいくらでも市中銀行にお金を貸すということです。しかも、ゼロ金利政策で利息は0%です。
 ですから、銀行は一般の人から預金を集めて、資金を確保する必要がありません。タダ同然とはいえ、わずかでも利息を預金者に払うよりは、日本銀行から借りた方がさらに安く済みます。
 しかし最近、量的緩和が中止されました。つまり、日本銀行はお金を簡単には貸してくれなくなりました。これからは預金者から資金をせっせと集める必要があります。ですから利息も少しずつ上昇するでしょう。もちろんローンの利息も上がりますけどね。

A. ヒイロさんから

 銀行の預金金利は、基本的には公定歩合に連動して決められます。公定歩合は、中央銀行つまり日本銀行が民間銀行に資金を融資する際の金利です。一般的に銀行の預金金利は公定歩合より低い金利となります。その理由は、銀行が企業などに融資するための資金をどこから集めるのかということに起因します。
 つまり、もし、預金金利が公定歩合より高いとすると、銀行にとっては高い利子を払ってまで顧客に預金をしてもらうより、日本銀行から借りた方がお得となり、無理に人件費や広告費などのコストをかけてまで預金を集める必要がなくなります。
 このことを前提に考えると、現在の金利の低さを簡単に説明できます。
 日本銀行は、バブル崩壊以降、山一證券や拓殖銀行が破綻した金融危機を経て、必要以上の金融緩和策を取ってきました。これには、日本の銀行には資金が潤沢にあるので安全です、安心して下さいというメッセージという意味合いもありました。
 結果、実質ゼロに近い公定歩合で、ほとんどタダ同然で銀行に資金を提供してきました。これがいわゆる「ゼロ金利政策」です。
 このため銀行としては、別に預金が集まらなくても、融資資金に困ることはありません。ほっといても日本銀行がどんどん資金を提供してくれるからです。なので、預金金利もほとんどゼロに近い状況となっています。

A. ヒロシさんから

 私はその道のプロではないので詳しい仕組みは分かりません。そこで、ちょっとひねくれた方向から見た意見を。
 もし今、年利10%の銀行があったらどうします?
 そんな銀行の経営が成り立つかどうかは置いといて、年利10%なら、みんなその銀行に預けますよね、将来収入が増えるという確実な見込みがすくない現在、少しでも将来に備えて蓄えようとするのではないでしょうか。
 10%ぐらいあれば、銀行に預けておくだけで増えた様な実感がしますね。お金は銀行に預けて置いた方が得だと考えるようになり、どうしても今買わないと生活に困るという物以外は、とりあえず、今は買わないで貯蓄しておこうと考えるのではないでしょうか。
 そして、物を買う人が減れば、物が売れなくなり、それを作る会社も仕事が減り、巡り巡って給料などの収入もすくなくなります。将来に対する不安が大きくなるのでさらに貯蓄を増やそうと、手元にあるお金は出来るだけ銀行に預けようと努力し、さらに物が売れなくなると。
 自分の預金だけが金利が上がるのならともかく、金利が高い世の中が、ただちに良い世の中だとは言えないような気がします。