--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.529 (2006.06.20)

Q. 中学生の父さんからの疑問

 水は100℃で気体になりますよね。それなら、部屋に置きっぱなしのコップの水が減るのは、なぜですか?
 バカな親が分かりやすく子どもに伝えられるように教えてください。お願いします。

さあ、どこまでわかりやすく説明できますか?(星田)


A. bluestarさんから

 水は温度によって3つの状態になります。0℃以下で氷という「固体」、常温で水と言う「液体」、100℃度以上になると水蒸気と言う「気体」になります。でも、どの状態でも一つ一つの分子は同じ。ただ、握手の力が違うだけです。
 固体の場合は、校庭に集まった生徒が、しっかりスクラムを組んで、誰も自由に動けない状態。
 液体の場合は、校庭に整列はしてるけど自由に動ける状態。
 気体は、サッカーの試合中のようなもの。自由に動き回ってます。暖かくなると虫が動き出すように、分子も活発になります。だから、沸騰するとどんどん空中に飛び出していきます。
 でも、液体の状態でも分子はわりと自由に動けますから、整列してた中から、退屈した分子がちょこちょこ列から離れて行ってしまいます。これが「蒸発」という現象。そこに風でも吹いたら、もっと沢山の分子が離れてしまいます。
 蛇足ですが、やかんの口からシューシュー吹き出してる白い煙は「水蒸気」ではなく「湯気」です。放出された高温の水蒸気が冷やされて分子同士が再結合して白く見えます。本当の水蒸気はやかんの口のすぐ上、湯気と口の間の透明部分が「水蒸気」なんです。

A. おとぼけ太郎さんから

 簡単に話すと、水は100℃以下(1気圧)でも蒸発します。
 100℃の状態では水の表面だけでなく内部からも激しく蒸発します。この状態を「沸騰」といいますね。それに対し、常温(100℃以下)では水の表面のみで蒸発します。この状態では激しくは沸騰できません。
 では、なぜ100℃では激しく蒸発できて、それ以下では激しく蒸発できないのか? それは蒸発するには気化熱といって非常に大きなエネルギーが必要だからです。常温の状態ではそんな大きなエネルギーを得られないのです。沸騰しているときは加熱されエネルギーが加えられていますね。さらにそのエネルギーを温度上昇ではなく(温度上昇できない)、気化熱に使われるので内部からも激しく蒸発できるのです。
 この状態で加熱を止めると、すぐに沸騰が止まりますね(容器等の比熱分で少し続きますが)。すなわち、気化するにはそれほど大きなエネルギーが必要なのです。
 常温でも外気の変動により水よりもその雰囲気温度が高くなれば、そこからエネルギーが得られるので蒸発できます。また、湿度との兼合いで乾燥すると物質は状態を平衡(一定に保とうとする)しようとするので蒸発します。
 湿度のところの補足すると、水は水分(湿度)100%、水表面のわずかなところでは、水面から上がるにしたがって徐々に湿度が低下していき平衡(安定)していますが、風が吹いてその平衡状態が崩れると、元の安定状態になろうろ蒸発が促進されます。なお、この状況は湿度が100%にならない限り発生します。
 ちなみに、0℃以下(氷の状態)でも蒸発(ここでは昇華ですね)しますが、やはり同じ原理です。

A. ごんちちさんから

 洗濯物が乾くのは、繊維に付いていた水が出ていったから乾くのです。水が出て行った場所は大気中です。この位は中学生でも理解できるでしょう。
 コップの中の水は、何もしなくても、大気中に水蒸気の形で出て行きます。時間さえかければ、いつの間にかカラッポになります。
 水をヤカン等で沸騰させたときに白い湯気が出ていたり、冬に川面から湯気が出ているのを「水蒸気が昇っている」などと言ったり、聞いたりすることがあると思いますが、あれは「湯気」で、水の粒子です。水蒸気はガス状ですから目には見えません。
 大気中と前述しましたが、大気は無限に水蒸気を受け入れることはなく、一般に温度が高いほど含み得る水蒸気の量は多く、低いほど少なくなります。この「飽和水蒸気量」を越えると、水蒸気の状態では存在できず水に戻ります。そのときの温度を露点温度といいます。
 この先は専門的になるので省略しますが、暑い夏にオトーサンの楽しみ、冷えたビールのコップ外側に水滴が付くのは、大気中の目に見えない水蒸気が水に戻った姿なのです。

A. とんとんさんから

 すべての物質の分子・原子は、温度に応じたエネルギーをもっていて、「熱運動」を行っています。
 液体の水の分子も、激しく動き回っていますが、液体の中では他の分子と引き合う力が働くので、そのまま空中に飛び出すわけではありません。ラッシュアワーの人ごみのように、がさがさごそごそと動き回り、他の分子とぶつかり合っています。
 ところで、分子がぶつかるたびにエネルギーのやり取りが行われ、分子によっては平均のエネルギーより大きいエネルギーをもつものも出てきます。それらは、まわりの分子から引き合う力を振り切って空中へ飛び出すことになります。
 熱運動は、温度に関係するので、温度が上がるほど、大きなエネルギーをもって空中へ飛び出す水の分子の数が増えることになります。
 温度が低くても、空中へ飛び出せるエネルギーをもつ分子は、少ないながらもある割合で存在するので、コップの水は少しずつ減っていきます。
 なお「水は100℃で気体になる」といういいかたは間違いで、「水は100℃で沸騰する」というのが正しい言い方です。
 沸騰とは何か、というと話がそれますので、ここでは触れないことにしますが、「沸騰しなくても蒸発している」ということです。

