ピーチク パーチクと忙しく羽ばたきながら鳴くのは、みな雄のヒバリです。この鳴き方を「さえずり」といいます。ヒバリにかぎらず、多くの鳥は雄がさえずります。
さて、雄のヒバリは何のためにさえずっているのでしょうか?
それは、自分の子どもを無事に育てるためです。子どもを育てるためには、与える餌と、巣を作り餌をとるためのある程度の空間が必要です。それらを脅かすものとして、もちろん外敵がいるのですが、実は同じ仲間のヒバリがいちばんの敵なのです。だから、ヒバリの雄は自分の巣の周りにある子どもに与える餌を持っていってしまう。他の巣のヒバリが入ってこないように絶えず、自分の巣の上でさえずっているのです。
うまくさえずることができると、雌に対して「魅力的な雄なんだぞ!」とアピールすることもできます。声高々にさえずると、当然外敵にも目立ってしまうでしょう。それにも関わらず生き続けることができる雄は強くいから、配偶者となった雌が安心して子育てすることができるという意味もあるのです。 次に、鳥はさえずるときどうして息切れしないのでしょうか?
鳥は空気の薄い高いところを飛ぶとき、効率良く酸素を体に取り込むために「気嚢」という特別な器官を発達させています。気嚢とは肺の前後に付属する副室のようなものです。この気嚢の働きにより空気は鳥の肺を一方通行に移動します。その結果、鳥は息切れすることなく続けて鳴き続けられるのだと考えられています。
蛇足ですが、鳥類の祖先と考えられている恐竜が繁栄した中生代は、現代よりずっと酸素の割合がすくなかったそうです。その時代の恐竜の化石には現在の鳥類と同じように気嚢の痕跡を持ったものがあり、ほ乳類の祖先等より効率の良い呼吸ができたことが繁栄に繋がったとも考える科学者もいます。
★なるほど! そういうことだったのですね。感動しました!(星田)