Q. まさきさんからの疑問
「50音順」てよく言いますよね。
でも、ひらがなを数えてみたら、46文字しかないありません。「ゐ」や「ゑ」をあわせても48文字ですよ。
なぜ「50音順」って言うんでしょうか?
★う〜ん。文字は48でも、「音」は50あるのかな?(星田)
A. 黒男さんから
日本語は正確には112音の音があります。「あいうえお〜わをん」の他に、濁音、半濁音、鼻音などです(メガネのガは鼻音で、表記は「カ°」と書くそうです)。
北京語は400音、英語は8万音以上あるそうで、日本人の英語が下手なのはの音を聞き分け、言い分けられないからだそうです。
★日本語の「音」の数には、もしかしたら異論もあるかもしれません。(星田)
A. ヒイロさんから
50音図は、最初に平安時代に作られ、インドの古典言語であるサンスクリットのデーヴァナーガリー文字、いわゆる梵字の文字配列を元にしているとと言われています。
古代インドでは、悉曇学と呼ばれる言語の音声を細かく分類して分析する学問が発達していました。言語の音と母音や子音に細かく分けて、配列表を作るというものです。これが仏教とともに日本に伝わり、僧侶達によって、このデーヴァナーガリー文字の配列が日本語の音で置き換えられました。これが50音図の始まりと言われています。「あかさたなはまやらわ」の各行で50音です。
厳密にいうと50音図というのは、ひらがなというよりは日本語の表音文字の配列といえます。表音文字というのは、文字が音のみを表す文字で、文字自体には意味はありません。たとえばアルファベットがこれに当たります。逆に文字自体が音を表すのではなく意味を持つ文字を表意文字といい、代表的なのが漢字ですね。
では、なぜ実際のひらがなが48文字しかないかというと、これは50音ができた後の時代に全国で流行った「いろは歌」が原因です。「いろは歌」というのは、いわゆる「いろはにほへとちりぬるを……」のことです。この歌は、日本語の音を表す表音文字を1文字ずつ使って仮名書きした歌で、その後この歌で使われていた文字がそのまま日本語での表音文字、つまりはひらがなを表すようになります。
ひらがなが50音ない原因は、このいろは歌では47文字しか表音文字が使われていないということです。つまりいろは歌では、日本語で発音し分けることが可能だった表音文字のみを使い、発音し分けることができない文字を外したので全部で47文字しか使われていません。
ちなみに47文字とは、や行の「い」と「え」、わ行の「う」を除いた残りの文字となります。これにその文字そのものは発音できない撥音表記である「ん」を加えた48文字が現在のひらがなとなっています。
このように表音文字の配列である50音には、実は発音できない「ん」は含まれません。
※「撥音」は、直前の母音を伴って韻を踏むように発音する文字で、直前にどのような文字が来るかで「ん」の音自体も変化します。基本的には、「ん」はそれ単独では音にならないということは、日本語に「ん」から始まる言葉がないことからも説明ができると思います。
★しばさん、三銀杏さん、やまおさん、YAIさん、ドナノレドさん、台湾蝶々さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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