A. 洞窟ピングーさんから

「水は100℃で気体になりますよね」
 ここが問題です。
「100℃で気体になる」というのは、「100℃で初めて気体になれる」ではなく、「100℃では気体にならざるを得ない(1気圧の場合)」です。
 ですから、100℃以下でも水は気体になります。水(液体)でいるのと気体できるのとどっちが楽か比べて楽な方に流れます。
 コップの中では周りの水と一緒にいるので液体のままでいる方が楽です。一方、表面で空気に触れている部分は液体でいるよりも気体になった方が楽なので気体になります。そのために表面から段々と気体になっていき、コップの水は次第に減っていきます。

A. いっこさんから

 中学生の父さんの誤解は、「100℃にならないと水は気体にならない」という点にあります。
 水は常温でも表面から蒸発(気化)しています。水の表面は空気に触れていて圧力が低いので、常温でも問題なく蒸発できます。
 一方、水の内部では水圧のため気化するには常温ではエネルギーがたりませんが、水を100℃まで熱するとエネルギーを得て気化することができます。これが「沸騰」という現象です。

 結論
 ・水は常温でも気化する
 ・水は100℃で沸騰する
 ・この2つの現象を混同しない

A. 松山 巌さんから

 実は,以前『理科がもっと面白くなる科学小話Q&A100 中学校2分野編』(明治図書)という本の中で、この質問を取り上げたことがありますので、以下に紹介します。
 質問者さんは、「分かりやすく子どもに伝えられるように教えてください」ということでしたので、ちょうどいい感じだと思います。
 ちなみに、この本の『小学校高学年編』には星田さんも執筆されていますね。

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 水は100℃じゃなくても気体になるの? 

 小学校の理科で、お湯を沸かす実験をやった覚えのある人もいるでしょう。ビーカーの中に水道の水を入れ、アルコールランプやバーナーで加熱しながら、たとえば1分ごとに温度をはかります。100℃近くなると、なかなか温度が上がらなくなってきて、ビーカー内の水が減ってきます。水が消えたわけではなくて、水蒸気という気体になって外に出て行ったのですね。

 液体が気体になることを蒸発といいますから、「水は100℃で蒸発する」という言い方ができます。

 でも、これって本当でしょうか。

 ビーカーの水を加熱しないで、そのまま部屋の中に置きっぱなしにしても、時間が立てばだんだん蒸発して、中の水は減っていきます。このとき、ビーカーの中の水は100℃になっているのでしょうか。さわってみても別に熱くもなんともありません。

 洗濯物を干しておくとやがて乾きます。繊維の間にはいった液体の水が少しずつ蒸発しているからです。もし、洗濯物を干すと100℃になってしまうのだとすると、熱くてすぐにはとりこめないはずですね。

 水をはじめとして、物質は分子という小さい粒からできています。液体の水では、分子同士がゆるやかにつながっていますが、水蒸気になると一粒一粒がばらばらになって、空間をビュンビュン飛び回っています。

 液体の分子もそれなりに動いているので、ビーカー内の水面のあたりにいる分子のなかには、勢い余って空中に飛び出して行ってしまうものがいます。また逆に、空中を飛び回っていた水蒸気の分子のなかには、液体の水の中に飛び込んでくるものもいます。飛び出すほうの数が多ければ、結局液体の量が減り、水蒸気として出て行くことになります。これが蒸発です。

 置きっぱなしの水や洗濯物の例からも分かるように、蒸発は100℃にならなくても起こります。となると、小学校で「水は100℃で蒸発する」と習ったのはウソだったのか。100℃という温度には意味がないのでしょうか。

 お湯を沸かす実験を思い出してください。水をビーカーに入れると、すぐにも表面から少しずつ蒸発し始めます。でもそのペースがゆっくりなので、すぐには気付かないのです。何日も置いておけば目に見えて水量が減ります。水が40℃、50℃と暖まっていくにつれて、蒸発のペースは少しずつ上がるのですが、水量が目に見えて減るほどではありません。

 ところが、100℃に近づくと、あきらかに様子が変わります。水の中のほうから大小の泡が出てきて、ぶくぶくとのぼって行き、いかにも「お湯が沸く」という感じです。この泡は水蒸気です。つまり、表面だけでなく、中のほうでも蒸発が盛んに起こるようになるのです。この状態を沸騰といいます。

 したがって、
「水は100℃でなくても蒸発するが、100℃になると沸騰する」といえばよいわけですね。

◆沸点は気圧によっても変化する。したがって、その時々の気象条件や実験を行う場所の標高に左右される。標高約1000mの軽井沢で湯沸かし実験を行えば、沸点は約97℃になる。

あーさん、ちふみさん、暮雪さん、まさきさん、YOSHYさん、SHOWさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。